秘密保全法に反対する愛知の会結成1周年総会・春の大講演会 西山太吉氏講演 2013.3.30

記事公開日:2013.3.30取材地: 動画
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(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)

 2013年3月30日(土)13時30分から、名古屋市栄ガスビル・ガスホールで、「秘密保全法に反対する愛知の会結成1周年総会・春の大講演会 西山太吉氏講演」が行われた。

 西山氏は『国家のウソが隠される!? 情報統制法=秘密保全法を許すな!』と題して、日本の戦後史が密約の上に作られ、現在に至っていることを解説した。その上で、急速に改憲に向かう安倍政権の動きを危惧し、「その中心に秘密保全法がある」と語った。

■全編動画

  • 講演 西山太吉氏(元毎日新聞記者)

 西山氏は「日本の戦後の歴史というのは、1965年の日米安全保障条約から、沖縄返還、米軍再編に至るまで、真実を国民に知らせないままに日米同盟を変質させていくという、ウソで固められた歴史である。民主党政権が発足し、岡田外務大臣は、任命を受けた直後に外務省記者クラブに足を運び、『日米間でなされた4つの密約情報を、解明することは民主党の柱である』と述べた。4つの密約とは、安全保障条約に関する核の密約、朝鮮半島有事の際の密約、沖縄返還に関する有事の際の核の持ち込みに関する密約、沖縄返還時の原状回復補償費の密約である」と語った。

 民主党政権で出された、情報公開法の改正案に、「知る権利を守るため」という一文が加えられたことについて、西山氏は「密約の開示は、過去の歴史を一気に清算して、真実を国民に伝え、批判と理解を求める絶好のタイミングであった。しかし、今や完全に情報公開の改正案は消えてしまい、アンチテーゼである秘密保全法が出てきた。これは、民主党政権の後半から出てきたもので、これほどまでに、日本は内部矛盾を持った国である、ということだ」と述べた。

 日米のアジアとの関係については、「アメリカは中国抑止のポーズで、日本のお金を使うことを考えている。アメリカは、アジアの市場が欲しい。そのために、日本を巻き込んでいく。日本には、中国と朝鮮半島との共存しか道はない。それなのに、アメリカと一緒になって中国抑止を唱えているのが、現在の安倍政権だ。アメリカの露骨な国益に従わず、日本独自のASEAN戦略を考えるべきである」と示唆した。

 最後に、西山氏は日本の現状について、「国家安全保障会議が創設されること。憲法96条は、いつでも改正できるようになっていること。集団的自衛権の主張。憲法13条が拡大解釈され『公共の福祉』を『公共の秩序』に変えようとしていること。これらの動きは、すべて一体であり、その中心に秘密保全法がある」とし、「われわれは、一市民として何をなすべきか、考えてほしい」と聴衆に呼びかけた。

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