麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)定例記者会見 2013.1.18

記事公開日:2013.1.18取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2013年1月18日(金)12時10分、東京都千代田区の財務省において、麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)の定例記者会見が開かれた。冒頭、麻生副総理は、「太平洋リスク保険プログラム」を同日付で開始することを発表した。このプログラムは、太平洋の島嶼(とうしょ)国であるサモア、ソロモン群島、トンガ、バヌアツ、マーシャル諸島を対象に、これらの国々で大規模な自然災害が発生した際に、資金面での迅速な支援が行えるようにするもので、保険料の補助などを通じて貢献していく方針を示した。

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 続いて行われた質疑応答では、日銀が2%の物価上昇率目標を掲げることに関連し、それが達成できなかった場合の責任の所在について、記者が見解を求めた。これに対し麻生副総理は、「20兆だ、30兆だ、35兆だと金融を緩和した小泉内閣の時代に景気はよくなったか。全然よくならなかった」と述べ、さらに、「企業が銀行に金を借りるという需要がない限りは、日銀がいくら金を刷っても全然効果がない」と続けた。その上で、「物価が2%上昇しないのは政府の責任だとか、そういう話にならないよう、日銀と政府が双方できちんと連携を密にすることが一番大事だ」と答えた。

 また、麻生副総理は、新年度予算で追加すべき分野についての記者の質問に対し、地方における公共事業として、橋梁のメンテナンスを実施していく必要性を示した。その理由として、地方における公共事業の大幅な減少によって、全国にある67万8千の橋梁のうち、「かなり疲れたものがある」可能性について言及した。これについて、記者が、「補正予算の編成の際にも(修繕に)重点を置くと記者会見で述べていたが、事業ベースで4兆円を超える公共投資のうち、何%が補修に充てられるのか」と質問した。これに対し、麻生副総理は、「国土交通省にでも聞いてくれ。%までは俺達には分からん」と突っぱねた。これに対し、記者が、「公共事業は国土交通省だけではない。まとめられるのは財務省だけ」「財務省以外は把握しようがない。重点政策なのに金額が分からないというのは少々違和感がある」などと食い下がると、麻生副総理は、「補正(予算の内容)は予算書ができた段階で分かるのではないか」「具体的な数字を聞きたいなら事務方に聞いてほしい」などと答えるにとどめた。

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