イラク戦争に参加した元米軍海兵隊員の訴え「イラク戦争は違法行為、人道に対する罪」――問われる日本の集団的自衛権 2014.11.20

記事公開日:2014.11.25取材地: テキスト動画
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(IWJ・薊一郎)

特集 中東|特集 集団的自衛権

 2004年11月のファルージャ総攻撃に米軍海兵隊員として参加したロス・カプーティ氏が、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」の招きで来日し、11月20日から26日まで、東京・京都・神戸・名古屋・大阪など各地で「スピーキングツアー」を行う。

 11月20日はツアーの第1弾として、記者会見と院内集会が東京・衆議院第二議員会館で開催された。

 ジャーナリストで「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」の志葉玲氏は、カプーティ氏を招いての今回の講演ツアーの目的を次のように表現した。

 「イラク戦争でアメリカが間違っていることを見抜けなかった安倍政権が、何の反省もなく集団的自衛権を閣議決定のみで容認した。まさに憲法無視の暴挙だ。(そのような状況の日本で)集団的自衛権とは何か、実際の戦争に参加するのはどういうことか」――。

■ハイライト

  • 日時 2014年11月20日(木) 17:00〜
  • 場所 衆議院第二議員会館(東京都千代田区)
  • 主催 イラク戦争の検証を求めるネットワーク

「イラク戦争は違法行為、人道に対する罪。誰も責任をとっていない」

 米国軍隊に志願したのは「世界を見れる、男として認められるなど自己中心的な理由」だったというカプーティ氏は、2004年6月にイラクに配属され、同年11月の第2次ファルージャ総攻撃に参加した。

 カプーティ氏の配属に先立つ2004年3月31日、イラク・ファルージャでは民間車両2台が武装グループの襲撃を受け、連合国暫定当局(CPA)の請負業者である米国人1人を含む外国人計4人が殺害された。4人の死体には損傷がみられ、橋梁から吊り下げられた。

 カプーティ氏は、「この事件の報復として、米軍はファルージャを攻撃した(第1次ファルージャ攻撃)」と語る。

 「この攻撃で700人の民間人が殺害された。(これにより対米感情が悪化し)米駐留軍に対してイラク市民が蜂起した」

 2004年11月、アルカイーダがこの街を拠点にしているとして、これを根絶すべく、米軍とイラク政府軍は(第2次)ファルージャ総攻撃を実行した。

 「この攻撃により、ボストンと同規模の都市、ファルージャの3分の2が瓦礫と化した」

 さらにこの作戦では、米軍による劣化ウラン弾や白リン弾の対人使用が疑われている。ファルージャ総合病院では、誕生する子どもの内、先天性障害の発症率が14.4%と高く、それらの兵器利用の影響が疑われている。

 この作戦に参加していたカプーティ氏は、当時、「兵士として(この作戦について)まったく知識がなかった」と振り返る。

 「私は米国の戦争について知らず、米国政府の言うことを鵜呑みにしていた。今では、当時のブッシュ政権の主張が間違いであったことを知っている。

 国連安保理が承認しないイラク戦争は違法行為で、人道に対する罪だ。にも関わらず誰も責任をとっていない」

 カプーティ氏はこう語り、イラク戦争に対して責任追及する動きのない米国政府を批判した。

「ファルージャは10年後の今でも攻撃にさらされている」

 総攻撃後、「人々は市内に閉じ込められ、ジャーナリストは市内に入れず、ファルージャは「青空刑務所」のようになってしまった」とカプーティ氏は続ける。

 「2011年の米軍撤退後、2012年12月、イラク政府軍は「イスラム国 (IS)」が入っているという口実で、第3次ファルージャ総攻撃を開始した。それ以降、空爆により1000人が死亡し、2500人が負傷した」

 カプーティ氏は、現在でもなお、攻撃にさらされているファルージャの深刻な現状を報告した。

「イラクの血まみれな紛争の解決に向けて力を」

 カプーティ氏は、イラクから帰国後、「The Justice for Fallujah Project (ファルージャの正義プロジェクト)」を設立し、米国の戦争犯罪の犠牲者との連帯を促進することで、米国によるすべての戦争と占領を終結させるための活動をしている。同プロジェクトには、言語学者・社会哲学者のノーム・チョムスキー教授など、米国の著名な反戦活動家も参加しているという。

 また、カプーティ氏は、イラクの戦争犠牲者への「ISLAH -Reparation Project-(イスラーハ -償いプロジェクト-)」の共同設立者でもあり、イラク支援ボランティアの高遠菜穂子氏の協力も得ながら、難民・国内避難民支援や医療支援を行うと同時に、和解、平和構築などにも取り組んでいる。

 「私たちは力を持っている。イラク人と手を組んで、イラクの血まみれな紛争の解決に向けて力をあわせよう」とカプーティ氏は呼びかけ、国際社会が連帯していくことの重要性を訴えた。

「イラク戦争後、イラク国内の人権問題は国連で無視されている」

 カプーティ氏の講演に続き、ヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子弁護士は、イラク戦争に伴う人権問題に関して、国際連合の動きやヒューマンライツ・ナウの活動について報告した。

 「イラク戦争前は、国連は活発にイラクの人権問題の状況をモニターしていたにも関わらず、戦後、イラク国内の人権問題は国連で無視されている」と伊藤氏は語り、西欧を中心とした国際社会の無責任さを批判した。

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