参院選は「自民党が、傲慢ではなく謙虚な政党に変わったのか、嘘を言わない正直な政党に変わったのか」が問われる選挙 ~FCCJ主催 石破茂自民党幹事長 記者会見 2013.7.3

記事公開日:2013.7.3取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

※石破茂氏の発言全文文字起こしを会員ページに掲載しました

 2013年7月3日(水)15時30分、東京都千代田区の日本外国特派員協会(FCCJ)において、自民党幹事長の石破茂氏の記者会見が開かれた。石破氏は、昨年暮れの衆議院選挙について、「自民党が勝った選挙というよりも、民主党が勝手に負けた選挙だった」と評した上で、今回の参議院選挙について、「自民党が、傲慢ではなく謙虚な政党に変わったのか、親切な政党に変わったのか、嘘を言わない正直な政党に変わったのか、役人任せにせずに自分の頭で考える政党になったのかが問われる選挙だ」とした。

■ハイライト

 石破氏は、金融・財政政策について、「金融はどこまでも緩和できるものでは決してない。財政もどこまでも出動できるものではない。さればこそ、財政規律というものに配慮した成長戦略というのが何よりも肝要だ」とし、「必要な社会的規制は維持するが、過剰な経済的規制はこれを緩和していかねばならない」と述べた。

 原子力政策については、「再生エネルギーの比率を上げ、原子力発電の比率を下げるためにも、経済成長は必要である。最大限の安全が確保・確認され、地域の人々の安心が得られた原発を再稼働するというのは、その目的に沿うものである」とした。

 TPPについては、「我が党が公約に掲げた通り、米・麦をはじめとする5品目について、関税を撤廃するような交渉を行うつもりはない。交渉の過程において、その実現のために全力を尽くすものである」と話した。

 質疑応答では、沖縄での選挙戦略や、対中政策、自民党の問題点、自民党改憲草案、原子力安全神話についての質問が出た。特に、自民党が掲げる改憲草案について、「『家族は互いに助け合うこと』など、政府から国民への命令と受け取れる条文が散見される。憲法の位置付けを変え、再定義するものなのか」との記者からの質問に対し、石破氏は「憲法は天から降ってきたものではなく、主権者たる国民が決めるもの」と述べ、「憲法改正においても、主権者たる国民の権利を尊重すべきなのも当然」とした。さらに、「仮に憲法の条文でそう(家族は互いに助け合うこと)定めたとしても、刑法に『家の中で喧嘩したことに対する罪』が創設されるわけではない」と答えた。

石破氏の発言全文

 こういうご機会をいただきまして、ありがとうございます。5時過ぎの飛行機で沖縄に発ちますものですから、通訳も入れまして最初のお話を30分間、そのあと質疑応答を4時28分まで受け賜りたいと思います。

 「参院選において、わが自民党が目指すもの」という題を頂戴いたしました。まず第一に、自由民主党はどのように変わったかということをご心配いただく、そういう意味がある選挙だと認識しております。私どもは、6年前の参議院選挙において惨敗をいたしました。ときの総理大臣は、いまと同じ安倍晋三氏でありました。定数が一人の選挙区が29ありました、当時。わが党は6年前に、その定数1の選挙区において、6勝23敗、6つ勝っただけで23負けると、そういう惨憺(さんたん)たる有様でございました。そして、安倍首相は退陣をいたしました。

 その2年後、すなわち4年前の総選挙においても、わが自民党は大敗を喫し、野(や)に下(くだ)りました。自由民主党公認というだけで、多くの者が落選をしていったのです。なぜ、わが党は大敗を喫し、野に下ったか、野党の間、ずっと考えてまいりました。それは、民主党がデタラメを言ったのがいけなかったのか、多くのマスコミが民主党を目いっぱい持ち上げたのがいけなかったのか、当時、「鳩山さんこそ日本の救世主だ」と書いたメディアがいっぱいありましたからね。いまでもそうお思いでしょうかしら。それとも、その民主党にだまされた国民がいけなかったのか。そうではないと。人のせいにしている限り、前進もなければ進歩もないと。自由民主党には負けるべき理由があって、だからこそ負けたのである。それは、あまりに長い間、政権の座にあったので、極めて傲慢な政党と映っていたのではないだろうか。あるいは国家のためではなく、自分たちのために政治をしている政党と思われたのではないだろうか。

(…会員ページにつづく)

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