日刊IWJガイド・番組表「小池新党・『希望の党』が結党記者会見! 本日の衆議院解散、10月22日の総選挙で『極右二大政党制』が現実に!?/本日配信!自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で『ナチスの手口』がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー/在特会の桜井誠元会長が敗訴! 東京地裁は桜井氏の発言を『不当な差別的言動に該当する』と認定!」2017.9.28日号~No.1840号~


■■■ 日刊IWJガイド・番組表「小池新党・『希望の党』が結党記者会見! 本日の衆議院解散、10月22日の総選挙で『極右二大政党制』が現実に!?/本日配信!自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で『ナチスの手口』がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー/在特会の桜井誠元会長が敗訴! 東京地裁は桜井氏の発言を「不当な差別的言動に該当する」と認定!」2017.9.28日号~No.1840号~ ■■■
(2017.9.28 8時00分)

★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■<はじめに>小池新党・「希望の党」が結党記者会見!本日の衆議院解散、10月22日の総選挙で「極右二大政党制」が現実に!? (林俊成)
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ!>(林俊成)
┠――【1】自民党が選挙公約の重点項目に「憲法改正」を盛り込む方針! 民進党は9条改憲反対!
┠――【2】在特会の桜井誠元会長が敗訴! 東京地裁は桜井氏の発言を「不当な差別的言動に該当する」と認定!
┠■<★本日の配信★>
自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー
┠■<★岩上安身のインタビュー報告★>北朝鮮ミサイル危機迫る沖縄! 今問われる「自己決定権」から「東アジア共同体」構想を考える! 岩上安身による『沖縄謀叛』編著・鳩山友紀夫氏・松島泰勝氏・木村朗氏インタビュー!(城石エマ)
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<はじめに>小池新党・「希望の党」が結党記者会見!本日の衆議院解散、10月22日の総選挙で「極右二大政党制」が現実に!?
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 おはようございます。IWJテキスト班の林俊成と申します。

 本日、臨時国会が召集され、衆議院が解散される見込みです。

 今回の「森友・加計隠し解散」(安倍総理による命名では、戦中を想起させる「国難突破解散」)ですが、小池百合子東京都知事の乱入により、まったく先行きが読めなくなりました。

 昨日午前、東京新宿のホテルで、小池新党「希望の党」の結党記者会見が開かれました。会見には多くのメディアが詰めかけました。

※疑問だらけの小池新党「希望の党」結党会見~「原発ゼロ」を掲げるも揃った面々は民進離党の右派議員や極右・日本のこころ議員ら! どこが「情報公開」? IWJやフリー記者の指名を拒否! 2017.9.27
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/399047

 会見には、若狭勝氏、民進党を離党した細野豪志氏、松原仁氏、長島昭久氏のほか、自民党を離党した福田峰之氏、日本のこころの元代表・中山恭子氏も出席しました。一見して非常にタカ派色の強い陣容です。

 「希望の党」は、「寛容な改革保守政党」を目指し、「しがらみ政治から脱却」するために情報公開を徹底するとしていますが、小池氏が都議選に際して立ち上げた政党・都民ファーストの会は、代表選考過程すらブラックボックスに包まれており、個々の議員が取材に答えることを許さない情報統制政党です。情報公開とは真逆の立場にいると言わざるを得ません。

 また小池氏は会見で、「原発ゼロを目指す」と表明。脱原発・リベラル票の獲得を狙っているようですが、過去に核武装論を主張したこともある小池氏に、タカ派色の強いこの顔ぶれでは、とても信用できません。さらに小池氏は、自身のホームページ上に掲載していた「核武装の選択肢は十分ありうる」と書いたコラムをばっさり消しています。脱原発のシングルイシューにのみ関心があり、あとは無関心という無党派の一部の票を選挙のときだけ取り込もうという打算がむき出しです

・Internet Archive(2016年7月18日の小池百合子氏のホームページ)
https://web.archive.org/web/20160718110054/https://www.yuriko.or.jp/bn/column-bn/column2003/column030320.shtml

・現在の小池百合子氏のホームページ
https://www.yuriko.or.jp/

 小池氏の挨拶、細野氏による党綱領の説明、若狭氏による結党決意表明の後、記者からの質疑応答に移りました。IWJは質疑応答で、希望の党は「自民党の改憲案、とりわけ緊急事態条項に賛成するのか」という質問をぶつけるつもりでした。しかし小池知事の定例記者会見同様、IWJは今回も指名されませんでした。こうした点も、小池新党は情報統制管理が徹底しています。小池神輿をかつがないIWJは、徹底して黙殺する腹づもりのようです。

 記者から「首班指名にのぞむのか?」と問われた小池氏は、「東京都政をさらに前に進めるためには国政も変えていかねばらない」とし「首班指名については、戦いが終わったあとで考える」と答えました。また、「都知事は二期目もまっとうするのか?」という質問には、「2020年オリンピック・パラリンピックの成功にむけた準備を都知事としてしっかりと進めていきたい」と答え、今のところ国政への転身は否定しましたが、将来的なところまでは否定しませんでした。

 また、細野氏は質疑応答で、安全保障について、「安保法制白紙撤回論では厳しい安全保障環境に対応できない」として、「必要な部分は既存の法制について認め、現実的な対応をしていく」と述べ、立憲4党とははっきりと異なる立場を明言しました。また、「改革保守ということで言うならば、憲法改正も一つのテーマになる」とし、「(9条の議論ではなく)優先すべきは、地方自治や国会のあり方について改革志向の憲法改正の提案をしていくというのが象徴的なテーマになる」と述べました。

 他方、愕然とさせられるのは前原誠司代表率いる民進党です。前原代表は、26日夜に小池氏と会談し、「希望の党」と連携する方針で合意したと報じられました。統一名簿を模索しているようですが、民進党が希望の党に合流するとの報道もあります。野党共闘を求める声を無視し、民進党を見限って出て行った右派議員と合流を検討するとは、民進党の左派議員はどう対応するのでしょうか。そして、仮に総選挙の結果、希望の党が野党第一党になった場合、日本の政治状況は「極右二大政党制」になりかねません。

 しかもその与野党は改憲で対立していません。自民党が議席を減らしても、改憲勢力の一角であることを隠さない希望の党に民進党が吸収され、改憲発議に必要な議席は確保されるでしょう。9条の改訂も緊急事態条項の加憲も、とどこおりなく行われてしまいます。何というふざけた政党政治、なんというふざけたマスメディアのマニピュレーションでしょうか。

・民進、希望と連携合意 前原・小池両氏、統一名簿を模索(朝日新聞、2017年9月27日)
http://www.asahi.com/articles/ASK9W46MHK9WUTFK00G.html?iref=comtop_8_01

・「民進党」が「希望の党」に合流で最終調整(日テレNEWS24、2017年9月27日)
http://www.news24.jp/articles/2017/09/27/04373671.html

 さらに、前原代表が無所属で立候補するという話も。一体何がどうなっているのか。前原代表と代表の座を争った枝野幸男代表代行はどう動くのか。本日13時から開かれる民進党の両院議員総会に注目が集まります。IWJも中継する予定です!また、両院議員総会の後には、前原代表の記者会見が予定されていますが、こちらは流動的です。確定次第、ツイッター等でお知らせします。

★民進党 両院議員総会
[日時] 2017年9月28日(木)13:00〜
[視聴URL]http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

・民進 前原代表 「希望の党」に事実上 合流したい意向(NHK、2017年9月27日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170927/k10011158411000.html

・衆院選 民進党の前原誠司代表が無所属で出馬へ(毎日新聞、2017年9月27日)
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170928/k00/00m/010/068000c

 なお、前原氏が無所属で出馬するという報道について、民進党の泉ケンタ衆議院議員は「『前原代表、無所属で出馬』は完全な誤報です。今、前原代表本人に確認しました。皆様、どうか惑わされぬよう」とツイートしています。どちらが正しいのか、現段階では確実なことは言えません。

・泉議員のツイート(2017年9月27日)
https://twitter.com/office50824963/status/913035028862443521

 また、民進党の有田芳生参議院議員は昨日、こうした動きについて、「民進党と希望の党が合流する構想が強まっているという。『いう』と書くのは、いわゆる『ボス交』(ボスの交渉)でことが進んでいるから、全く知ることができないからだ。リベラル派を選別、置き去りにしての合流だとの解説もある。安保法、共謀罪などに賛成した議員との合体は『悪魔』との握手だ」とツイートしています。

・有田議員のツイート(2017年9月27日)
https://twitter.com/aritayoshifu/status/912937568483794945

 岩上さんは昨日、民進党議員に取材し、次のようにツイートしました。「民進党の議員とコンタクトを取った。明日に両院議員総会を控える今夜が山場であり、今、『前原クーデターに抵抗している』と。極秘に小池氏と通じ合い、党No.2の枝野氏にも知らせず、自党を解体に導く前原氏の行動は、心ある議員たちからは、クーデターと見なされている」「前原氏が画策した、希望の党との合流に乗らない議員が民進党として残り、立憲野党としての志を継ぐ、ということはあり得るか?という、私の問いに、一言、その民進党議員は『ありえます』と。注視したい」

・岩上安身のツイート(2017年9月27日)
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/913036972330958848
https://twitter.com/iwakamiyasumi/status/913037452490579970

 共産党の志位和夫委員長は、「希望の党」について「野党共闘の一丁目一番地で追及してきた安保法制の廃止、立憲主義の回復という点で、まったく違う」と述べ、民進党の対応について、「公党間の合意をきちんと守っていくことが大事ではないか」と不快感を示しました。

・共産委員長「自民党政治と同じ」(NHK、2017年9月27日)
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170927/0001081.html

 衆議院の解散により、IWJは総出で取材に駆け回ることになりそうです。希望の党についても取材をするつもりですが、今年行われた東京都議選では、小池百合子氏が代表を務めていた「都民ファーストの会」へ、7月2日の投開票日の開票センターへ取材へ入るために申込の連絡をしましたが、担当者がいないという理由で3日間はぐらかされ続け、結局、IWJは取材へ入ることができませんでした。

 今回の「希望の党」設立発表記者会見でも、事前にIWJへのプレスリリースなどが送られてくることはなく、情報を確認することができなかったのですが、一昨日の夜、ツイッターのタイムラインで会見の開催に気づき、早番に深夜に連絡して、会見会場へカメラマンが急行することがができました。

 「希望の党」には今後、他のメディアと同様にプレスリリースを送ってほしいこと、事前にこちらが情報を確認する連絡をした際には、はぐらかさずに教えてほしいということは、これからも伝えてまいります。

 皆さまも、今後、「希望の党」が会見などをするという情報をつかんだ場合は、ぜひ、IWJへ情報をお寄せいただきますようお願いいたします。取材へ駆けつけます!(連絡先 office@iwj.co.jp)

 そして、IWJが安定的に活動できるよう、まだ会員にご登録いただいていない方は、ぜひこの機会に会員にご登録いただき、会費でIWJをお支え下さい。

※会員登録はこちらからお願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 また、IWJの活動費の半分は、皆様からのご寄付に頼っています。8月以降、ご寄付が低迷しており、厳しい状態です。どうか皆様、ご寄付によるご支援をよろしくお願いいたします。

※ご寄付・カンパはこちらからよろしくお願いいたします。
http://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

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◆中継番組表◆

**2017.9.28 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch6】12:00~「憲法9条を変えるな!安倍内閣退陣9・28臨時国会開会日行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6

 「安倍9条改憲NO!全国市民アクション実行委員会」、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、「共謀罪NO!実行委員会」 が主催の抗議行動を中継します。
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【Ch5】13:00〜「民進党 両院議員総会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5

 民進党 両院議員総会を中継します。
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【Ch4】13:00~「院内集会と防衛省交渉 辺野古の工事、いまどうなっているの? ~生命かがやくサンゴ礁の海 大浦湾を守ろう!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4

 発言者は山城博治氏(沖縄平和運動センター)、北上田毅氏(沖縄平和市民連絡会/抗議船船長)。院内集会と防衛省交渉を中継します。
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【Ch2】17:45~「『中長期ロードマップの進捗状況』に関する記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2

 東京電力による記者会見を中継します。
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【Ch6】18:30~「私たちは戦争を許さない―安保法制の憲法違反を訴える 市民大集会」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6

 「安保法制違憲訴訟の会」主催の集会を中継します。
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【録画配信・IWJ_Youtube Live】21:00~「自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散でいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 9月25日収録の岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビューを録画配信します。

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◆中継番組表◆

**2017.9.29 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch未定】17:00~「政治私物化・KKK(かけかくし解散)許さない!安倍やめろ!野党共闘で政権奪還!衆院総選挙院内緊急総決起集会」

 「オールジャパン平和と共生」主催の集会を中継します。

▲▽▲▽官邸前抗議関連 ▽▲▽▲

【Ch5】18:30~「再稼働反対!首相官邸前抗議」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
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【IWJ_TOKYO8】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=tokyo8

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【献本御礼】倉本一宏著『戦争の日本古代史 好太王碑、白村江から刀伊の入寇まで』(講談社現代新書)
http://iwj.co.jp/feature/book/archives/2672

電事連会長の「ミサイルでも放射線物質放出なし」発言に世耕経産大臣がまともにコメントせず、「エネルギー行政と原子力安全規制行政は完全に遮断」と逃走!経産省世耕大臣会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/398917

中野晃一氏「希望の党が本当にまじめな選択肢になりますか?」山口二郎氏「民進党と自由党の合流は野党の協力体制を強化していく方向に作用する」!~市民連合による野党4党へ要望書提出後の記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/398980

「燃料デブリ取り出し方法確定は2019年度内、取り出しの開始は2021年内に」~取り出し方法は気中工法(水を張らずに作業)に軸足―中長期ロードマップ改訂に関する記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/398988

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<本日の配信>自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー
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 ニュース・フラッシュでもお伝えしたように、自民党が選挙公約の重点項目に「憲法改正」を盛り込む方針を固めました。改憲項目の中には、緊急事態条項の創設が含まれる可能性が高く、いよいよ麻生副総理の言う「ナチスの手口」が現実のものとなりつつあります。

 本日21時より、25日に収録した岩上安身による早稲田大学教授・長谷部恭男氏インタビューを配信します!

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★自民党改憲草案の緊急事態条項は戦前の国家総動員法の起動スイッチ!? 衆院解散で「ナチスの手口」がいよいよ現実に!? 岩上安身による早稲田大学教授 長谷部恭男氏インタビュー
[日時] 2017年9月28日(木)21:00~
[視聴URL] YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
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 長谷部教授は先月、歴史学者の石田勇治東京大学教授とともに、『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(http://amzn.to/2wfaOz8)を出版されました。今回のインタビューでは、ヒトラーの権力掌握過程を振り返り、自民党改憲草案に書かれた緊急事態条項の危険性についてお話をうかがいました。

 ワイマール末期のドイツでは、議会が機能不全に陥り、大統領緊急令が乱発されました。大統領緊急令は、立憲的な制度が危機に直面した時に、それを乗り切るため、一時的に大統領に権力の集中をはかる「委任独裁」の制度として想定されていました。ところがヒトラーは、首相就任直後に起こった議事堂炎上事件を最大限利用し、反対派を弾圧。わずか1年半で、既存の立憲的な制度を一変させる「主権独裁」を確立しました。

 長谷部教授はインタビューの中で、主権独裁が現れるかどうかというのは、(憲法の)条文で抑えられるか抑えられないかという話とは、少しレベルが違うとし、「具体的な政治状況によっては、どんなに立憲主義に即した憲法制度が整っていても、主権独裁は出現する可能性はある。そういうものだと思います」と指摘。

 そのうえで、自民党改憲草案に書かれた緊急事態条項について、「ただ、危ない制度は作らない方が良いわけで、2012年の自民党改憲草案で示されているような緊急事態条項は、戦前の国家総動員法を起動させるスイッチを憲法の中に入れ込んでしまう話で、体制そのものを根底から覆すきっかけを作りかねないものだと思います」と警鐘を鳴らしました。

 なお、長谷部教授は2015年6月、衆議院憲法審査会に自民党推薦の参考人として出席し、当時審議されていた安保法制について「憲法違反」と明言したことで、大きな注目を集めており、岩上さんはこの直後、長谷部教授にインタビューをおこなっています。

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※「日本が立憲主義を否定しようとしたら、米国は黙っていない」自民党推薦で安保法制を「違憲」と断じた「時の人」長谷部恭男早稲田大学教授が岩上安身のインタビューで警告! 2015.6.26
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250645
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 緊急事態条項の危険性については、以下の特集をご確認ください。

※これこそ「ナチスの手口」! 9条を含めすべての現行憲法秩序を眠らせ、日本改造を行う「緊急事態条項」 この上ない危険性!!
http://iwj.co.jp/wj/open/%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85%E7%89%B9%E9%9B%86

 また、緊急事態条項の危険性を含め、自民党憲法改正草案の問題について知るには、岩上さんと梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士の鼎談をまとめた『前夜 増補改訂版』(http://amzn.to/2we36W4)をご一読ください!

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

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<★岩上安身のインタビュー報告★>北朝鮮ミサイル危機迫る沖縄!今問われる「自己決定権」から「東アジア共同体」構想を考える! 岩上安身による『沖縄謀叛』編著・鳩山友紀夫氏・松島泰勝氏・木村朗氏インタビュー!
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 おはようございます、IWJ記者の城石エマと申します。

 昨日岩上さんは、『沖縄謀叛』(http://amzn.to/2wjfuEn)編著の鳩山友紀夫氏・松島泰勝氏・木村朗氏にインタビューをしました。同書には、今年6月12日に逝去された大田昌秀・元沖縄県知事も参加されています。

 北朝鮮がグアムに向けてミサイルを発射すると予告して以来、日本では小野寺五典防衛相が「敵基地攻撃能力」の保有を検討することを示唆し、来年度の防衛予算の概算要求にも、敵基地攻撃能力につながるミサイル開発費が盛り込まれるなど、きな臭さを増しています。

 グアムがターゲットにされているのは、そこに米軍基地があるからです。であれば、米軍基地の7割以上が集中する沖縄もまた、危機の矢面に立たされていることになります。

 鳩山氏、木村氏、松島氏は、「沖縄の自己決定権」をキーワードに、本土の人間の多くが直視していない「沖縄差別」を考察しました。

 民主党政権時代に、「普天間移設は最低でも県外」を掲げた鳩山氏は、「どれだけ時間がかかっても、米国基地をなくさなければいけない」として、次のように語りました。

 「(沖縄は)琉球時代から東アジアのハブとしての役割を担ってきた、平和の島です。軍事の要のようになってしまったが、平和の要として、東アジア共同体の中で大きな役割を果たすべきだと思います」

 鳩山氏の発言は「理想的」に聞こえるかもしれませんが、決して非現実的な提案ではないことを、石垣島生まれの松島氏が示しました。

 在ハガッニャ(グアム)日本総領事館専門調査員や在パラオ日本大使館専門調査員として研究をしてきた松島氏は、太平洋・ミクロネシア地域のパラオ共和国が、米国の信託統治領下で「非核憲法」を無効化されたことをきっかけに、米国から独立したことを紹介しながら、次のように述べました。

 「パラオ大統領は独立時に『米軍基地は有事の時のみ』と宣言しました。今も、米軍の大量の戦車や武器はありません。パラオが独立国だということです」

 一方、北朝鮮のミサイルのターゲットにされているグアムでは、米軍基地を押しつけられている現状に、先住民族のチャモロ人の方々が怒りの声をあげ続け、米国の「植民地下」にある現状を住民投票で変えようとする動きも出てきているといいます。

 米国に対し「自己決定権」を突きつけるパラオやグアムと同じように、沖縄でも「独立」を求める声が高まってきているといいます。

 もちろん、本土の人間はそれを他人事のように見ていることはできません。『沖縄謀叛』の企画者でもある木村氏は、「沖縄問題の本質は日本問題。基地問題は人権と民主主義の問題。戦後日本は一度たりとも独立国家であったためしも民主国家であったためしもない」と断言しました。

 衆院解散総選挙が迫っています。昨日のインタビューは、以下よりアーカイブをご視聴いただけますので、ぜひご視聴いただき、このタイミングでこそ私たちの「自己決定権」について、多くの方に考えてみていただきたいと思います!

※北朝鮮ミサイル危機迫る沖縄!今問われる「自己決定権」から「東アジア共同体」構想を考える! 岩上安身による『沖縄謀叛』編著・鳩山友紀夫氏・松島泰勝氏・木村朗氏インタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/399010

 それでは今日も1日、よろしくお願いします!

※日刊IWJガイドのフルバージョンは下記URLより御覧ください。
http://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20170928

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