【特集】泥沼の内戦から欧露の分断、第三次世界大戦勃発の可能性も!? 対立を煽る米国の真の思惑とは!? IWJが追う ウクライナ危機

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 ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領の4者によって結ばれた「ミンスク合意」。この合意によって、激しい戦闘が続いていたウクライナ東部での戦いは、一応の停戦を迎えた。

 しかし、現地からの報道によれば、いまだ親ロシア派とウクライナ政府軍の戦いは継続中であるという。2014年2月に発生したユーロマイダンの騒乱と、ヤヌコビッチ政権の崩壊、ロシアによるクリミア編入とウクライナ東部の戦闘へと経過を辿ってきた一連のウクライナ危機は、いまだ終息の気配を見せていない。

 IWJは、ユーロマイダンで騒乱が発生した当初から、海外メディアの報道を追い、有識者へのインタビューを積み重ねるなどして、このウクライナ危機に関する取材を続けてきた。その中で見えてきたのは、プーチン大統領を過剰なまでに「悪魔化」し、ウクライナを戦場にするべく暗躍する、米国のネオコンの存在だった。

 訪米を終えた安倍総理の次の訪問先は、ウクライナであると伝えられている。日米ガイドラインを18年ぶりに改定し、米軍との一体化がより一層進んだ日本の自衛隊は、集団的自衛権の行使により、ウクライナに派遣される可能性がある。

 今、ウクライナで何が起こっているのか。そして日本は今後、このウクライナ問題に、どのようなかたちで関与していくことになるのか。岩上安身によるインタビューを中心に、IWJが取材した記事を一挙ラインナップする。

目次

  1. 岩上安身インタビュー
  2. 注目記事ピックアップ

岩上安身インタビュー

「国家として、メルトダウンしかかっている」混乱が続くウクライナ、プーチン大統領の次なる戦略とは~岩上安身による法政大学教授・下斗米伸夫氏インタビュー 2015.5.7

  「ウクライナという国家は、すでにメルトダウンしかかっている」――。『プーチンはアジアをめざす~激変する国際政治』、『アジア...

「新右翼・民族派」の代表的論客に「対米自立」の真髄を聞く~岩上安身による一水会代表・木村三浩氏インタビュー 2015.3.31

 クリミアを訪問したことにより、日本国内でバッシングの対象となっている、鳩山由紀夫元総理。その鳩山氏とともに、クリミア訪問に同行したのが、「新右翼」の民族派団体・一水会代表の木村三浩氏である。  イラク戦争が始まる直前から、「イラクに大量破壊兵器はない」と主張して、当時のブッシュ政権を強く批判していた木村氏。日本のほとんどの保守派論客が「親米」の構えを見せるなかで、その主張は、当時から現在に至るまで、「対米自立」で一貫している。 ...

米国に”依存し過ぎている”日本の現実~ウクライナ危機、辺野古新基地建設、北方領土、TPP…クリミアを電撃訪問した鳩山由紀夫元総理に岩上安身が聞く 2015.3.23

 2015年3月10日から14日にかけて、クリミアを訪問した鳩山由紀夫元総理。日本政府や大手メディアは今回の訪問をこぞって批判しているが、鳩山氏の訪問の背景には、ユーロマイダンでの騒乱以降、ウクライナの混乱を煽り、ロシアのプーチン大統領を一方的に「悪魔化」してきた米国と、それに盲目的に追従する日本政府に対する不信感が存在した。  総理現職時、対米自立路線を模索し、普天間飛行場の沖縄県外への移設を掲げながら、官僚の裏切りによって頓挫した経緯を持つ鳩山氏...

ウクライナ危機、イスラム国、TPP…アメリカ帝国主義の世界戦略を読み解く ~岩上安身による『日本に巣喰う4つの“怪物”』著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏インタビュー 2014.12.18

 ウクライナにおけるネオナチ勢力のクーデター、サウジアラビアの原油増産によるルーブル通貨の下落、マレーシア航空機撃墜事件——。今、ロシアをめぐる緊張が高まり続けている。  米国や日本の権力構造を鋭く分析し、昨年末に

シリア・イラク情勢とウクライナ危機を結ぶ線 中東の要衝・シリアをめぐり展開されるエネルギー地政学 ~岩上安身による元シリア大使・国枝昌樹氏インタビュー 2014.11.6

 イラクとシリア北部で勢力を拡大しているイスラム武装集団「イスラム国」。9月下旬には、米国を主導とする有志連合がシリア領内での「イスラム国」に対する空爆を開始し、CNNやBBCなど欧米のメディアは、シリアとトルコの国境に位置するアインアルアラブ(クルド名コバニ)での攻防戦を連日のように報じている。  なぜ、「イスラム国」はこれほどまでに台頭したのか。その背景を知るには、アサド政権と自由シリア軍をはじめとする反体制派による内戦が続き、昨年8月には首都ダマス...

「ロシア=プーチン、プーチン=悪魔」? 単純化された「西側」の構図に異論~岩上安身によるライプチヒ大学リヒター・シュテフィ教授インタビュー 2014.9.16

 「ロシア=プーチン、プーチン=悪魔」  日本や米国、ヨーロッパ、いわゆる「西側」の報道だけを見ていれば、自然とこうした見方になってしまっている人も多いのではないだろうか。しかし、実際はどうか。ドイツ取材中のIWJ代表・岩上安身が9月16日、ライプチヒ大学を訪れ、「東側」の事情に詳しい、リヒター・シュテフィ東アジア研究所日本学科主任教授にインタビューした。 ...

ウクライナ危機は「平和的解決」が必要 社会正義の実現と「富の再配分」をめざすドイツ左翼党オリバー・シュレーダー氏が訴える 岩上安身のドイツ取材で 2014.9.15

 9月5日の停戦合意後も火種がくすぶりつづけるウクライナ危機。東部ドネツクでは11月9日、激しい砲撃の応酬があった。11日には欧州安保協力機構(OSCE)が、「さらなるエスカレーションのリスクがある」と警告を発した。OSCEの監視団は8日と9日、所属不明の軍用車両が親露派の支配領域から前線へ移動するのを確認していた。  今月はじめに北京で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)において、米国のオバマ大統領とロシアのプーチン大統領が複数回接触。両国間...

ウクライナ危機は「米国によるユーラシア不安定化のステップ」 〜岩上安身のインタビューでイングドール氏が警告、東に舵を切れ! 「ワシントンの奴隷国である限り破壊と低迷があるだけ」 2014.9.12

 現在も続いている「ウクライナ危機」と呼ばれる出来事が表面化したのは、昨年2013年11月、当時のヤヌコヴィッチ大統領がEUとの連合協定締結を見送り、それに反発した「市民」が大規模なデモを行ったときだった。その後、ヤヌコヴィッチ大統領の解任と暫定政権の成立があり、新大統領が選出される一方で、内戦状態は続いていた。大勢の人々が死傷し、一部の地域では食糧や電気の供給が限定的になり、多くの人々が国内外へと避難している。  ここ一年ほどのあいだに突然噴出したかの...

米国の新世界戦略を読み解く ウクライナとガザ侵攻における「ダブルスタンダード」を厳しく批判~岩上安身によるアメリカン大学教授ピーター・カズニック氏・乗松聡子氏インタビュー 2014.8.8

 昨年、映画監督のオリバー・ストーン氏とともに来日したアメリカン大学教授のピーター・カズニック氏が今年も来日し、各地で講演会を行った。8月8日、岩上安身は長崎入りし、カズニック氏とカナダの平和教育団体「ピース・フィロソフィー・センター」の乗松聡子氏に、3時間に及ぶロングインタビューを行った。  話題は、ウクライナ情勢とイスラエルによるガザ侵攻を中心に、米国の「ネオコン」の真の狙いなど、幅広いテーマに及んだ。 ...

「日露エネルギー同盟を締結せよ!」シェールガス革命の幻想と日本のエネルギー戦略のこれから~岩上安身による現役の経産省官僚・藤和彦氏インタビュー 2014.5.23

 「ロシアから日本にパイプラインを引く」――。この驚きの提言を唱えているのが、世界平和研究所主任研究員で、『シェール革命の正体~ロシアの天然ガスが日本を救う』(PHP研究所)、『日露エネルギー同盟』(エネルギーフォーラム新書)などの著書がある、藤和彦氏である。  エネルギー政策の専門家である藤氏は、現役の経済産業省の官僚であるとともに、内閣官房に出向した経験も持つ。エネルギー政策に加え、地政学や安全保障といった観点からも、日本および世界のエネルギー問題を分析する、幅広い...

動乱のウクライナ ~岩上安身による赤尾光春氏へのインタビュー第3夜 2014.3.23

 赤尾光春氏へのインタビュー第3夜。赤尾氏は東部の緊張が一段と高まるウクライナ情勢の主役たちを詳細に分析した。 赤尾光春氏へのインタビュー 第1夜はこちら 赤尾光春氏へのインタビュー 第2夜はこちら ...

「諸悪の根源はユダヤ人!?」 氾濫する歪んだユダヤ人イメージ 〜岩上安身による赤尾光春氏へのインタビュー第2夜 2014.3.23

 赤尾光春氏へのインタビュー第2夜では、19世紀から20世紀にかけてのユダヤ人の歴史が語られ、ユダヤ人に対する歪んだイメージが氾濫することになった背景が明らかにされた。 赤尾光春氏へのインタビュー 第1夜はこちら 赤尾光春氏へのインタビュー 第3夜はこちら ...

ウクライナ極右と反ユダヤ主義 〜岩上安身による赤尾光春氏へのインタビュー第1夜 2014.3.23

 岩上安身は3月23日(日)、ユダヤ学が専門で大阪大学助教の赤尾光春氏にインタビューした。紀元前までさかのぼる「ディアスポラ(離散民)」というユダヤ人のアイデンティティ形成から、ウクライナ地域に離散していったユダヤ人の歴史の18世紀までを、第1夜としてお届けする。 赤尾光春氏へのインタビュー 第2夜はこちら 赤尾光春氏へのインタビュー 第3夜はこちら ...

ウクライナで何が起こっているのか ~岩上安身によるロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 服部倫卓氏インタビュー 2014.3.20

 2013年末のデモから政変へと発展したウクライナの情勢について、ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所の服部倫卓氏に3月20日、岩上安身がインタビューを行った。 ...

ウクライナ政変:なぜオバマはソチ五輪開会式を欠席したのか ~岩上安身による孫崎享氏インタビュー 2014.3.13

 ウクライナ情勢が緊迫している中、2014年3月13日、岩上安身による元外務省国際情報局長の孫崎享氏へのインタビューが行われた。孫崎邸での和やかな雰囲気の中、話題は緊迫するウクライナ政変を中心に、クリミアを巡るロシアと欧州および米国の対立、さらには安倍総理の取り巻きの分析など、多岐に及んだ。 ...

注目記事ピックアップ

第三次世界大戦前夜!? もはや「プーチン悪玉論」は通じない! ウクライナ危機の解決へ向け、「最後の協議」が始まる 元バイエルン州行政裁判所裁判官・フォンナーメ氏特別寄稿! 2015.2.12

 ウクライナ東部で再びウクライナ政府軍と反政府派の親ロシア派武装勢力による衝突が激化している。  昨年9月に結ばれた停戦合意も形骸化し、キエフ政権の公式見解では、すでに1200名の兵士と5400名の市民、合わせて合計6600名もの死者が出ているという。ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙は、「実際の死者数は約5万人だとドイツの情報機関は推定している」と報じている。  「停戦」とは程遠い状況だ。 ...

【岩上安身のニュースのトリセツ】東部ウクライナ避難民の大多数が「侵略者」扱いされているロシアへ逃げこむ!――黙殺を決め込む西側各国の政府・主要メディア(IWJウィークリー67号より) 2014.10.3

 ウクライナの停戦は、9月5日から始まった。この停戦が、恒久的な和平への第一歩となるのか、あるいは、「停戦」後にいつもそうされてきたように、一方、あるいは双方によって破られるのか、まだわからない。  ウクライナ東部での戦闘は、今年4月から、約5ヶ月間に渡って続いた。国連の発表によると、戦闘での死者は3000人を超えた。そこにはもちろん多数の非戦闘員、女性や子供、老人が含まれている。ウクライナ軍による空爆は、無差別的に住宅地や学校に対しても行われたからだ。...

【岩上安身のニュースのトリセツ】「ロシア軍による国境侵犯、ウクライナ軍が撃破!」とポロシェンコ大統領の「から騒ぎ」~ウクライナと西側総ぐるみの「8.15虚報!?」とその後の「だんまり」(後編) 2014.9.15

(中編の続き)  これまでの経緯をふり返ってみよう。  昨年の終わりから始まったウクライナ政変をウォッチし続けてきた私は、その区切りごとに「第何幕」とカウントしてきた。  昨年11月24日、当時のヤヌコビッチ政権がEUとの「連合協定」署名を見送り、これに抗議する集会がキエフで開かれた。これが「ユーロマイダン」の始まりとなった。連日集会が約3...

【岩上安身のニュースのトリセツ】「ロシア軍による国境侵犯、ウクライナ軍が撃破!」とポロシェンコ大統領の「から騒ぎ」~ウクライナと西側総ぐるみの「8.15虚報!?」とその後の「だんまり」(中編) 2014.9.10

(前編の続き)  「侵入」と「破壊」に先立つ8月12日、ロシアはウクライナ東部に向けて、人道支援物資を積んだトラックの隊列を出発させていた。トラックは280台で、食品、医薬品、発電機、衣料品など、約2千トンの物資が積まれているという。  なぜロシアはここへきて、「人道支援」に動きだしたのか。 ...

【岩上安身のニュースのトリセツ】「ロシア軍による国境侵犯、ウクライナ軍が撃破!」とポロシェンコ大統領の「から騒ぎ」~ウクライナと西側総ぐるみの「8.15虚報!?」とその後の「だんまり」(前編) 2014.8.29

ウクライナ大統領がイギリス首相に「侵入したロシア軍装甲車両を撃破した!」と――「報道」  あの騒ぎはいったい何だったのだろうか――  内戦の続くウクライナ東部では、死者は2千人を超え、ガザと同じ一般市民が多数巻き添えになっている。避難民の数はすでに70万人を超えた。一大惨事である。  ルガンスクやドネツクなどの現地では、水道も電気も通らなくなり、ライフラインが破壊され、食料も水も...

【岩上安身のニュースのトリセツ】「世界の戦場」ウクライナ情勢を読み解く マレーシア航空機"撃墜"事件を徹底検証―交錯する各国の主張(IWJウィークリー66号より) 2014.10.2

 7月17日、内戦の続く東ウクライナ上空でのマレーシア航空機墜落事故から一月以上が経った。通常の事故であれば、調査が進み、事故原因が明らかになっているはずである。だが、「戦闘地帯」で起きたこの事故については、いまだに不明な点が多く、情報が錯綜しており、対立する主張がなされている。  当初から不可解なことは多かった。事故の直後、まだ事故の事実経過や全体像も明らかでないうちから、早々に東ウクライナ内戦の一方の当事者、親露派と、その支援をしているとされるロシア...

【岩上安身のツイ録】風雲急を告げるウクライナ情勢/NATOへの加盟は冷戦終焉後の最大の地政学的転換点 2014.9.2

 ガザで無期限の停戦が決まった。失われた命は戻らないし、破壊し尽くされた街やインフラの復旧はこれからだし、封鎖も解かれていない。支援物資が届くようにゲートが開いたこと、沿岸での漁ができるようになったことくらい。  これまで起きていたことがあまりにひどかったので、これだけのことでも喜んでしまう。もちろん、ミサイルが飛んでくる恐怖から一時的にであれ解放されたことは、喜ばしいに決まっている。でも絶対に忘れてはならないことは、イスラエルは、大規模な作戦以外でも攻...

【岩上安身のニュースのトリセツ】紀元前から現代まで一気に語り尽くす東欧ユダヤ人とウクライナの2000年史 ~つながりあうイスラエル・パレスチナ問題とロシア・ウクライナ問題、絡みあう反ユダヤ主義とシオニズム ウクライナにおける反ユダヤ主義の長い歴史をたどる 大阪大学助教・赤尾光春氏インタビュー 2014.7.31

 7月17日、乗員・乗客298人を乗せたマレーシア航空機が、内戦が続くウクライナ東部で墜落するという大惨事が発生した。事故ではなく、何者かによって撃墜されたと見られている。  この一報を受けてウクライナ政府は、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が、ロシアの支援を受けて地対空ミサイルによって撃墜したとする声明を発表した。  これに対し、ロシアのプーチン大統領は、真っ向から反論。「明らかに、この事故の起こった国(ウクライナ)の政権にこそ、...

(再掲)【岩上安身の「ニュースのトリセツ」】「ヒトラーは解放者だ」キエフ新政権任命の知事、ナチス賛美の演説 ~分裂と虐殺と内戦の大地、ウクライナ民族主義者の正体

 ウクライナで起きていることは、日本から遠く離れた、あまり我々に影響をおよぼさないはるかな異国の出来事、としか感じられない人は少なくないだろう。 だが、これからはそうはいかない。海外で、外国による戦争に日本が巻き込まれてゆく集団的自衛権行使容認に向け、安倍政権は大きく一歩踏み出した。 「海外で」とは、日本の周辺とは限らない。地球の裏側まで、日本の利害や国益や安全保障と何の関係もないエリアをも含む。

クリミア編入後の世界 難しい日本の立ち位置 〜2014年第5回国際地政学研究所ワークショップ 2014.5.16

 5月16日、東京市ヶ谷のアルカディア市ヶ谷で2014年第5回国際地政学研究所ワークショップが行われた。 キーノートスピーチは「クリミア編入にみるロシアの影響圏的発想」と題され、兵頭慎治氏(防衛省防衛研究所 地域研究部米欧ロシア研究室長)が発表を行った。  兵藤氏は、国際関係におけるロシアの行動には「影響圏的発想」があると指摘。ほぼ旧ソ連領に相当する「地上影響圏」に加え、近年のロシアは、北極およびオホーツク海に広がる「洋...

【マレーシア航空機撃墜】「ロシアは言い逃れできない」駐日ウクライナ大使が緊急会見 ロシア政府からの「10の質問」については「私は知らない」 2014.7.21

 7月17日、ウクライナ東部でマレーシア航空機17便が撃墜された事件をめぐり、ウクライナとロシアの非難合戦が続いている。  ウクライナ政府は当初から、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が、ロシアの支援を受けて地対空ミサイルによって撃墜したと断定。墜落から数時間後には、親ロシア派武装勢力とロシア軍将校の電話での会話の録音を、「ロシア関与」の証拠だとして全世界に公開した。

【岩上安身のニュースのトリセツ・号外】内戦の続く東ウクライナ上空でマレーシア航空機撃墜 ~「21世紀のサラエヴォ事件」にしてはならない 2014.7.19

 空前の大惨事が起った――。  7月17日、ウクライナ東部ドネツク州のグロボボでマレーシア航空のボーイング777型機が墜落した。乗客乗員298人全員の死亡が確実視されている。事故ではなく、何者かに撃墜された、とみられる。同機が飛んでいた空域は、ウクライナ政府軍と分離独立派が内戦を繰り広げる「戦場」の上空だった。  ウクライナ政府は、ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力が、ロシアの支援を受けて地対空ミサイルによって撃墜したと、ただちに非難した...

【再掲・岩上安身の「ニュースのトリセツ」】オデッサの「惨劇」、緊迫続くウクライナ東部 米国はウクライナを「戦場」にするのか(IWJウィークリー48号より)

 数十人もの人間がビルに閉じ込められ、火をかけられて、焼き殺される。21世紀の出来事とは思えない、信じ難い惨劇が起きた。場所はウクライナの南部、黒海に面した港町オデッサ。時は2014年5月2日、金曜日のことだ。 ...

(再掲)【IWJブログ】ウクライナ東部の混乱――ロシアとアメリカは何を狙うのか 2014.7.20

 ウクライナ東部で親ロシア派勢力の動きが活発になっている。3月16日にクリミア自治共和国でロシアへの編入を問う住民投票が行われ、96.77%がロシア編入に賛成を示した。これを受けてロシアとクリミア自治共和国は編入条約を締結することとなった。そして今、ウクライナ東部の都市では、クリミアのロシア編入に続こうとする動きが起こっている。 ...

(再掲)【岩上安身のツイ録】ウクライナの内戦状態が引き起こす日本のエネルギー危機 2014.7.19

 今朝出演した「モーニングバード!」では、連休の行楽模様を点描し、その中でガソリン代が高値であることを伝えていた。僕は、ベースにはアベノミクスによる円安誘導があること、直近ではウクライナ情勢への不安から原油価格が上昇していることの2点を指摘した。  時間の関係上、話はそこまでしかできなかったが、原油価格の高騰という問題は、ガソリン代の高騰だけではすまない。輸送費の高騰は、...

【岩上安身のツイ録】ゴールデンウィークの高速道路事情、ガソリン高の背景に緊迫するウクライナ情勢 「モーニングバード!」で岩上安身がコメント 2014.5.6

 5月6日(火)放送のテレビ朝日「モーニングバード!」で、レギュラーコメンテーターとして出演している岩上安身は、消費税増税後初めてとなるゴールデンウィークの高速道路事情、韓国旅客船「セウォル号」沈没事故、中国に「ユニクロ」を真似た「メイソウ」という店舗が登場したという3つのニュースについてコメントした。 ...

【岩上安身のツイ録】台湾とウクライナ、国民国家を形成できなかった国の悲劇 2014.4.11

 明日、台北で呉叡人さんという政治思想史の先生にインタビューを行う。この方の書いた評論が刺激的である。タイトルは「賎民宣言ー或いは、台湾悲劇の道徳的な意味」。その冒頭には、ヘーゲルの「世界史においては、国家を形成した民族しか問題にならない」という言葉が掲げられている。  刺激的で挑発的な論文のタイトルは...

【IWJブログ】ウクライナ政変~第3幕の始まり 2014.4.4

 春は誰でも心躍る。花の季節である。  しかし、雪が解け、寒気がゆるむ春は、実は戦争の季節の到来でもある。特に冬季に厳寒に見舞われる東欧からロシアにかけての一帯においては。  冬は進軍が困難になる。そのため冬営するのが近代以前の軍のあり方で、冬は戦争が休止する期間だった。  大きな戦争の作戦は、春に戦端を開き、夏に決戦を迎えて、秋までには終結させるべく計画が練られるのが通常である。そ...

【IWJブログ】2つのひまわり、台湾とウクライナ――遅れてやってきた国民国家の明と暗 2014.4.19

 この春、2つの「ひまわり」が咲いて、揺れた。台湾、そしてウクライナ──。  中国とのサービス貿易協定を強引に押し進める馬英九政権に抗議するため、台湾の国会に相当する首都・台北の立法院を、学生たちが占拠したのは、3月18日。彼らは、「太陽花學連」すなわち「ひまわり学生運動」と自らを称した。

【IWJブログ】検証 クリミア独立・ロシア編入住民投票~選挙結果は「捏造」だったのか?ウクライナ憲法違反か? 2014.3.28

 3月16日、クリミア自治共和国およびセヴァストーポリ特別市で、ロシアへの編入を問う住民投票が行われ、96.77%がロシアへの編入への賛成を示した。投票率は80%を超えた。  投票で問われたのは、ロシアに編入されるか、あるいは自治権を定めた1992年のクリミア独自の憲法に戻るかという二択だった。  クリミア自治共和国の人口構成は、2001年のウクライナ国勢調査データでは、ロシア系住民は58%、ウクラ...

【IWJブログ】ウクライナ政変第2幕 クリミアの独立・ロシア編入までのドキュメント ~コソボ独立を承認した米国のダブルスタンダード 2014.3.27

 ウクライナ政変について、勃発から連続してブログでその実相を報じ続けている。  前回は3月のはじめ頃まで、首都キエフの独立広場での民衆の抗議行動が銃撃戦へ、ついには政権打倒へと至った顛末を報じてきた。そしてこの「ユーロマイダン(欧州広場)劇場」が、無垢な民衆による非暴力の民主革命と言えるのかどうか、疑問なしとしないことも指摘してきた。  首都キエフからヤヌコビッチ大統領が逃げ出し、反政権側が新政権樹...

【IWJブログ】反政府デモ隊狙撃のスナイパーの背後にいるのは新政府!?EU外相とエストニア外相の電話会談の内容がリーク~ロシア国営メディアが報道 2014.3.12

 ウクライナの首都キエフで2月18日から断続的に続いた、治安部隊と反政府デモ隊の衝突では、デモ隊を狙撃するスナイパーによって、70人以上が殺害されたと言われている。  メディアの報道では、スナイパーは、「ヤヌコビッチ政権の後ろ盾だった、ロシアの特殊部隊の犯行だ」との疑いが強いとされ、動画サイトでは、治安部隊とみられる男がカラシニコフ銃を構える姿も報じられた。 ...

【IWJブログ】ウクライナ政変~揺らぐ権力の正当性――西部の首都キエフを支配した反政権派には米国政府とネオナチの影、プーチンに支援を求める東部の親露派住民 2014.3.6

 約3ヶ月のデモと戦闘を経て、ウクライナでは新内閣が発足した。しかし、南部のクリミアでは武装勢力が空港を掌握しており、ウクライナはまだ例外状態に置かれている。力を誇示するかのようにウクライナとの国境付近で軍事演習したりクリミアで装甲車を走らせたりするロシアに対して、アメリカが牽制するなど、ウクライナ外部での駆け引きも続いている。  そもそも今回のウクライナの混乱の直接的な原因は、経済危機だった。ウクライナは今後2年...

【IWJブログ】ウクライナで何が起こっているのか 2013.12.16

 チェルノブイリ原発事故の後遺症に今も苦しむウクライナ。そのウクライナの首都キエフで、反政府デモが激化し、市民によってレーニン像が引き倒されるという事態に至っている。  銅像として立てられていたレーニンとは、言うまでもなく1917年にロシア10月革命を指揮した、ソ連共産党の初代最高指導者ウラジーミル・イリイチ・レーニンである。したがって、レーニン像がソ連共産党のシンボルであることは間違いない。  ソ...

【岩上安身のツイ録】緊張が続くウクライナ、その深層 ナチス誕生前史としてのクリミア戦争 2014.3.5

 世界の注目の焦点は、ウクライナの首都キエフから、東方のモスクワ、そしてそのはるか南のクリミアに移った。  16世紀以来、オスマントルコ帝国を、12度に渡る露土戦争(ロシアートルコ戦争)で叩きに叩いて、領土を拡張し、帝国を築いたロシア。そのロシアがさらに南下し、外洋に出るための出口としてボスポラス海峡まで支配しようとしたところ、イギリス、フランスの権益と対立、黒海に突き出したクリミア半島を巡って戦ったのがクリミア戦争である。19世紀、1853年から56年...

【IWJブログ】分裂するウクライナ ——親ロシア派、親欧米派、そして第三の勢力 2014.2.25

 冬季オリンピックが行われてたソチのすぐ隣で、たいへんな政変が起きている。ロシアの隣国ウクライナで約三ヶ月にわたって続いてきたデモは実弾の飛び交う「戦闘」へと展開していった。反政権派による現政権への抗議に端を発した闘いだが、これは単にウクライナ国内の政変というものではおさまらず、EU諸国やロシア、アメリカをも巻き込んだ対立となっている。  IWJは昨年12月に「ウクライナで何が起こっているのか」と題してウクライナのデモについて取り上げ、その原因や、EUお...

【IWJブログ】「クーデター」か「高潔な革命」なのか~ウクライナ政変にロシアの軍事介入が及ぼす影響 2014.3.6

 3月1日、ロシアのプーチン大統領は、クリミアのロシア系住民保護のためにウクライナにロシア軍を派兵するよう議会に求め、議会はこれを承認した。派兵期間は、「ウクライナの社会的・政治的状況が正常化するまで」としている。 ロシア大統領のウェブサイト Vladimir...