黒岩祐治神奈川県知事 定例記者会見 2013.3.19

記事公開日:2013.3.19取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・小山内/澤邉)

 2013年3月19日(火)14時から、神奈川県横浜市中区の神奈川県庁で「黒岩祐治神奈川県知事 定例記者会見」が開かれた。黒岩知事は、前日に首相官邸で開かれた健康・医療戦略参与会合で「ライフイノベーション国際戦略総合特区を任されている県の立場ということで、発言をしてきた」と報告。「菅官房長官が『スーパー特区のようなものが必要かもしれない』というようなことを言ってくれた。非常に心強い反応だったと受け止めている」と述べた。

■全編動画

  • 日時 2013年3月19日(火)14:00~
  • 場所 神奈川県庁(神奈川県横浜市)

 最初に、黒岩知事は、特区における国際戦略の強化に向けて、ライフサイエンス関連産業の海外展開を円滑に進めるためのサポートなどを行う、グローバル・コラボレーション・センター構想を実現するため、一般社団法人ライフイノベーション国際協働センター(GCC)をかながわサイエンスパーク内(川崎市高津区)に開設することを報告した。

 次に、「かながわスマートエネルギー構想」の一環として、水素エネルギーの普及に向けたイベント「『神奈川発 水素革命』~次世代エネルギーの主役は水素だ~」を、4月19日にパシフィコ横浜会議センター(横浜市西区)で行うことを発表した。「水素は多種多様なエネルギーから製造が可能であり、それが導入する意義。将来のエネルギー源の一つとして大変注目されている」と語った。

 そして、15日に内閣官房の「健康・医療戦略室」の参与に任命されてから、18日に首相官邸で健康・医療戦略参与の初会合が行われたことを報告した。会合では「菅官房長官の下、日本経済の再生に向け、健康・医療に関する成長戦略をどう描いていくかについて、さまざまな立場からの議論があった」と説明し、黒岩知事も特区の成功に向けて政府の協力を呼びかけたという。

 質疑応答に入り、「神奈川発の水素革命の成果は、過去に話題になった数値目標や普及の中にも含まれていくのか」と問われると、「そういうことになる。あの時に出した数値は、基本的に太陽光発電でいえば、という形で示したが、原子力発電所に依存し過ぎないエネルギー体系という中では、環境にもやさしい水素エネルギーは非常に有効なもの。だから、全体像の中でボリューム感を持って提示していきたい」とコメントした。

 「例えばメガソーラーみたいな大きめの施設を造るということか。どういったものを普及させたいのか」と投げかけられると、「まずは燃料電池車。これが2年後には商品化されることになっている。今のガソリン車にとって代わるのは、将来的には燃料電池車が非常に有効ではないかと見ている。それと、家庭用の燃料電池。つまりエネファームといっているもの。メガソーラーのような非常に大きなものは、火力発電所などに使うようなものも将来的には出てくるだろうと考えている」と答えた。

 健康・医療戦略参与の会合では、具体的にどういったイメージで話したか、詳しい内容について尋ねられると、「保険外併用療養の範囲の拡大を申し上げた。特区の中で、保険で使える薬、それ以外の薬を全部同じように扱うということになると、混合診療ということになる。全面的な混合診療の解禁になると、いろいろ反対する人もいる。ただ、保険の診療と、それ以外の診療は、今でも限定的にはできる。これを保険外併用療養というが、この範囲をもうちょっと拡大していきたい」と話した。そのほか、「新しいタイプの医学部を、特区ということで認めてほしい」と発言したという。

 さらに、「これまで特区はいくつもあった。私自身もかつて政府の行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会、ライフイノベーションのワーキンググループのメンバーにいた」と前置きをした上で、「そこで散々『この規制を取り払えばいい』という話をしていながらも、その規制をどうするかという話になると、元局(所管局)に戻っていく。そして大抵が駄目になる。特区は成功させるために設けなければいけないのだから、いちいち部局に戻っていくようなことをしては駄目だという話をした」とも付け加えた。

 「GCCに出資している企業の業態や固有名詞を教えてほしい」という質問には、「食品や医療機器などのライフサイエンス関連産業や、IT関連企業に参加してもらう予定。しかし、現在は一般社団法人の設立登記手続きの最終段階で、企業と最後の詰めを行っている状況である。そういう意味で、個別の企業名は登記が終了して法人が設立された段階で示したい」と口にした。また、「県は出資しているのか」との問いには、同席していた国際戦略総合特区担当参事が「出資していない」と回答した。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です