日刊IWJガイド 2015.4.22日号~No.952号~


おはようございます! IWJ原です。

連日の雨&自転車パンクの合わせ技で、ここのところ毎日、電車を使っています。せっかく連日の雨がストップしたので、若葉萌えるこの季節、颯爽と自転車で都内を駆け抜けたいところですが、修理に行く時間もなかなか取れず、もどかしさが募ります。

■ユーラシア大陸の秘めた「可能性」に胸を踊らせる!、、はずが。

昨日、岩上さんが行った、経済評論家・宋文洲さんのインタビューは観ていただけましたか? 宋さんが解説した、AIIBに関する話のスケールは壮大です。アジアでインフラに投資するための銀行を設立する、という。そのインフラというのが現代のシルクロードを作ろう、という話なのだそうです。

「シルクロード構想」と言われても、僕の世代はシルクロードブームというものを知りません(NHKが80年頃にシルクロードの特番を制作し大ヒット。喜多郎さんの音楽が流行したそうです)。あまりピンときていませんでしたが、図を使った岩上さんと宋さんの話を聞き、「これは面白そうだ」とのめり込むように視聴しました。

ざっくりいうと、「中国の東には日本しかない。しかし西を見ればインドがあり、パキスタンがあり、イランがあり、ロシア、トルコがあり…欧州まで続いてゆく。かつて、ヨーロッパ諸国は中国と交易したがっていても、途中にオスマン帝国が君臨していたため、東へ簡単に行けず、西へ、海へ出るしかなかった。それが大航海時代の始まりだが、今は邪魔するものはない。海路だけでなく、陸にも高速鉄道を敷き、高速道路をつなげ、パイプラインを敷き、貧しい国を豊かにしつつ、その豊かさを広げ、新たにシルクロードを結ぶ」という感じですね。

この「シルクロード構想」の一端を中国主導のアジアインフラ投資銀行「AIIB」が担う。そして世界の主要国がこぞってこのAIIBに参加を表明している。ユーラシア大陸が東の端から西の端まで全部つながっちゃうんですよ。大きな新しい時代のうねりを感じますよね。

こんなスケールの話を聞いて、テンションが上がらないほうがおかしいと思うのですが、残念ながら、日本は未だに参加を表明せずにいるんですよね。「米国追従」と「中国への反感」の感情からだと岩上さんはずばり指摘します。それに対し、宋さんはこう言います。

「自分がどうやって得するかを考え、特をするなら嫌なやつとでも提携するのが国際政治です。好き嫌いではない。中国の最大の目的は近隣の貿易圏の拡大です。確かに日中関係はよくないが、それでも日本に協力をお願いするのは、日本加入によってAIIBの『権威』が上がると素直に思っているからです」

しかし、日本は米国の顔色をうかがって副総裁、常任理事のポストを全て断りました。中国の経済覇権拡大をアシストしたくなかったともいいます。イギリスやオーストラリアなど、続々と米国の同盟国がAIIBに参加表明している中、唯一、米国に「忠義」を尽くした格好の日本。日本国内の反中派=安倍政権擁護派の論客の中には、これで「米国も日本のありがたみがわかっただろう」と鼻息荒く、「忠義」の見返りを期待している人もいるようですが、「国際政治に恩義はない。あくまでもリアリズム。米国の国益にとっていいかどうか」と宋さんは一蹴します。

そりゃそうですよね。国益を考えずに米国に追従にする日本がおかしい。しかも米国は参加表明こそしていないが、実際には3月末にルー財務長官を北京に派遣して、AIIBへしっかりとツバを付けていて、4月に入ったら手のひらを返して「歓迎」や「連携」を表明している。日本の安倍政権だけが、「中国包囲網をつくるんだ!」などと息巻いてぶち上げた「セキュリティ・ダイヤモンド構想」を引っ込めずにいる。一緒に中国を包囲するはずのオーストラリアもインドもAIIBに駆け込んでいるのに。は…恥ずかしい…。

世界中の国々と、「シルクロード構想」で一緒にワクワクドキドキできないのが正直もどかしいです…。日本がグズグズしていても、世界は今日も回っています。何はともあれ、宋文洲さんインタビューを是非ご視聴ください。

■自動車の「原産地規制」でコッソリ日本が大譲歩か!? 閣僚協議で何が?

半年ぶりに行われたTPP日米閣僚協議が昨日未明に終了しました。2日間の日程でしたが、かなりの長時間、協議したようです。甘利TPP担当大臣は、「私の経験上ないようなタフな交渉だった」と振り返り、「2国間の距離は相当狭まった」と感想を話しました。

IWJでは、岩上さんの指揮のもと、Twitterで断続的に速報を打ち、それをまとめた記事もアップしてまいりました。

※2015/04/20 「最大のヤマ場」を迎えたTPP交渉 タイムリミットは4月末の安倍総理訪米か? 元農相が暴露する日米合作「TPP反対派封じの工作」が進行中?
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/243173

※2015/04/21 「決着持ち越し」に終わった日米協議 「TPA法案可決は困難」を伝えないメディア、報じられない米国の要求
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/243297

一方で甘利大臣は、「コメを含む農産品と自動車について、依然課題が残っており、まだ合意には努力を要する」と述べ、まだ日米間に壁があるとも話しています。こうした大手メディアの報道をまとめると、まるで両者の主張がぶつかり合い、拮抗しているように見えます。

しかし日本側が水面下で、また今後、大幅な譲歩をのむ可能性は拭えません。17日に、岩上安身のインタビューに応じた山田正彦・元農水大臣が明らかにしたところによると、日本側は自動車分野で、「原産地規制」で譲歩を迫られているといいます。

※2015/04/17 万歳会長の突然の辞任劇は「TPP反対封じ」工作!?
TPA法案提出、安倍総理の米議会演説の裏にある日米両政府の思惑を、山田正彦元農水相が岩上安身のインタビューで暴露!
http://iwj.co.jp/wj/member/archives/34024

「原産地規制」とは、TPP交渉国を「原産地」としたうえで、部品や組み立てを一定の割合以上を「原産地」でまかなわなければ、関税撤廃の対象としないというもの。日本の自動車は、中国などTPP不参加国からの部品供給や組み立ての比率が高いので、この「原産地規制」を厳しく設定することで、日本車は「日本産」と認定されず、関税撤廃の対象外となってしまうというのです。

ですから、仮に米国側が、日本産の自動車部品にかける2.5%の関税「即時」撤廃で譲歩しても、この「原産地規制」で米国の要求が通ってしまえば、結果的に日本側の「大幅譲歩」となるわけです。

訪米を控えた安倍総理が手ぶらで米国に向かうとも思えません。今回のTPP日米閣僚協議の本当の価値はなんだったのか、注意を払って見張っていかなければなりません。

TPPの最新情報について、本日、岩上さんが、毎週水曜日、午前8時30分からレギュラー出演中のFMぐんま「WAI WAI Groovin’」の中で語る予定です。ローカル番組のため、ラジオですと群馬県内でしか聞けないのですが、ラジコのプレミアム登録(有料)を行うと、インターネットで番組を聞けるようになります! 気になる方は是非、チェックしてみてください。

※ラジコの「プレミアム(有料)」登録はこちらから
https://radiko.jp/rg/premium/

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.4.22 Wed.**

【Ch6】11:30~「沖縄意見広告運動 記者会見 ~沖縄の民意を踏みにじるな!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※沖縄意見広告運動に関する記者会見。野平晋作氏/沖縄意見広告運動全国世話人・ピースボートらが登壇予定。

【Ch4】12:30~「日本外国特派員協会主催 鳩山由紀夫 元内閣総理大臣 記者会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※日本外国特派員協会主催で行なわれる、元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏が記者会見。

【Ch3】14:30~「原子力規制委員会 田中俊一委員長 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=3
※原子力規制委員会の田中俊一委員長による定例会見。

【録画配信・Ch5】15:00~「川内原発の運転差止仮処分事件弁護団による記者会見(東京)」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※司法記者クラブで行なわれる、「川内原発の運転差止仮処分事件弁護団による記者会見」。白鳥努弁護士(鹿児島)、大毛裕貴弁護士(鹿児島)らが登壇予定。
※司法記者クラブでは、録画での収録のみ許されているため、中継ではなく、収録後の録画配信となります。

【Ch6】16:00~「TPPを慎重に考える会 勉強会『情報収集・情報公開・国民的議論を求める』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6
※TPPを慎重に考える会の勉強会を中継。外務省、内閣官房、経済産業省、農林水産省が説明予定。

【録画配信・IWJ_IBARAKI1】18:30~「廃炉国際共同研究センターの設置及び開所式」
視聴URL: http://www.ustream.tv/channel/iwj-ibaraki1
※「廃炉国際共同研究センター」設置にともなう開所式を、2015年4月20日に収録。その模様を録画配信します。

【大日本帝国への回帰??~自民党憲法草案を徹底検証・鼎談シリーズ再配信3・Ch1】20:00~「憲法96条の改正は、憲法総改正の第1歩 ~自民党憲法改正案についての鼎談 第3弾」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/67033
※2013年3月12日に行われた「自民党憲法改正案についての鼎談 第3弾」を再配信!
澤藤弁護士は「自民党の新草案は、復古調で新自由主義的な内容。その一番、象徴的な部分が、この第96条改正である」と指摘しています。

~関連記事はこちら~
・前夜 ~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く
http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%89%8D%E5%A4%9C

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(前半の続き)…

■身に着ける立体の絵画~庄 依子アートワイヤー・ジュエリー展開催のお知らせ

この度、日頃から岩上さんの講演会の企画などで、熱心にIWJと岩上さんをご支援くださっている、
アートワイヤー・ジュエリー作家の庄依子さんより、4月22日から開かれるご自身の展示会について、
日刊IWJガイドへ広告掲載のご依頼を賜りました。

初めて鎌倉のギャラリーで行なわれる今回の展示会は、3年ぶりの開催とのことです。
みなさま、春の鎌倉散歩へお出かけの際には、身に着けられる芸術作品、アートワイヤー・ジュエリー見学をお楽しみください!

庄さんは、IWJのトップページ右側にもバナー広告を出してくださっていますので、こちらも是非ご覧ください。
http://iwj.co.jp/

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~身に着ける立体の絵画~
庄 依子 アートワイヤー・ジュエリー展 2015 in 鎌倉
http://www.shoyoriko.com/exhibi.htm

日時:2015年4月22日(水)~27日(月)
10:00~17:00(最終日は15:00まで)入場無料
場所:Gallery YU 1階B室
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-4-29
※JR鎌倉駅東口下車徒歩7分(小町通り沿い)
http://www.gallery-yu.com/

~庄さんからのメッセージ~

独学でワイヤーアクセサリーを作り続けて約20年になります。
入場無料。(作品販売はありませんのでご了承ください。)
歩くのが楽しい、鎌倉は小町通り雪の下。ぜひ遊びに来てください。

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IWJでは、IWJサイトやメールマガジンに掲載する広告を募集しています。広告の出稿を通じて、IWJの活動を後押ししていただけたらと思います。
企業や団体からサークルや個人まで、広告主様のご希望に合わせてご相談に応じます。
是非、皆さんの活動をIWJでPRしてください!
詳しくは http://iwj.co.jp/join/supportingad.html まで。

■「あらゆる手段」で辺野古阻止を目指す翁長知事の「次の一手」

訪米するのは安倍総理だけではありません。翁長雄志沖縄県知事も、5月に訪米し、辺野古新基地建設を止めるため、様々な働きかけを行うようです。

昨日、出社してから『日刊ゲンダイ』をパラパラとめくっていたのですが、翁長知事には「秘策」、「ウルトラC」があるというのです。「ほう…」と思って読んでみました。

どうやら、安倍政権を見限った翁長知事は、マグルビー駐沖米総領事や在沖米軍トップのウィスラー沖縄地域調整官と会談し、ケネディ駐日米大使との会談も要望。また、米国内で辺野古新基地建設にもっとも影響力のある政治家は誰か、といった情報を収集するための県事務所を、今月中にワシントンに開設する準備もしているとか。

さらに、先週の訪中で李克強首相と会ったのも米国にゆさぶりをかける人脈づくりの一環で、米軍基地問題を世界中に発信するため、国連本部があるニューヨークなどにも県事務所を置くという話もある、といったものでした。

手段として有効だと思います。今回、AIIBのくだりでも改めて明らかになったことですが、安倍政権は、翁長知事のことは無視できても、米国のことは無視できないですからね。かねてから「あらゆる手段」で新基地建設を阻止すると明言していた翁長知事。その言葉通りに踏ん張り切れるのか、次なる一手に注目です。

■高浜原発に続くか!? 鹿児島・川内原発差し止め仮処分の決定やいかに

本日は川内原発の再稼働を巡り、鹿児島地裁が、住民らの求めた運転差し止め仮処分に対する決定を出す日です! 福井地裁が今月14日に高浜原発の再稼働を認めない仮処分決定を出したばかりですから、当然、鹿児島地裁の判断が注目されるところです。

聞くところによると、今回の最大の争点は「地震対策」の妥当性だといいます。

九電は新規制基準のもと、基準地震動を540ガルから最大620ガルに引き上げ、規制委の審査に合格しました。住民側は「基準地震動は少ないデータを活用し、過去の揺れの平均値に基づくものでしかない」と主張。「想定を超える地震は起こり得る。620ガルは過小評価だ」と訴えています。また、火山の巨大噴火についても「噴火予知は困難で危険だ」と指摘しています。

九電側は「川内原発は南海トラフなどの震源から離れており、基準地震動を超える地震の可能性は低い。仮に起きた場合でも建物の耐震設計に余裕がある」と反論。火山についても「周辺の火山は破局的噴火の周期が約9万年のため、発生の可能性は低い」と主張しました。

「9万年周期」は規制委も認めていない理論ですが、地裁はどう判断するのでしょう。IWJでは、処分決定後の弁護団による記者会見なども取材、配信しますので、ご注目ください。また、現地入りする市民の皆さんとも連携し、現地の様子をお伝えする予定ですので、そちらも決まり次第告知します。

■「公益及び公の秩序」のもとに狭められる人権の実態

本日も「大日本帝国への回帰!?~自民党憲法草案を徹底検証・鼎談シリーズ再配信」を配信します! 自民党の改憲草案に危機感をもった岩上さんと梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士が全12回にわたって行った憲法鼎談です。

本日は「憲法96条の改正は憲法総改正の第1歩 ~自民党憲法改正案についての鼎談第3弾」で、憲法22条から29条まで、自民党新草案との違いを比較しています。この中で梓澤弁護士は、憲法21条2項「表現の自由」に言及しました。

現行憲法では「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」としているのに対し、自民党改憲草案は「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」と但し書きを付け足しています。

梓澤弁護士は「公益および公の秩序という言葉がある。人権の上に国家があり、これを公益、公の秩序と定義している」と批判。さらに「29条の財産権にも、この言葉がでてくるが、これは、国の大事のためには、私財を提供しなければいけない、との含みがある」と指摘しました。

「いくらなんでも大げさだろ…」という声が聞こえてきそうですが、本当に大げさでしょうか。

恐ろしいことに、現在の安保国会では、「米軍のために、自治体・民間の物品、施設、役務を提供すること」が、審議されているのです。国民の財産が召し上げられるだけでなく、労働の強制もあり得るということです。この延長線上には当然、徴兵制が待ち受けていることでしょう。まさしく、戦前・戦中の国民総動員体制と何も変わらないではないですか。
http://www.jlaf.jp/iken/2002/iken_20020418.html

こうした事態になることを、今から2年も前に、岩上さんたちは予見して、この鼎談を重ねてきていたわけですね。
皆さん、何がこの国で起きようとしているか、勉強するなら今のうちしかありませんよ!

本日の配信は非会員の方でもご視聴いただけるように、オープンで公開しますので、まずはこちらをご覧になってみてください。

視聴する時間がない、という方は、『前夜』という1冊の本に鼎談がまとめられていますので、そちらをお試しください!

※『前夜』購入はこちら
http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%89%8D%E5%A4%9C

■古賀茂明vsフジTVキャスターと武田鉄矢のゲンナリ発言

今、もっとも目が離せない人物と言っても過言ではない元経産官僚・古賀茂明さんに、4月30日、岩上さんが再びインタビューを敢行します! 先日、古賀さんが外国特派員協会で会見したのちの囲み取材で、フジテレビのレポーターと「一悶着」あったことが話題となっていますね。

自民党がテレ朝とNHKの幹部を呼び出し、「事情聴取」したことを古賀さんが批判したことについて、フジテレビキャスターが食いついたということです。やりとりを掲載します。

※?弁護士ドットコムより引用
http://www.bengo4.com/topics/2990/

フジテレビの女性レポーター(以下、フジテレビ):先ほど、明日(4月17日)の自民党からの聴取について、「集団リンチのような状況になることもある」と非常に強い言葉を使って、説明されていましたが、その真意をもう一度お聞かせください。

古賀:自民党がそもそも、あんなことをすること自体が異常だと思いますよね。世界中に恥をさらすことになると思います。今日これだけ、海外メディアの方が関心をもっている中で。

僕は正式な発表を見ていないので、もしかしたら、やらないんじゃないかなとさっきまでは思っていました。みなさんはやると思っておられるかもしれませんが・・・。僕は確認していないので、あれなんですけども。

要するに、こういう状況の中で、(テレビ局幹部)を呼んで・・・何を聞くんですかね? 想像されましたか?

フジテレビ:一つひとつの内容について確認をしたいと・・・。

古賀:どうして、自民党が確認する必要があるんですか? 言ってみてくださいよ。

フジテレビ:先ほど会見の中でもおっしゃられていたように、圧力をかける側は圧力だと思っていない前提で、きっと呼んでいるんだと思います。

古賀:いやいや。圧力をかける側は、相手がどう思っているのかを考えながら行動すべきだ、と私は言っているんですよね。あなたたちは一生懸命、政権側に立って、質問されているでしょう。それが僕には、全然理解できない。あなたは(政権と)戦う気はないんですか。

フジテレビ:それは時と場合によると思いますけど。

古賀:時と場合?

フジテレビ:はい。

古賀:じゃあ、戦わないって決めたら、そうやって戦う人を追い詰めるために質問するんですか? これ全部、(他のカメラも)撮ってますよ。あなたもね。

フジテレビ:一つ申し上げると、古賀さんが自分の主張を、テレビ朝日の「報道ステーション」で披露というか・・・番組内で話された。見ている視聴者はいろんな方がいらっしゃるわけで、古賀さんの立場や主張にまったく興味のない方もいると思うんですね。

そういう方たちに対して、誰が見ているかわからないところを使って・・・というのはどう思われますか?

古賀:あなた、自分が言っていることがおかしいとわかりませんか? 自分で自分を笑いそうになりませんか?

フジテレビ:いえ、それはそう思います。

古賀:いろんな意見を持っている視聴者がいるから、関心がある人もいれば、いない人もいるんですよ。だけど、私は呼ばれて、「自分の意見を言ってください」ということですから、言っただけです。

1月の時点で、最後だと決まっていました。私をすごく応援してくれていた人もたくさんいた。最後であれば、そういう人たちに本当のことを伝えたいという気持ちで言ったので、それを、あなたに批判されるような謂われはまったくないと思います。

そんなことを公共の電波を使って、もし放送するとすれば、そっちのほうがはるかに問題ではないですか。こういうのは、ネットでどんどん流れると思いますが、こういうレポーターがいるということは、日本中の方によく見てほしいし、聞いてほしい。

あなた方は顔をさらす立場の人だから、裏でこそこそやっている人より、はるかに責任と緊張感を持って、やっておられると思います。

顔をさらしてやっておられるということは、テレビ局の看板を背負っているということではなくて、マスコミの一員として、ジャーナリストの一員として恥ずかしくないのか、ということを考えながら、会社のためにやるんじゃなくて、「本当に世の中のためにやろう」と、そういうことでぜひ放送してもらいたいと思います。

このレポーター、ちょっと「イタすぎる」と思いますが、正直、これがマスコミの現実だと思います。

「圧力をかける側は圧力だと思っていない」と、マスコミに圧力をかける政権の側を擁護している時点で、立ち位置が鮮明すぎて致命的ですが、特に「古賀さんが自分の主張を、テレビ朝日の『報道ステーション』で披露というか、番組内で話された。観ている視聴者はいろんな方がいらっしゃる」というくだりも、テレビ内の暗黙のルールを言葉にしてしまっていて、たまらなく寒くなります。

「テレビなんだから最大公約数に合わせた無難なコメントをしないといけない。自分の主張をしてはいけない」という姿勢が溢れ出ています。これこそが今のメディアの姿勢を現す本音なのではないでしょうか。「自分の頭で考えた、自分の主張をするな」とは、つまりは政府の公式見解以外は話すな、と言っているようなものですね。

これとも関連しますが、同じくフジテレビ系で19日に放送された「ワイドナショー」で、武田鉄矢さんが、原発の再稼働停止について持論を展開したのをご存知でしょうか?

原発停止は正しい、としながらも、「最も正しい答えのまま振る舞えない経済的な事情ってやっぱりあるわけじゃないですか」と切り出し、テレビ局の電力消費を例にとり、「1日6時間放送を止めるとかいう覚悟が各局にあるのか」と言い放ったそうですね。

なんで、たかが、テレビ放送を6時間カットするのに、「覚悟」だなんて大層なものがいるのでしょう。

現在、日本中の原発が停止した状態が1年以上続いています。それでも何も問題なくやっているわけで、停電も起こっていない。テレビも早朝から真夜中までどうでもいい番組も含めて切れ目なく放送してきたじゃないですか。

そのせいでコストが高いというなら、もっと安い天然ガスの仕入れ方法や再生可能エネルギーの議論を進めるべきであって、事故から4年も経った今、武田鉄矢さんの口から「テレビ止めますか、原発止めますか」などというすり替え論が出てくるとは思いませんでした。

政府がメディアへの露骨な介入を強めて以来、改めて、文化人のコメンテーターから俳優、タレント、お笑い芸人まで、仕事を干されないように、処世術で物言う人ばかりで軽く辟易させられています。菅原文太さんや愛川欽也さんのような、筋を通し抜いて物を言い続けた人は本当に稀だったんだなあと改めて「トラック野郎」のお二人に手を合わせたくなります。心から合掌。

岩上さんは、フジテレビもテレビ朝日もコメンテーターを降板させられました。空気を読まず、忖度もしない岩上さんに思った通りのことを喋られると不都合な点が、いろいろあったのでしょうね。しかし、その岩上さんが率いるIWJは、一切のタブーなし、大手メディアがどれほどビビっていても、IWJは怯みません。

そうしたストロングスタイルでやれているのも、皆さまのご支援のおかげです。岩上さんは常々言っています。「ウチは圧力には屈しないし、忖度もしない。ネタ枯れする不安もまったく感じない。うちが潰れるとしたら、財政難だけ」。

皆さんのお力で、どうかIWJを続けさせてください。妥協なきストロングスタイルは、必ず貫徹します。何卒、よろしくお願いします。

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