井戸川克隆(前双葉町長)×飯田哲也トークイベント「チェルノブイリと福島に学ぶ上関原発 〜地域からのエネルギー革命を目指して」 2013.4.26

記事公開日:2013.4.26取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・富山/奥松)

 2013年4月26日(金)13時30分から、山口市の菜香亭で「井戸川克隆(前双葉町長)×飯田哲也トークイベント」が行われた。井戸川氏は、3.11から埼玉県へ避難する決断をした経緯、被災地の現状を説明した。また、原発の事故をなかったことにしようとしている、国やマスコミの対応を問題視した。

■全編動画 1/2

■全編動画 2/2

  • 日時 2013年4月26日(金)13:30~
  • 場所 菜香亭(山口県山口市)
  • 主催 『フタバから遠く離れて』上映実行委員会

 井戸川氏は、震災後、双葉町の埼玉への避難を決断した経緯を説明した上で、「国民に対して霞ヶ関は冷たい対応をとる。彼らは嘘や捏造によって、今回の事故を矮小化しようとしている」と述べ、メディアは原発事故をすでに終わった問題であるかのように扱い、生活に困っている福島県民の実態が一切報道されていない点を問題視した。その上で、「事故の原因はどこにあるのかが見えなくされ、現在、被曝の影響はないとされているが、これから問題は顕在化されるだろう」と語った。

 また、伊沢史朗町長による新体制の双葉町に対しては、0からプラスの方向へ人生を歩んでいくために、コアとなる街を造るべきであるとした。町民に対しては、各避難先の地域の良い点を学んで、今後の町づくりに反映していってほしいとし、「今回の事故は、人類全体の事故だと思っている。放射能と共生しない社会を目指し、正しい歴史を後世に残さなければいけない」と述べた。

 飯田氏は「住民をどこまで避難させるのか、判断が難しいと思うが、井戸川さんは勇気ある判断をしたと思う。福島県は、未だに不条理な状況が進行中である。責任者に本来あるはずの倫理観や責任感が欠けていると思う」と述べた。続けて、昨年の衆院選で、原発を推進してきた自民党が選ばれた状況を疑問視し、「政治の選択がおかしく、非常に奇妙な状態である」とした。

 最後に、上関原発建設の問題を抱えている山口県へメッセージを求められた飯田氏は、「広島、長崎、水俣で起こったことが繰り返されようとしている。東電や古い財界の人間は無責任であり、政治家は本質を見抜いて行動する覚悟も知性もない。市民が、過去から学びながら、自らの手で山口を変えていく覚悟が必要である」と語った。続いて井戸川氏は「上関原発をはじめ、さまざまな問題が起こった時には、次の世代のことを考えなければいけない。賛成者、反対者が一堂に会して、未来の負担をどのようにとるのか、議論するべきであると思う」と語った。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です