焦り始めた安倍政権は「民意」に気圧される ~宇都宮健児氏「反秘密法の主権者が都知事選でひとつに!」 2013.12.21

記事公開日:2013.12.21取材地: テキスト動画
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 2013年12月21日、東京・六番町の主婦会館プラザエフで、「第3回 世直し弁護士と共に、日本国憲法を活かすフォーラム─特定秘密保護法が通ると日本はこの先どうなるの?」が行われた。

 先の臨時国会でスピード成立した特定秘密保護法を「悪法」と断じ、ねじれ国会の解消をタテにした安倍政権の暴走ぶりに、強い嫌悪感を示す7人のスピーカーが、順番にマイクの前に立つ5時間超の長丁場。その中で、ひときわ注目を集めたのは、元日弁連会長で、前回の都知事選で猪瀬直樹氏に敗れた宇都宮健児氏だった。

 「今日のスピーチは(来年2月に行われる東京都知事選への)出馬表明ではない」──。宇都宮氏はこう語るも、「安倍政権の暴走にストップをかける都政を実現したい」と発言。来る都知事選では、秘密保護法や原発再稼動に反対する主権者が、ひとつにまとまることに意義がある、との彼の主張には、保護法成立直後の支持率急落に焦る安倍政権を、圧倒的な量の「アンチの民意」で窮地に追い込もうとする、気迫がにじむ。

記事目次

  • 解釈改憲と立法改憲で「9条」溶解へ
  • 「ガンジーに範をとれ!」
  • 民家を爆撃する米軍に加担するのか
  • 実際は多国籍軍向け「空のタクシー」
  • 沖縄の米軍関連情報が、特定秘密にされる恐れ
  • 機密文書のスクープで、メディアにガサ入れも?
  • 原発がらみの情報隠ぺいに好都合
  • 福島第一原発1号機、行方不明の鉄蓋
  • TPPは「交渉疲れ」に終わる?
  • ひっそりと成立した「特区構想」
  • 懲役10年の重罰。情報源は口を閉ざす
  • 安倍政権とて「圧党的な民意」には弱い
  • 暴走する安倍政権に透けて見える焦燥感
  • 宇都宮氏が語る、秘密保護法廃止への構想
  • 「猪瀬氏辞任」で潮目の変化が増幅する

■ハイライト

  • 第3回 世直し弁護士と共に、日本国憲法を活かすフォーラム ─特定秘密保護法が通ると、日本は、この先どうなるの?
  • 主催挨拶 ビタミン和子氏 / 議員挨拶 福島瑞穂参議院議員、吉良よし子参議院議員
  • 講演 池住義憲氏(元イラク派兵違憲訴訟原告)/ 志葉玲氏(戦場・環境ジャーナリスト)/ 島洋子氏(琉球新報東京支社)/ 川内博史氏(前衆議院議員)/ 安部芳裕氏(Project99%)/ 田島泰彦氏(上智大学教授、憲法・メディア法)/ 宇都宮健児氏(元日本弁護士連合会会長)

 冒頭、主催者を代表して、開会のあいさつに立ったビタミン和子氏が、会場に姿を見せていた参院議員の福島みずほ氏(社民党)に登壇を促した。

 これを受け、マイクに向かった福島氏は、秘密保護法の成立を悔しがりながらも、こう声を張り上げた。「国会周辺でのデモをはじめ、各地で市民有志が、秘密保護法案に『ノー』を叫んでくれたことに深く感謝したい。大いに元気づけられた。今後は野党を結束させ、秘密保護法の『廃止法案』を来年の通常国会の冒頭で提出するつもりだ。みなさんには、これからも応援をお願いしたい」。

 そして、客席から大きな拍手を浴びると、次のように力説した。「仮に、秘密保護法が施行されたとしても、情報公開請求をして、それが不開示になれば、秘密保護法の『違憲性』を巡る裁判が可能になる。安倍晋三首相は、同法成立直後に、国民への説明不足があったことを認める発言をしているが、そういう御為ごかしを言うような、『凡庸とした悪』に負けるわけにはいかない。秘密保護法の成立は、安倍政権の終わりの始まりだ」。
 

この記事のポイント

  • 池住義憲氏は、年明けの通常国会で、「国家安全保障基本法案」が提出される見込みであることに触れ、「この法案の可決、成立が、安倍政権の『立法改憲』のひとつの区切りになる。成立したら、明文改憲しなくても、9条は死滅してしまう」と警告した。
  • 志葉玲氏は、第1次安倍政権時代の、首相のイラク戦争がらみの発言(2007年4月衆院本会議)は、国民に対する「詐欺行為」だったと喝破する。「当時、安倍首相は『自衛隊がイラクで行う人道復興支援活動は、イラク特措法に基づき行われるものであり、武力行使と一体化することはない』『航空自衛隊は、国連や多国籍軍の人員・物資などを輸送している』と述べているが、実際は、そうではなかった」。
  • 前衆議院議員の川内博史氏は、今の政府が、特定秘密保護法でもっとも隠したいと考えているのは「原発がらみの情報」である、と強調した。そして、福島の子どもたちに甲状腺がんの罹患が増えていることを話題にし、「水俣病の時もそうだったように、政府は、ぎりぎりまで内部被曝との因果関係を認めないだろうし、今後、(秘密保護法をタテに、自分たちに不利な情報は出さないようにして)その姿勢を強めていくだろう」と述べた。
  • 日本のTPP交渉参加を、「日本は、それに加盟したところで、米国が喜ぶように国内市場の規制を変えることになるだけ。ろくなことはない」と改めて非難した安部芳裕氏は、「日本では、たとえTPPに入らなくても、すでにTPPと同じ影響を国内にもたらす改革が、静かに推し進められている」とも発言。つい先日、法案が可決、成立した、地域限定で規制緩和を行う「国家戦略特区」の6文字を口にした。
  • 田島泰彦氏は、今後は情報所有者が萎縮し、重要な情報をメディアに流さなくなる公算が大きい、と予見する。「なるほど、配慮条項で、ジャーナリストらに『取材の自由を認める』とされているが、今後は、情報源のガードが固すぎるために、取材にならないケースが頻発するだろう。それでは、とても、取材の自由が確保されるとは言えない。取材の自由が実質的に失われれば、『報道の自由』も崩壊する」。
  • 宇都宮健児氏は、秘密保護法は「憲法改正」によって成立したものではないため、「廃止」に追い込むのが至極困難というわけではない、と発言。今の政局で廃止を実現させるには、自民党内に、秘密保護法に反対する議員(今は参院の村上誠一郎氏だけ)の数を増やせるかがカギになるとし、「それがダメなら、安倍政権を打倒すればいい」と語気を強めた。
  • 宇都宮氏は「選挙である以上、立候補者は勝利を目指さなければならないが、都知事選では、反秘密保護法や反改憲といったキーワードで、『アンチ安倍政権』の民意がひとつになることに意義がある」と訴える。それが、秘密保護法のスピード成立で支持率を急落させた安倍政権に、さらなる打撃を与えることにつながる、と主張した。

解釈改憲と立法改憲で「9条」溶解へ

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「焦り始めた安倍政権は「民意」に気圧される ~宇都宮健児氏「反秘密法の主権者が都知事選でひとつに!」」への4件のフィードバック

  1. 宇佐美 保 より:

    安部芳裕氏が説明して下さるテロの定義「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要し、又は、社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は、重要な施設その他のものを破壊する為の活動を言う」から解釈しますと、今の安倍政権の行っていること自体がテロ活動ではありませんか?
    何故なら、「政治上・・・の主義主張に基づき、・・・他人にこれを強要し、・・・その他のものを破壊する為の活動を言う」となります。
    このでの「政治上の主義主張」は、当然安倍政権のそれでしょう。
    そして、、「その他のものを破壊する」は民主主義の破壊となるのではありませんか!?

  2. 宇佐美 保 より:

    安部芳裕氏が説明して下さるテロの定義「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要し、又は、社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は、重要な施設その他のものを破壊する為の活動を言う」から解釈しますと、今の安倍政権の行っていること自体がテロ活動ではありませんか?
    何故なら、「政治上・・・の主義主張に基づき、・・・他人にこれを強要し、・・・その他のものを破壊する為の活動を言う」となります。
    ここでの「政治上の主義主張」は、当然安倍政権のそれでしょう。
    そして、、「その他のものを破壊する」は民主主義の破壊となるのではありませんか!?

  3. 宇佐美 保 より:

    傍聴者の方からの次の質問がありました。
    米国のシンクタンクの方が、”アメリカは、シェールガスオイルに進むので、中東から手を引くから、日本は、シーレーンだけでなく石油を手に入れる為、中東の安全保障にも責任を持つべき”と聞きびっくりした。
    この方も、恰も日本が軍隊の力で、中東の安全を確保すべきであるとの発言に踊らされているようです。
    日本が安全に中東の石油を確保するのに、武力が必要なのでしょうか!?
    強奪するなら別です。
    平和外交こそが中東の安全確保となるのではありませんか?
    そして、新しいエネルギーを日本で開発して行きましょう。

  4. 宇佐美 保 より:

    前回の都知事選では、宇都宮健児氏は残念がら、準備不足の為、(準備金が豊富だった)猪瀬氏に後れを取られましたが、今回は、宇都宮健児氏が、秘密保護法、TPP、原発等への反対運動の先頭に立っていただく事で、都知事選に対する事前運動にならないご活動が可能となったので、どうか安倍政権打倒の第1の矢となって頂きたく存じます。

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