公共の場所というのは本来、自由に政治的意見表明ができる場所であるべき ~官邸前見守り弁護団1周年シンポジウム「抗議行動という市民の権利の見守り方」 2013.7.12

記事公開日:2013.7.12取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年7月12日(金)15時より、東京都千代田区にある衆議院第二議員会館にて「官邸前見守り弁護団1周年シンポジウム『抗議行動という市民の権利の見守り方』」が開催された。見守り弁護団とは、弁護士が抗議活動に帯同し、共通腕章で視認され、トラブルの未然防止、過剰警備への牽制、万が一の際の逮捕者支援、証拠保全などを行なう有志グループである。発足1周年を迎え、会の趣旨説明と活動報告、また今後のビジョンを表明した。後半のパネルディスカッションでは、首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフ氏、青山大学教授の小島敏郎氏も加わり、体験を通して見た抗議運動の実体など、より具体的で発展的な議論が交わされた。

■ハイライト

  • 第1部 官邸前見守り弁護団1年間の振り返り
    • 「見守り弁護団結成と抗議声明」河崎健一郎氏
    • 「日比谷公園の使用許可を巡る攻防」小島延夫氏
    • 「見守り弁護団の現在」島昭宏氏
    • 「大阪震災がれきについて」武井由起子氏
  • 第2部 パネルディスカッション
    ミサオ・レッドウルフ氏(イラストレーター・首都圏反原発連合)、小島敏郎氏(青山学院大学教授)、島昭宏氏、小島延夫氏、武井由起子氏、河崎健一郎氏、マエキタミヤコ氏(環境広告サステナ代表)
    司会 河崎健一郎氏、マエキタミヤコ氏
  • 主催 官邸前見守り弁護団結成1周年企画実行委員会(詳細

 冒頭、昨年7月29日に首相官邸前で行なわれた再稼働反対デモの映像(OurPlanet-TV提供)を上映した。まず、河崎健一郎弁護士が「当弁護団は、昨年、官邸前の抗議行動を受けて発足した。ただし、きちんと組織された団体ではなく、アメーバ的に対応する集まりだ。昨年3月頃から抗議活動の規模が拡大していき、6月になると公権介入の恐れを感じ出したので、有志の弁護士が結束した」と発足に至った経緯を説明した。

 続けて、河崎弁護士は「2012年7月29日のデモでは、2名が逮捕され、見守り弁護団が弁護した。8月2日には、官邸前抗議行動について、市民の表現の自由を尊重し、過剰警備をしないように要望する声明を出した。8月9日にも警視庁に申し入れをした結果、少しだけ状況が改善された。一方で、警察サイドの監視カメラによる撮影が急増。それについても、「警察による個人の活動の撮影記録は、最高裁判決では違法だ」と、警視庁に申し入れた。また、2012年11月11日の日比谷公園使用を、東京都が却下したことへの裁判、がれき広域処理の反対運動を行なっている、阪南大学の下地真樹准教授が逮捕された際にも支援を行なっている」と、弁護団の活動を紹介した。

 次に、小島延夫弁護士が話をした。「官邸前の再稼働反対デモは、公共道路を使って実現させた、画期的な抗議行動だ。たとえば、『サミットで抗議デモが起きないのは、日本とロシアだけだ』とよく言われる。公共の施設は誰にでも自由に使えるのだが、日本は自主規制なのか、制限する。アメリカ法、ドイツ法の遂行者の日本は、なぜか公共の施設を自由に利用できない」と、公共施設の利用について説明した。

 さらに、「60年安保の写真と現在を見比べると、区画整理された国会周辺の違いがわかる。皇居前広場には松の木が植栽され、表現の自由の場が奪われている」と述べ、台湾、マレーシアなど海外の実例を挙げた。

(…会員ページにつづく)

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