福島原発告訴団「強制捜査と起訴を求める集会」満田夏花氏講演「続く原発震災の被害 ~ 子どもたちの健康はどうなる?」 2013.4.27

記事公開日:2013.4.27取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2013年4月27日(土)14時15分より、福島県郡山市労働福祉会館において、福島原発告訴団総会「強制捜査と起訴を求める集会」が行われた。

 原告団弁護士の保田行雄氏が、福島原発告訴の進捗状況と、その内容を説明した。1万人以上の告訴・告発人が訴訟をおこしており、「日本の司法史上、初めての規模になった。東電、政府、関係機関の責任を追及しなくてはならない」と訴えた。

 FoE Japanの満田夏花氏は、「年間20ミリシーベルト安全基準」の成り行きや、福島県立医大の山下俊一氏による一連の発言と小児甲状腺がん多発の実態、自主避難者への補償問題や、原発事故子ども・被災者支援法などについて講演した。

■Ustream録画(再配信映像 1時間29分)
※Ustream動画サービスは終了しました。現在、他の配信方法に変更中です。今しばらくお待ち下さい。

3分~ 開始/4分~ 佐藤氏/9分~ うた/12分~ 保田氏/30分~ 満田氏/1時間15分~ 質疑応答/1時間18分~ ビデオ/1時間24分~ 武藤氏
  • あいさつ 佐藤和良氏(福島原発告訴団 副団長)
  • うた 「われら ゆるがず」
  • 報告 保田行雄氏(弁護士)
  • 講演 満田夏花(みつた・かんな)氏(FoE Japan)「続く原発震災の被害 ~ 子どもたちの健康はどうなる?」
  • ビデオ上映 「『福島原発告訴団第二次告訴』告訴声明」(福島原発告訴団・九州
  • 閉会あいさつ 武藤類子氏(福島原発告訴団 団長)
  • 日時 2013年4月27日(土)14:15~
  • 場所 福島県郡山市労働福祉会館(福島県郡山市)
  • 主催 福島原発告訴団告知

 集会は、福島原発告訴団副団長の佐藤和良氏の挨拶ではじまった。『われら ゆるがず』を参加者全員で斉唱。続いて、弁護士の保田氏の報告に移った。

 保田氏は「福島原発告訴の弁護団では、全国原発差し止め訴訟代表の河合弘之弁護士、海渡雄一弁護士がタッグを組んで活動している。今回の原発事故の真相を明らかにし、きちんと責任をとらせなければならない。福島第一原発を中心に第一告訴を先行させ、1万人以上の告訴・告発人を集めたのは、我が国の司法上、画期的なことだった。旧東電経営陣を中心に、原子力安全・保安院、原子力安全委員会など、原発を推進してきた人たちを訴えている。告訴の罪状は、業務上過失致傷罪で、津波対策に争点を絞って争っている」と述べた。

 さらに、保田氏は「1月15日、検察庁に対して、上申書を提出した。内容は、津波被害は、事前に予想されていたうえ、業務上の過失になる、ということ。2002年7月、政府の地震調査研究推進本部の地震調査委員会が、三陸沖から房総沖にかけて、マグニチュード8クラスの地震発生の危険性を指摘、長期評価を提出している。原子力規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏は、最近の論文で『2002年の長期予測に基づき、津波防災を進めていれば、福島第一原発の津波による全電源喪失は避けることができた』と言及している」と語り、原発告訴の進捗状況と目的を説明した。

 次に、国際環境NGO FoE Japanの満田氏が、「続く原発震災の被害 ~ 子どもたちの健康はどうなる?」というテーマで講演した。当NGOは、福島第一原発の発災後、年間20ミリシーベルト基準の撤回運動や、避難住民の損害賠償、避難区域設定、原発再稼働問題などに取り組んでいる。まず、20ミリシーベルト問題について、山下俊一福島県立医科大学副学長の一連の発言、文科省の対応などを取り上げ、その言動の危うさを指摘した。また、20ミリシーベルト基準が、被災者への賠償、補償や、地域コミュニティに大きな溝を作ってしまった」と語った。

 満田氏は「現在、原子力損害賠償紛争審査会があり、自主避難者に対しての補償を、当NGOも被災者と一丸となって認めさせようとしているが、国はあいまいな態度をとり続けている。特に、山下氏は、政府の避難指示が解除されたら、速やかに賠償を打ち切って帰還を促すべき、と発言を繰り返している」と話した。また、渡利地区の放射能汚染のこと、大波地区の結論ありきの住民説明会のことに触れ、説明会では、「政府は特定避難勧奨指定をしない」「将来、住民にがんが発症しても、東電はそれを補償しない」などと回答している、と指摘。その結果、渡利地区の住民たちは「せめて、子どもたちだけでも、避難させろ」と政府に対して直接交渉を始めていると、解説した。

 「現在、政府は『100ミリシーベルト以下の被曝と、発がんの因果関係は証明できない』という。しかし、とても保守的なアメリカ科学アカデミーさえも、年間100ミリシーベルトを5年間浴びると、1%が放射性起因のがんになる、と発表している。また、低線量被曝の影響を裏付ける疫学調査は、多くある。にもかかわらず日本政府は『証拠不十分。チェルノブイリの知見では、甲状腺がん以外は、放射能との因果関係はない。むしろ、心理的要因やストレスがより有害だ』と言い、放射能の危険性を認めない」と、満田氏は続けた。

 「しかし、原発周辺の13町村の、3万8114人の子どものうち、3人に甲状腺がん、7人には90%近い甲状腺がんの疑い、との診断がくだされた。国立がん研究センターの発表データでは、日本の15歳~19歳での、甲状腺がん罹患率は10万人あたり、0.8755人なので、3万8000人で10人の発症は、多すぎることは明らかだ。山下氏はそれを『将来発見されるものが、検査によって前倒しで発見された』とのたまう」と批判した。終わりに満田氏は、超党派議員立法で成立した、原発事故子ども・被災者支援法と、FoE Japanの今後の活動計画などについて報告した。

 講演後、満田氏への質疑応答と、告訴団が制作したビデオ『「福島原発告訴団第二次告訴」告訴表明』を上映した。最後に、告訴団団長の武藤類子氏が閉会の辞を述べ、集会を終えた。

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