「テレビ・新聞報道を支配するカラクリ」 本間龍氏 講演 2013.3.23

記事公開日:2013.3.23地域: テキスト 動画
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(IWJテキストスタッフ・宮里/澤邉)

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 2013年3月23日(土)14時から、横浜市神奈川区の神奈川県保険医協会で「反核医師の会・原発学習会『テレビ・新聞報道を支配するカラクリ』 本間龍氏 講演」が行われた。大手広告代理店である博報堂の営業部門に18年間勤めていた作家の本間氏が、原発やTPPなどの報道に見られる、広告代理店によるメディアコントロールの仕組みについて解説した。

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 本間氏は冒頭に、著書『電通と原発報道』(2012年6月初版・亜紀書房)を出版した理由を、「3.11以後、なかなか報道が脱原発を伝えないことにはシビアな理由があるが、広告代理店以外の人にはわからないため、本を書いた」と述べた。さまざまな大手出版社の知り合いからは、同書について、「うちでは怖くて出せない。企画書さえ上げられない」と言われたことも明かした。

 電通の企業規模について、「売上高が1兆8000億円で、世界第1位の広告代理店であり、企業規模はテレビ局などの全メディアよりも大きい」と述べた。巨大化した背景として、「戦後、戦犯として追放されていた財界人を迎え入れて、経済界との強いつながりを作ったこと。国策に沿ってテレビ局とラジオ局が作られた際に、電通から人や金を投入して営業基盤を築いたこと。自民党と強固に結びついていること」などを挙げた。

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 大手広告代理店の事業内容について、本間氏は「広告制作にとどまらず、広告枠の確保、クライアントのブランドイメージ戦略、イベント、クライアントの情報危機管理を行っている。広告枠については、メディアからの購入と、企業への販売の両方を行っており、メディア側からすると、枠を買い取って、高い確率で企業に売ってもらえるため、広告代理店には頭が上がらない」と語った。

 クライアントの情報危機管理については、「広告代理店は、日本中の雑誌、新聞を毎日チェックして、ネガティブ記事があった場合は、即座にクライアントに報告を行っている。クライアント企業が関わる事故や事件があった場合、メディアへの露出を抑えたいという企業からの依頼を受けて、メディアの営業担当に交渉を行う。その際に、年間広告出稿料が大きいほど発言力が増す」と明かした。

 本間氏は「広告代理店は日本を支配しようと考えているわけではない。ただ、クライアントのために知恵を絞って、いろいろなことをやってきた結果、メディア各社の生殺与奪を握るほど絶大な『第五の権力』になった」と述べた。

 続いて、最近のメディアコントロールの一例として、自民党総裁選や、2020年のオリンピック招致を挙げた。IOC委員の来日時に、全メディアが招致万歳の報道を行ったことについて、本間氏は「今は、そういう時期ではない。福島から16万人も避難して、実家に帰れない人がいるのに、その横でオリンピックをやって、みんながおちゃらけてしまって、それを見た人はどう思うか。4号機の使用済み核燃料を放っておいて、世界中からアスリートと観光客を呼んで、事故が起きたら誰が責任を取るのか」と批判した。また、メディアジャックという手法が使われたことについて、「どうでもいいことでも逐一報道していると、テレビをつけている人が、今の重大なニュースだと思ってしまう」と、懸念を示した。

 また、本間氏は、メディアコントロールに影響されないための提案も行った。「広告出稿料の大きい企業の都合で、報道内容がコントロールされるため、ほとんどのメディアは報道機関ではないと思ったほうがよい。メディアは巨大広告主を無視できないため、ネガティブな報道が載りにくい」と語った上で、(1)自分が見ているテレビ・新聞だけを鵜呑みにせずに、複数のソースにあたるようにする、(2)多くのメディアが同じ論調のニュースを流し始めたら、メディアコントロールを疑う、(3)企業広告に頼らない良心的なメディアを見る、などの手段を示した。

 最後に、「ニュースの紙面やテレビ画面を見るとき、漫然と見ているとすぐに流されてしまう。自分の頭で考える、疑う、調べるということを習慣付けると、メディアコントロールから少し離れたところに立てる」とアドバイスを述べて、講演を締めくくった。

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