「米国のものまねでは駄目」 規制庁に苦言 新安全基準の検討チーム会合で-発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム 第17回会合 2013.3.8

記事公開日:2013.3.8取材地: 動画
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 2013年3月8日(金)、東京都港区の原子力規制庁にて、発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チームの会合が開かれた。

 今日話し合われた議題の1つ、「設計基準における評価ガイド等について」に関する議論では、原子力発電所の内部火災や竜巻の影響などが話し合われたが、今日新たに発表された「火災防護規定案」に対して、検討チームの委員から批判が噴出した。

 この規定案は、米国原子力規制委員会(NRC)の指針「Regulatory Guide」などを参考に作成されたもの。渡邉憲夫研究主席は、「(規定案の)整理ができていない」と切り出し、案ができる過程の説明がないまま、結果だけを見せられても議論のしようがないと主張。「Regulatory Guide」のどこをどう訳して、何をどういった考えで付け加えたのか、と事務方に説明を求めた。

 しかし、牧企画官、山田技術基盤課長、中本室長の3人はこれに答えることができず、続けて、阿部清治技術参与も「米国やIAEAの基準等を参考にするのは当たり前の方法。しかし、それを参考にしたとして、どういった考え方でやるのか。単純なものまねではいけない」と苦言を呈した。結局、この議題は次回に持ち越しとなった。

■全編動画

  • 議題
    信頼性に関する要求の適用範囲について
    設計基準における評価ガイド等について
    炉心損傷防止対策及び格納容器破損防止対策における確認事項について
    発電用軽水型原子炉施設における制御室及び緊急時対策所の居住性に係る被ばく評価ガイド(設計基準事故を超える事故)について
  • 検討チーム
    更田豊志氏(原子力規制委員会員)
    阿部豊氏(筑波大学大学院教授)
    勝田忠広氏(明治大学法学部准教授)
    杉山智之氏((独)日本原子力研究開発機構安全研究センター 燃料安全研究グループ研究主幹)
    山本章夫氏(名古屋大学大学院教授)
    渡邉憲夫氏((独)日本原子力研究開発機構安全研究センター研究主席)
    櫻田道夫氏(原子力規制庁 審議官)
    安井正也氏(原子力規制庁 緊急事態対策監)
    山形浩史氏(原子力規制庁 重大事故対策基準統括調整官)
    山田知穗氏(原子力規制庁 技術基盤課長)
    山本哲也氏(原子力規制庁 審議官)
    牧慎一郎氏(原子力規制庁 企画官)
    阿部清治氏((独)原子力安全基盤機構 技術参与)
    梶本光廣氏((独)原子力安全基盤機構 原子力システム安全部次長)
    平野雅司氏((独)原子力安全基盤機構 統括参事)
    舟山京子氏((独)原子力安全基盤機構 原子力システム安全部放射線・水化学グループリーダー)

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