高橋哲哉氏「解釈改憲で9条は死に、今の憲法の下で自衛隊の国防軍化が可能となってしまう」 ~平和の灯を!ヤスクニの闇へ 2013キャンドル行動 国防軍の名の下ふたたび「英霊」をつくるのか 2013.8.10

記事公開日:2013.8.10取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部玲/奥松)

特集 憲法改正

 「『英霊』という言葉に惑わされず、軍隊の実態を考えていかなくてはならない」──。

 2013年8月10日(土)13時より、東京都千代田区の在日本韓国YMCAで、「平和の灯を!ヤスクニの闇へ 2013キャンドル行動 国防軍の名の下ふたたび『英霊』をつくるのか」が行なわれた。今回で第8回目となる同イベントでは、靖国神社の設立目的や戦時中に果たした役割、戦死者の「英霊」化の裏で何を隠蔽してきたのか、などを取り上げている。この日、シンポジウム終了後のキャンドル・デモでは、排外主義的な対抗勢力による怒号が渦巻き、神保町周辺は物々しい空気に包まれた。

■ハイライト

  • シンポジウム:高橋哲哉氏(東京大学教授)、金東椿(キム・ドンチュン)氏(韓国・聖公会大学教授)、内海愛子氏(恵泉女学園大学名誉教授)、志葉玲氏(ジャーナリスト)
  • 遺族証言:韓国、沖縄、東アジア地域から
  • コンサート:ソン・ビョンフィ、ムン・ジンオ、その他(敬称略)
  • キャンドル・デモ

 主催者によると、今回のイベントには韓国からも35名が参加したという。冒頭で挨拶した民族問題研究所のキム・ミンチョル氏は、「3.11以降、政治環境が悪い方向に流れていて、重苦しい気持ちだ。特に現政権に変わってから、侵略戦争の否定、平和憲法を無視する発言が続いている」と、日韓関係に懸念を示した。一方、ひとつの救いとして、「太平洋戦争中に強制徴用をしたとして、新日鉄住金(旧新日本製鉄)と旧三菱重工に対し損害賠償を求めた訴訟で、原告側の要求が受け入れられたこと」を挙げた。ただし、これは韓国の裁判所での判決である。

 シンポジウムで最初に発言したのは、志葉玲氏。イラク戦争開始から、今年の3月でちょうど10年目を迎えたが、志葉氏は開戦からわずか2日目に現地を訪れ、取材を始めたという。「現在も、イラク国内では300万人が避難生活を強いられているが、『過去10年で今が一番ひどい』との声を聞く。与党のマリキ政権と、野党のイラキリヤとの対立が酷い。選挙で多くの得票数を得たのはイラキリヤだったが、マリキは政権に居座り、政敵に逮捕状を出したり、批判的な人を何人も拘束し、デモ隊に発砲するなど、米軍の悪しき占領文化が受け継がれている。ファルージャの戦闘では、幼い子どもを抱えた母親も、白旗を掲げた少年も、無差別に殺された。劣化ウラン弾や重金属障害が原因と思われる健康被害が急増し、生まれてくる子どもの20%が、何らかの障害を抱えている」などと、現地の様子を報告した。

 志葉氏は「米兵たちをイラクに運んでいたのが、日本の航空自衛隊。当時、派遣された自衛隊が運んだ6割が米兵。国連職員はわずか6%だった」と資料を示し、「集団的自衛権とは『米国の戦争に巻き込まれ権』である。たとえ、日本が攻撃を受けていなくとも、米国が攻撃を受けた(あるいは受ける恐れがある)場合、米国の反撃(または先制攻撃)に日本も参加、武力行使をする」と説明した。

 続けて、「現在の憲法では禁止されているが、安倍政権は、その解禁を目指している。実際、米国はイラクから攻撃されていないにもかかわらず、『大量破壊兵器により攻撃される恐れがある』として攻撃した。日本は、実質的に侵略戦争に加担しているのであり、これは国連憲章に違反している」との見解を示した。

 金東椿(キム・ドンチュン)氏は、韓国における戦死者の追悼の状況を報告。「1951年から国立墓地による追悼が行われているが、1965年以降はベトナム戦争、および日本植民地からの独立運動で亡くなった人も含まれるようになった。それらの戦没者は、靖国神社と同様に、英霊、祖国の守り神として扱われており、家族を慰める追悼とはほど遠い。国家に対する忠誠心を煽るために作られている」と、国の権力の誇示としての意味合いが強いことを伝えた。その上で、「靖国と同じではない点もある。それは、朝鮮戦争は侵略戦争ではなかったことだ」と述べ、「国家動員を正当化することに対しては、常に批判をしていかなくてはいけない」と、警鐘を鳴らした。

(…会員ページにつづく)

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「高橋哲哉氏「解釈改憲で9条は死に、今の憲法の下で自衛隊の国防軍化が可能となってしまう」 ~平和の灯を!ヤスクニの闇へ 2013キャンドル行動 国防軍の名の下ふたたび「英霊」をつくるのか」への1件のフィードバック

  1. 清沢満之 より:

    2014/01/13 【京都】「怨霊を鎮めるための神社に英霊を祀った靖国神社」 〜対談会 愛知学院大学 林淳教授・東京大学 安冨歩教授
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/119523

    (再掲)祖父から教えられた「ヤスクニ」と長州藩中心に形成された「靖国」とのはざまで(<IWJの視点>平山茂樹の「ニュース下から目線」:IWJウィークリー13号より)
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/161787

    2014/08/15 敗戦から69年 靖国神社参拝客に聞く 20代若者、戦争体験者、遺族の方…それぞれの思い
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/161831

    2015/02/11 【新潟】日本人の歴史認識を考える2.11にいがた平和集会(動画)
    http://iwj.co.jp/wj/open/archives/231995

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