【寄稿・前編】IWJ京都中継市民・北野ゆりの衆院選レポート! 安倍総理のお膝元・山口4区で「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏が挑む! 安倍昭恵夫人の第一声も! 2017.10.9

記事公開日:2017.11.23取材地: テキスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材・文:北野ゆり)

 9月に今治市議会の中継を担当させていただいた、IWJ中継市民@京都の北野ゆりです。

 2017年10月22日に投開票が行われた衆議院総選挙に、「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦さんが、安倍総理の選挙区でもある山口4区で立候補するというニュースが10月6日、飛び込んできました。

 黒川さん自身がSNS(Facebookとツイッター)で、「供託金を持って新幹線に乗っている」と発信し、それを受けた報道各社が、山口県庁の選挙管理委員会へ立候補の届け出に訪れた黒川さんを取り囲みました。

 9月28日にやっと召集された臨時国会を、安倍総理は所信表明をも行わず、前代未聞の冒頭解散に踏み切りました。

 解散直後には、民進党の前原誠司代表(当時)が民進党候補の希望の党への合流を提案、民進党両院議員総会で承認されて、事実上、民進党が分裂するという大きな政変も起こりました。代表に就任した小池百合子都知事の人気に乗っかる形で、希望の党は、連日テレビ画面を占拠し、破竹の勢いを見せていましたが、小池代表が民進党からの合流組について「排除します」と発言して以降、希望の党の勢いはみるみるうちに失速していきました。

 「加計隠し解散」と言われた今回の選挙は、いつの間にか野党再編の政変劇ばかりに、注目が集まるようになっていました。黒川さん自身が身を呈して、「加計問題をこのまま幕引きさせてはいけない」と行動で示したのも、このためでした。

 10月9日、10日が「山場」と聞いて、私は急ぎ山口4区に駆けつけました。以下に、選挙戦の様子をリポートします。

事務所の場所が決まったのは公示日直前! バタバタの黒川敦彦陣営の事務所を訪問し、田辺よし子・下関市議にインタビュー!

 衆議院総選挙公示日前日の10月9日、その前日の8日に決まったばかりという山口県下関市の唐戸市場前の事務所を目指しました。

 勇壮な関門海峡を大きなタンカーが行き交い、目の前に対岸・北九州の門司の港町が広がる、海運の街、下関。昼食を買いに訪れた唐戸市場では、早々と関西からボランティアに入ったばかりの顔見知りに会いました。唐戸の市場の裏は、海に面した遊歩道になっており、たくさんの人が、10月とは思えない夏の日差しを愉しんでいる光景がありました。

 そんな観光のメッカとも言える唐戸市場の真ん前にある事務所の前に着くと、ちょうど黒川候補が事務所前で車を降りるところでした。

 事務所の中はまだがらんどうで、複数の人々がせわしなく動く姿がありました。印刷したてのチラシが積み上げられ、机が並べられ、窓が拭かれ、宣伝に使う車が到着しました。

▲黒川敦彦候補の事務所

 この場所は、今年3月5日に告示された下関市長選で使った事務所だと、黒川候補の支援を決めて協力する地元の田辺よし子・下関市議が、私に話してくださいました。

▲黒川敦彦候補(左)、田辺よし子市議(右)

 3月の下関市長選挙では、安倍晋三総理の元秘書・前田晋太郎さん(自民党推薦)と、当時現職の中尾友昭さん(無所属)、元市議の松村正剛さん(無所属)が出馬し、保守分裂の選挙と言われました。結果は、安倍総理の支援を受けた前田さんが当選。

 前田晋太郎さんの名前は、安倍総理の父・安倍晋太郎元外務大臣の名前にちなんでつけられたものだということ。前田さんは、子供のいない安倍さんご夫婦にとっては養子のような方だということでした。

 さらに、田辺市議によると、前田市長は自民党に推薦願いを出した際、自民党下関支部との協定書の中で、「自民党が行う改憲に最大限の努力をすること」「市政を運営するのに、自民党下関支部の意向に沿うこと」を約束したといいます。

 田辺市議のお話は、公示日前日のスピンオフ企画として取材していますので、ぜひ、動画をご確認ください。

安倍総理の代理で第一声をあげた昭恵夫人の街頭演説を取材! 安倍総理や昭恵夫人自身に降りかかる疑惑には触れないまま、「総理総裁としてふさわしい立派な成績で勝利させていただきますように」

 公示日当日の10日、午前10時より「海峡ゆめタワー」横の広場にて、安倍晋三候補代理の安倍昭恵さんが第一声を上げられるということで、広場へ向かいました。

 広場に着くと、もうすでに大勢のスーツ姿の男性が溢れていました。偶然一緒になった元共同通信記者で同志社大学教授の浅野健一さんが、私の隣で「私服の刑事がたくさんいる」と仰っていました。

 そこへ、集まった人へ挨拶してまわる、昭恵さんが目の前に現れました。

 「IWJ、インディペンデントウェブジャーナルの中継市民です」と挨拶したところ、昭恵さんの顔色が変わりました。写真を一枚撮らせてもらっている間に、たちまち複数のSPにとり囲まれました。握手した昭恵さんの手がびっくりするほど冷たかったのが印象に残りました。

▲第一声をあげた安倍昭恵総理夫人

▲安倍昭恵氏(右)を撮影する筆者(左)(撮影・提供:ジャーナリスト・浅野健一氏)

▲直後にSPが昭恵夫人の周囲を取り巻く(撮影・提供:ジャーナリスト・浅野健一氏)

 報道陣は中央なかほどの位置と決められていたため、脚立のない私は三脚を抱きかかえたままでの中継で、炎天下ふらついて映像の乱れがあります。

 中継途中、周りのカメラが後ろを振り返り撮るので後ろを見ると、私のすぐ後ろで、その朝到着したばかりの山本太郎参議院議員と黒川候補が姿を見せていました。2人は聴衆として、時には「がんばれ」と声をかけながら、候補代理の昭恵夫人の第一声を聞いていました。

▲昭恵夫人の演説に聞き入る山本太郎参議院議員(左)と黒川敦彦候補(右)

 昭恵夫人は、次のように訴えていました。

 「誇りをもって、子どもたちがこの国に生まれてよかった、と思えるような国にするために、(安倍総理は)頑張ってまいりました。

 どうかこれからも、このまま主人に仕事をさせていただきますように、この国のために働かせていただけますように、今回の選挙、皆様方のお力で、どうか大勝をさせていただきますように、お願い申し上げます。私では力不足でありますが、最後まで選挙戦を闘い抜いてまいります。

 皆様方には助けていただいて、最後には総理総裁としてふさわしい立派な成績で勝利させていただきますように、お願い申し上げまして、出陣の際のご挨拶とさせていただきます」

▲安倍総理の代わりに第一声をあげる昭恵夫人

 出陣式の最後、街宣カーに乗り込むと同時に、昭恵さんが振り返り、身を乗り出して、「山本太郎先生にも、わざわざお越しいただいて、ありがとうございます。自民党は批判することなく正々堂々と闘います」という言葉を発しました。

黒川候補の第一声で山本太郎参議院議員「安倍総理の一強の地域に、無所属の人が名乗りを上げる。どれだけ勇気あることか!」

 正午からは、黒川敦彦候補の第一声があるということで、下関市役所前へ移動しました。

 第一声前の報道陣ぶらさがりに応えた黒川候補は、「もっとも訴えたいことは、モリカケ問題の徹底究明!」と断言されました。

 「総理大臣が『丁寧に説明する』と言っていたことが、果たされていないのじゃないかと、直接安倍晋三さんと対決しに、ここ(山口4区)に参りました。もう一つ訴えたいのは、消費税ゼロで景気回復です。それは可能なんだということ。富裕者の税金を下げて、お金はあるところにはある。庶民の暮らしやすい社会を作りたい。安倍総理しか選択肢がなかったんじゃないかというところに、私自身が新しい選択肢となりたい」

 この第一声の演説のあと、安倍晋三氏の代理である昭恵さんによる出陣式に参加し、申し入れ書を渡したことについての質問が出ました。それに対し、目的は「安倍晋三候補との合同立会演説会の申し入れ」だったと答えた上で、「森友問題、加計問題について説明してほしいという世論はある。私自身『モリカケ隠し解散』じゃないかと思っており、選挙の大きな争点だと選挙戦を通じて説明を求めたい」と訴えました。

 黒川さんにかわってマイクを握った下関市議会議員の田辺よし子さんは、「(山口4区は)日本一難しい選挙区。なぜならば首相の選挙区だから。自民党の人も改めて、これでいいのか考えてもらいたい」として、「下関市民27万人が歓迎いたします」と黒川敦彦候補を紹介しました。

 山本太郎参議院議員は、次のように熱弁を振るいました。

 「安倍総理の一強の地域に、無所属の人が名乗りを上げる。どれだけ勇気あることかと。国家権力のトップに喧嘩売っているのと同じ。どうして、黒川さんが自分の人生を横に置いて、こんなこと…目立ちたがり屋だから? 時間があるから? 違いますよ。今、国のトップが行っている歪んだ政治に、説明を求め変えていくことを、山口4区の選挙区にお住まいの皆さんに問うている」

▲(左から)山本太郎参議院議員、黒川敦彦候補、田辺よし子市議

 黒川候補は、再びマイクを握り、次のように訴えました。

 「加計学園は、建築費が148億円かかると言っているが、坪150万円。普通の家は40万、どんなに高い大学でも83万ぐらい。森ビルの森タワーで110万。図面は、倉庫に毛が生えた仕様で、坪70万でできるもの。

 森友問題の籠池夫婦は、6000万円の補助金詐欺で逮捕・投獄されているんです。今回、50億円ぐらいの補助金詐欺を加計孝太郎さんがやっているとしたら、特区で主導されてきた安倍総理大臣が一緒にやってきたことになる。

 僕たちがそれを追及してきたら国会解散になった。だからそれを説明してもらいにきたんです」

「無所属の、無名の、普通の市民の黒川敦彦候補が総理大臣に勝ったら、世界中にニュースが駆け巡ります!」――「選挙の神様」斎藤まさし氏が応援演説!

 10月14日、再び下関へ入りました。住宅地や団地を走る黒川敦彦候補の街宣カーを、夕暮れ時に追っかけながら中継を続けました。

 「無風」と言われていた山口4区ですが、黒川候補の街宣カーが通ると、窓を開けて聞き入る方、テラスに出て来て手を振る方、玄関先まで出て来られる方の姿が、あちこちで見られました。黒川さんは、マイクを握って訴え続けました。

 「黒川敦彦は、安倍総理のように逃げ回ったりしません。消費税ゼロで景気回復、それは可能です。税源ありますよ。アベノミクスで超お金持ちの金融資産は300兆円もあります。儲かっている人からちょっとだけ多く取ればいいじゃないですか。庶民をいじめる消費税を10%にアップするって。安倍総理、絶対間違っていますよ。黒川敦彦は、『税金はあるところから取れ! ないところから取るな!』はっきりとそう言います。昔の政治はそれが当たり前でしたよ。

 なんで庶民をいじめるんですか? 庶民の気持ちわかっていますか? この下関の暮らし、見てくれていますか? 消費税は、28年前はなかったんです。でも、日本経済は右肩上がりで、庶民の暮らしは、今より豊かだったんじゃないでしょうか。一緒に声をあげてください。諦めないでください!」

 数々の選挙をプロディースしてこられた「選挙の神様」こと、斎藤まさしさんも、黒川さんの応援に駆けつけていました。斎藤まさしさんの演説は、まさに名弁士の演説と言うべきものでした。

 「噂の黒川敦彦です」「安倍さんは比例重複されていないので、こちらで落とせば、即政権交代できます。それができるのは、ここ下関、長門市の有権者だけです。皆さんの手に懸かっています。もし無所属の、無名の、普通の市民の黒川敦彦候補が総理大臣に勝ったら、世界中にニュースが駆け巡ります」

▲斎藤まさし氏

 斎藤さんには、その後インタビューをしています。40年やってきてこんなことは初めてだと、下関での選挙戦の状況を語って下さっていますので、ぜひご視聴ください。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です