米中戦争対立激化時代の東アジア安全保障・第1回「台湾有事」急浮上で各国の軍拡競争激化 日本列島はミサイル要塞化! 新INF条約を樹立することは可能か?~岩上安身によるインタビュー第1045回 ゲスト 東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員 2021.7.6

記事公開日:2021.7.8取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(文・IWJ編集部)

※サポート会員に登録すれば岩上安身インタビューなどすべての記事を無制限でご覧いだたけます。ぜひ、IWJ存続のためにもサポート会員登録をご検討ください!ご登録はこちらから→ https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 7月6日、岩上安身は東アジア共同体研究所・須川清司上級研究員にインタビューを行った。須川氏にお話をうかがうのは、昨年10~11月に行った4連続インタビュー以来、5度目となる。

 インタビューの冒頭では、前日7月5日に麻生太郎副総理兼財務大臣が講演し、台湾有事について「存立危機事態」として日米で台湾防衛をすべきとの見解を示したことを取り上げた。

 麻生氏は、台北でのデモや騒動に中国が軍隊を派遣して「中国の内政問題だ」と主張するシナリオを紹介し、「台湾で大きな問題が起これば、存立危機事態に関係すると言ってもおかしくない。日米で台湾を防衛しなければならない」と発言し、また、「次は沖縄。真剣に考えないといけない」「日本を防衛する力をきちっと準備しないといけない」と述べた。

 麻生氏の発言に対して、須川氏は、「言ったのが麻生さんですから驚きはないんですけど、ただマッチポンプというか、意図を持って言ってるなと(中略)。

 全体の講演というのは聞いていませんけども、ここに書いてある部分だけをみるとですね、子どもみたいなシナリオでね」と、麻生氏の発言に対して、呆れた態度を示した。

 須川氏は重ねて「麻生さんらしい、所詮この程度の人だろうけども、それに乗せられる人がいっぱいいるから気をつけなきゃいかん、ということですね」と述べた。

 2021年4月16日、首脳会談で、菅総理とバイデン大統領は、「台湾海峡の平和と安定の重要性」という文言を明記した共同声明を発表した。他方、習近平・中国国家主席は7月1日の共産党100周年記念式典で、「『一つの中国』の原則は決して譲らない」と、台湾統一を目標に掲げた。

 バイデン政権の発足以降も、日本を含む同盟国を巻き込んだ米国と中国の緊張はよりいっそう増している。

 5月11日から5月17日には、クアッドの日米豪に加えてフランス軍も参加して共同軍事演習「ARC21」を東シナ海・日本で実施。また、英、蘭、独も年内に空母やフリゲート艦を東シナ海・日本海に派遣予定と報じられている。

 しかし、各国の中国に対する姿勢は必ずしも一致しない。G7サミットの直前、6月10日の記者会見でフランスのマクロン大統領は、「我々は誰とも提携しない。米国と提携せず、中国のしもべにもならない」と発言。また、6月14日に行われたNATO首脳会議で、ドイツのメルケル首相は「中国に対してドアを閉めないように」と、述べている。これら欧州強国の発言は極めて重要なものだが、日本の大手マスメディアではほとんど報じられなかった。

 日本の外交安全保障は確実に悪化して緊張を深めており、今後よりいっそうの注視が必要だ。しかし、須川氏は菅総理の姿勢を以下のように読む。

 「菅さんはおそらく、米中対立における日本がどう生きるべきかということについて考える時間もエネルギーもないんじゃないですかね。もうオリンピックとコロナだけじゃないですか」

岩上「じゃ人任せで、スケジュールがどんどん進んでいるということですか」

須川氏「それに近いと思いますよ」

須川氏「あと、本当に突き詰めて考えてないと思いますけどね。彼は、逆にそういう人に率いられてるんですよ」

 須川氏は東アジア共同体研究所で発行するメールマガジン『Alternative Viewpoint』の中で、「米中露三つ巴、あるいは地域全体でミサイル軍拡競争を招く可能性が非常に高い」と、懸念を示している。

 須川氏は、東アジア、西太平洋の安全保障問題について、「1250対0」というキーワードをあげている。

 1987年の冷戦末期に米国とソ連が結んだ中距離核戦力全廃条約(INF)の締結過程を説明した上で、須川氏は、「この条約というのは、ロシアとアメリカしか縛らないんです。21世紀になって、この条約に入ってなかった中国が、『俺は関係ない』と言ってですね、どんどん500(km)から5500(km)の地上発射式の中距離ミサイルをどんどん開発配備をしてきた」と経緯を語った。

 そして、「『1250対0』というのは、国防総省が議会に提出をした報告書の中に、『1250』発中国が持っている。一方で、アメリカは地上発射式は持っていないので『0』」と、地上発射式ミサイルの保有数で中国軍が米軍を圧倒していたことを明らかにした。

 さらに須川氏は、「その後、中国は増やしていると思いますから、実際は『1250プラスα対0』ということですね」と、現在の状況を重ねて指摘した。

 インタビューはさらに続き、須川氏には、自衛隊のスタンドオフミサイル配備問題、中国が保有する中距離弾道ミサイル、アメリカ、ロシアのミサイルの問題について、お話しをうかがった。

■ハイライト

  • 日時 2021年7月6日(火)15:00~18:00
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です