【寄稿・後編】IWJ京都中継市民・北野ゆりの衆院選レポート!「『こんなことやっていいんだ』とメッセージを送った。これこそ民主主義」――安倍総理圧勝でも黒川敦彦候補に後悔なし! 2017.10.15

記事公開日:2017.11.24取材地: テキスト
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(取材・文:北野ゆり)

 10月22日に投開票日を迎えた衆院総選挙は、自公改憲勢力の圧勝に終わりましたが、なんとしてでも安倍政権の暴走政治を止めるべく、安倍晋三総理の選挙区である山口4区で、「モリカケ共同追及プロジェクト」の黒川敦彦さんが出馬しました。

 私が取材した、黒川さんの選挙戦の模様をお伝えします。後編です。

 前編はこちらから↓

安倍総理が選挙期間中の取材を拒否! 黒川敦彦候補と山本太郎参議院議員が昭恵夫人に手渡した公開討論の申し入れ書を見て身の危険を感じた!?

 入れ替わり立ち替わり、ボランティアやカンパを持ってくる人や、パンフレットをもらっていく人が、後を絶たないにぎやかな黒川敦彦候補の選挙事務所。直前取材に来られていたNHKの記者の方も、その思いがけない「にぎわい」に驚かれていました。

 10月15日14時半、山本太郎参議院議員も再び黒川候補事務所入りです。

▲山本太郎参議院議員(左)、黒川敦彦候補(右)

 あいにくの雨のため、パレードや街宣場所を変更して、唐戸市場内を練り歩き、ボードウォークでスポット街宣が行われ、事務所に戻って記者会見を行いました。

 街宣から戻ると、事務所には記者会見を待つ報道のカメラがたくさん待ち受けていました。

 最初に、山本太郎議員は、安倍事務所が選挙期間中は取材拒否することを伝えてきたと説明しました。選挙初日に、安倍総理に代わって第一声をあげた安倍昭恵夫人の演説を聞きに行った際に、山本太郎議員と黒川候補は公開討論会を申し込む書面を昭恵さんに手渡ししましたが、そのことで、昭恵さんが身の危険を感じたと言われているため、とのことでした。

 2日前に申し入れた公開討論会もお断りが入り、「握手を求めて紙を一枚渡しただけで恐怖だと言われています」と、黒川候補も補足しました。安倍陣営がどれほど大げさにナーバスになっているか、ひしひしと伝わってきました。

 黒川候補は、さらに、安倍総理に対して補助金詐欺幇助の罪で刑事告発をすると発表しました。告発状の提出は、翌16日(月)16時30分山口地方検察庁にて行うとのこと。森友問題を徹底追及し、ともに「モリカケ共同追及プロジェクト」を発足させた豊中市議の木村真さんと連れ立って提出に行くということでした。告発状の提出は、選挙用のパフォーマンスではなく、選挙に出る前から準備を進めてきたものだという補足もありました。

「森友学園問題を考える会」木村真・豊中市議と黒川候補が山口検察庁に安倍総理の告発状を提出!

 翌16日、九州への移動(大分3区を予定していました)を変更して、山口地方検察庁へ移動しました。下関から県庁所在地である山口市までは、ローカル線を乗り継ぐと、移動に2時間かかりました。地方検察庁前には日刊スポーツ記者さん、山口テレビ、朝日新聞、読売新聞、共同通信さん等が続々と集まってきました。

 先に到着された豊中市議の木村真さんには、告発状の提出前にお話しをうかがうことができました。

 なぜ、森友学園を追及してきた木村真市議が、加計の告発に黒川さんと名を連なることになったのか――?

 そう尋ねると、木村市議は、「加計学園問題や森友学園問題の幕引きを許さず、できる限り連携していきたい」と語りました。

▲木村真市議(山口検察庁前で)

 「森友デモ実行委員会・告発プロジェクト」共同代表の田中正道さん、黒川さん、木村市議が地検に提出に入った後、敷地外で出待ちをし、囲み取材をしました。小雨の降る中、300人もの視聴者の方が中継を見守って下さいました。アーカイブは、こちらからご覧いただけます。

選挙戦のラストスパート! 山口4区の市民からは「今回ばかりは安倍さんには入れん」との声も!

 10月17日は、雨上がりに青空が広がる日でした。

 午後一番から、黒川候補の宣伝カーに同乗してカメラ取材をしました。あちらこちらで手が振り返され、安倍さんへの不信感や、「責任を取らせたい」という声が聞こえてきました。

 道中、本人不在の安倍晋三候補の演説会会場前を通りかかりました、そのすぐそばで、複数の女性が黒川候補に手を振って応援をして、黒川候補が握手しに行く場面もありました。

▲安倍総理の演説会会場

▲市民に声をかける黒川候補

 ラスト2時間、アナウンスの途切れることのない街宣の模様を中継しました。スポットで演説途中に、「無頼系独立候補」の取材をライフワークとするフリージャーナリストの畠山理仁(みちよし)さんが現れ、カメラ取材をされていました。アーカイブはこちらからご覧いただけます。

 10月21日(土)、選挙戦最終日、台風の接近する中、再度下関に戻りました。ボードウォークでのスポット街宣のあと、選挙前日なので、唐戸の市場の中で地元有権者の方の声を拾っています。「明日投票日ですね」と問いかけると、様々に応えて下さいました。

「やっぱり安倍さんは強い」「私ら自民党やから」という声もある一方で、「今回ばかりは安倍さんには入れん」という声も、思いがけないほどたくさんありました。

 21日19時40分からのマイク納めの直前に、黒川事務所前を希望の党の藤田時雄候補者の街宣カーと、安倍晋三候補の車が通りました。「安倍晋三、安倍晋三、安倍晋三」と、夫の名前を連呼する安倍昭恵さんの声が聞こえてきました。黒川候補が事務所前でマイク納めをしたあとも、車道に向かって行き交う車へ手を振る候補者と、ボランティアスタッフの姿がみられました。

 マイク納めの時間を挟んで、全国各地から黒川敦彦候補事務所を支えた方々に、どんな思いで山口4区に、黒川候補の支援に入っておられるか、実際に来てみてどうかなどをお聞きしました。

 森友・告発プロジェクト共同代表でもある田中正道さん、元共同通信記者で同志社大学教授の浅野健一さん、下関市議の田辺よしこさん、そして最終日に駆けつけた鈴木邦男さんにも一言ずつおうかがいしています。

「山口4区に新しい風を送れた。『こんなことやっていいんだ』というメッセージを送ったと。これこそが民主主義だ」――安倍晋三候補の当確が20時打ちで伝えられた後も、黒川候補に後悔はなし!

 いよいよ投開票の行われた22日20時、投票箱が閉まると同時に、山口4区の安倍晋三候補の当選確実がいの一番に伝えられました。

 「皆様方には助けていただいて、最後には総理総裁としてふさわしい立派な成績で勝利させていただきますようにお願い申し上げます」――安倍晋三代理の安倍昭恵さんによる出陣式の第一声が、この瞬間に成就しました。

 ニュースの選挙速報は「自民党はお伝えしました通り、253議席から300議席をうかがう、自民党が単独過半数を上回るのが確実な情勢になっています」と伝え、コメンテーターの方が「安倍政権の5年間の実績が評価された」とこたえます。そうしたテレビの偏った伝え方に、見ている方々の中に、「もう日本も終わりやね」という声をもらす方もおられました。

 沖縄本島に猛威をふるった台風21号が、九州地方へ接近する中での開票結果待ちでした。中継が始まり1時間後の21時に、黒川敦彦さんよりお礼と結果が出せなかったことについて、誠に申し訳ないと言いつつも、以下のような挨拶がありました。

 「立候補してよかった。ここにいる皆さんと共に闘えたことが何より価値があった。安倍候補のお膝元のこの地で、『税金ドロボー、カネ返せ!』『モリカケ問題徹底追及』『消費税ゼロで景気回復』を言いました。

 経済論争の中で、アベノミクスで皆さんの給与が5%も下がっていると選挙戦の後半では連呼し、かなりの皆さんに興味を持ってもらえたと思っています。給与が下がっていて生活が苦しくなっている原因は、今の安倍政権、今の政治家に責任があると。働く皆さんが真面目に働いていないから給与が上がらないなんてことはなく、真面目に働いているのに、給与が上がらないんだと。そういう現実があるということをはっきり訴えてきました。

 そうしたら、皆さんマンションからベランダに出てきていただいたり、出てきていただいてお話を聞いてもらえた。庶民の暮らしが厳しくなっている責任は政治にあるという思いを、心のどこかで皆さん持っておられると。それを安倍総理のお膝元の山口4区で連呼することができたということが、一番の大きい収穫であったと思います」

▲投開票結果の報を受けたあとの黒川敦彦候補

 そして、黒川候補が、「山口4区に新しい風を送れた。ネット上にある種の『こんなことやっていいんだ』というメッセージを送ったと。これこそが民主主義だ。皆さん立候補する権利ありますよと」と述べると、事務所に声援と笑いが沸き、拍手が続きました。年末にかけて全国を講演で回るという話もありました。

「安倍さんの暴走を止めるには、いろいろなことを顧みず、忖度しない『暴走黒川』は一番やりがいがある」――斎藤まさし氏が応援に駆けつけたわけを明かす!

 斎藤まさしさんは、何はさておき地元の方の支えがなければあり得なかったと挨拶した後、次のように述べました。

 「10月6日の未明に、都内某所で黙示的共謀(※)ではなく、明確な確定故意に基づく明示的共謀によりこの暴走につき合おうと思いました。安倍さんの暴走を止めるには、いろいろなことを顧みず、忖度しない『暴走黒川』は一番やりがいがあると決めてここへ来ました」

▲黒川敦彦候補(左)、斎藤まさし氏(右)

※「黙示的共謀」については、岩上安身による斎藤まさし氏、平岡秀夫氏へのインタビューをご覧ください。

 下関市議の田辺よしこさんは、「安倍晋三という一強の男のところへ堂々と乗り込んでくる人がいるんだなと、一言お礼を申し上げたい。下関の選挙地図も変わると思います。一番最初に当選が出るところ、座席が決まっているところなんですよ。黒川さんには苦労かけました」と労われました。

黒川候補事務所にマスコミの姿は一切なし…日本のメディア状況に憤るジャーナリストの浅野健一氏がIWJのカメラに「ニュージャーナリズムの誕生日、最初の日だ!」

 最後に、元共同通信記者で同志社大学教授の浅野健一さんがどうしても話しておきたいことがあると、IWJのカメラの前に立ちこう述べました。

 「10日の市役所前の第一声の演説会の時は、マスコミはテレビ局も新聞局もたくさんいた。今日は誰もいない、ネットメディア以外は。これが日本の現実です」

 「(さっき見ていた)NHKも何も言わないし、ここで黒川さんが闘ってきたことをignore、neglect、無視しているわけですよ。これが今の日本の現状ですよ。しかしSNSで見ている人はたくさんいて、その人たちと従来のメディアしか見ていない人の格差、そこが今日はっきりしたと思いますね」

「世界の民主主義はSNSを使って変わってきた。ある種トランプも利用した。既成のメディアの改革ももちろん必要ですが、これからはこういう形で政治を変えていくという出発点だ。ニュージャーナリズムの誕生日、最初の日だということ。ここにテレビ局も新聞社も誰もいない、山口新聞だけはさっきまでそこにいたけれど」

▲浅野健一氏(左)、黒川敦彦候補(右)

 実際、黒川陣営が選挙期間中に続けた独自ツイキャスは、ツイキャス全体のランキングで21日に日本全国で5位をつけたということでした。政治ネタではもちろん、一番ということでした。

 浅野健一さんがIWJカメラへ向けて上記のように発言すると、「安倍の印象操作」「全く報道しない」と事務所内から声が上がりました。私自身が他にカメラの一つもない中、一人カメラを立てる疎外感を痛感していたので、浅野さんの発言に深い共感と報われた、という思いがいたしました。

 たとえ安倍晋三氏の圧勝でも、黒川候補の選挙戦をIWJのカメラで可視化したことで、何も起こっていなかったわけではなかったという証拠を残す重要な役割を担ったと思えた、貴重な瞬間でもありました。

 12日間、走りきった黒川敦彦さんは、最後の最後まで私のインタビューにも嫌な顔ひとつせずにこたえて、街頭に出て、自分自身の声で伝えきった満足感を語って下さいました。中継を切ったのは、もう間もなく翌日になろうとしている時間でした。

 選挙直後にも、加計学園の獣医学部新設に文科省の「認可」が下りると言われるタイミングで、黒川敦彦さんをはじめ、加計問題追及に手を緩めない方々が、文科省前で連日早朝から、また夕方にも抗議の行動を行いました。

その後、11月14日に、林芳正文科相が「認可」の判断をくだしました。黒川さんはその4日後、11月18日に東京都文京区の文京シビックセンターにて、草の実アカデミー第100回記念イベント 「安倍晋三総理に真向勝負を挑んだ黒川敦彦が語る『もり・かけ追及・総選挙総括・今後目指す道』」を行っています。IWJは記念イベントを取材していますので、ぜひ、ご覧ください。

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  1. 来見買多 より:

    虻と三匹の蚊
    ▼アブもカも、ヒトや動物にたかる吸血性害虫です。アブは刺すのではなく、皮膚を切開して吸血するので、カ以上にアブない。つまりアブ(安倍、虻)は、国民にたかり、国民の血税を過酷に吸血する亡国の害虫なのです。
    「今、日本の国防の最大の脅威は、安倍政権です」(伊勢崎賢治)
    「現代日本の最大のリスクは「アベノミクス」なのです」(明石順平)
    “Trump tyranny. Trump Abe”(さらば、暴政。さらば、安倍)(藤原肇)
    ※「トランプには打ち負かして破産宣告する意味がある」(藤原肇『さらば、暴政』清流出版、2009年)

    ▼カ(蚊)は、もっぱら文部行政にまとわりつき、国民の血税を詐取する害虫です。
    三匹のカとは以下の三名です。
    1. 加計孝太郎:学校法人加計学園理事長
    2. 加古守行:元文部官僚、元愛媛県知事、日本会議愛媛県支部相談役
    3. 菅良二:今治市長、日本会議地方議員連盟

    ▼小物だけれど吸血性のダニの存在も忘れはいけません。
    1. 本宮勇(1954~)愛媛県議会議員、日本会議地方議員連盟
    愛媛県立丹生川高等工業高校(現愛媛県立東予高等学校)卒
    愛媛大学(夜間部)中退
    自民党衆議院議員・村上誠一郎の元公設秘書(※親分を裏切る)
    今治南農協(現JAおちいまばり)元職員(※使い込みでクビ)
    ※息子は加計学園に就職
    ※武田宙大の人物相関図より

    2. 渡邊良人(1954~)
    加計学園法人本部事務局長
    本宮勇の小・中・高の同級生

    ▼めんこい「のまうま(野間馬)」たちもアブ(虻)らに亡ぼされそうです。
    ちなみにアブは英語でhorseflyです。

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