「重要土地調査規制法案は仮想敵国を想定した戦争法案の一環だ!」~6.8「重要土地調査規制法案」を必ず廃案へ!院内集会 2021.6.8

記事公開日:2021.6.11取材地: テキスト動画
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(取材、文・渡会裕)

 2021年6月8日、東京、千代田区の参議院議員会館で、弁護士や国会議員、市民団体などが、今国会に提出審議されている、「重要土地調査規制法案」の廃案を求める集会を行なわれ、IWJが中継した。

 重要土地調査規制法案は「我が国の平和及び安全の確保に資するため、その取引等が国家安全保障の観点から支障となるおそれがある重要な土地等について、自由な経済活動との調和を図りつつ、その取引等に対し必要最小限の規制を行う等の必要がある」(提案理由)として今国会に上程され、自衛隊・米軍の基地や国境離島、また原発など安全保障上重要な土地の利用を規制しようとするものである。6月1日の衆院本会議で、与党他の賛成多数で可決されて通過。8日から参議院で審議が開始された。

 はじめに主催団体である「重要土地調査規制法案」反対緊急声明事務局の杉原浩司氏(武器取引反対ネットワーク【NAJAT】)が、衆議院での審議について「問題点が、審議すればするほど明確になる、まともな答えが政府からは一切でないという中で、時間的にもたった12時間」「参議院では衆議院では行われなかった参考人質疑や、関連の委員会との連合審査、あるいはパブリックコメント」など「議論を尽くして廃案しかない」と訴えた。

 国会議員は、社民党党首の福島みずほ参議院議員、「沖縄の風」の高良鉄美参議院議員、日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員、立憲民主党の阿部知子衆議院議員と近藤昭一衆議院議員、屋良朝博衆議院議員が挨拶を行った。

 高良参議院議員は、普天間基地と嘉手納基地の周辺1キロを示す地図を示して、「嘉手納町は全部が法案の対象地域になってしまう」と指摘。「国民を監視することは主権者を監視することで、憲法構造そのものに違反」と訴えた。

 弁護士の海渡雄一氏が、法制定の根拠となる「外国人の土地取得で基地機能が阻害される」立法事実がないことや、法案の中の概念や定義があいまいと指摘。政令か総理大臣の判断に委ねられ、不服申し立て手段がない、など法的欠陥を批判。さらに周辺土地・建物所有者だけでなく利用者まで個人情報が収集・監視されること、憲法で禁じてきた軍事目的の強制的「土地収用」が可能になる点を指摘した。

 海渡弁護士はさらに、世界遺産予定の沖縄「やんばるの森」のチョウ研究者・宮城秋乃氏が、米軍の廃棄物を抗議のため基地に「返却」し、県警から威力業務妨害容疑で家宅捜索を受けた件を、「重要土地規制法案の先取」と批判。法案は戦前の「要塞地帯法」の拡大版の再来だとし、「稀代の悪法」「重要土地規制法案は仮想敵国を想定している、戦争法案の一環」と法案の本質的危険性を指摘。「このようなめちゃくちゃな法律を作ることは絶対に許されない」と訴えた。

 また、基地を抱える各地からリモートで参加した方々が発言。沖縄県宜野湾市の普天間基地近くで子育てをする与那城千恵美氏は、娘さんが通っていた緑が丘保育園に2017年12月、米軍ヘリの部品が落下。その6日後には、現在娘さんが通う私立第二小学校に、米軍ヘリの窓枠が落下。法案が「子どもたちの命を守りたい母親のささやかな声さえつぶしかねない」と廃案を求めた。

 米軍基地建設を憂う宇川有志の会会員の永井友昭氏は、近畿唯一の米軍基地であるレーダー基地を抱える、京丹後市住民の立場から廃案を求めた。

 全国基地爆音訴訟原告団連絡会議代表で、第五次厚木基地爆音訴訟団副団長の金子豊貴男氏は、「神奈川には12か所の米軍基地がある」「この法案で、騒音被害の立証もできなくなる」と述べた。

 北海道弁護士会連合会憲法委員会事務局長で、自衛官の人権弁護団・北海道代表の佐藤博文氏は、「北海道の自衛隊と米軍の共用施設は、面積で全国の33.5%で最大」、法案は「米軍のため」であると断じた。

■全編動画

  • 日時 6月8日(火)13時~14時30分
  • 場所 参議院議員会館・B102会議室(東京都千代田区)
  • 主催 「重要土地調査規制法案」反対緊急声明事務局

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