麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)定例記者会見 2013.1.11

記事公開日:2013.1.11取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・久保元)

 2013年1月11日(金)11時40分、東京都千代田区の財務省において、麻生太郎副総理(財務大臣兼金融担当大臣)の定例記者会見が開かれた。冒頭、麻生副総理は、この日の閣議で緊急経済対策が決定したことを報告し、「大胆な金融対策」「機動的な財政対策」「民間投資を喚起する成長戦略」という「3本の矢」を実施することで、長期化している円高とデフレを是正し、不況からの脱却と雇用や所得の拡大を目指していく方針を語った。

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 また、麻生副総理は、「復興・防災対策」「成長による富の創出」「くらしの安心・地域の活性化」という3つの分野を重点課題とし、当面の景気底上げを図っていく方針を示した。この経済政策の実施にあたっては、補正予算による財政支出が13兆円規模、事業規模は20兆円を超す規模になるとし、「リーマンショックのときを除けば、史上最大規模になるであろう」と述べた。その上で、「景気や病気や天気など、『気』のつくことは、気分という問題がかなり大きな要素である」と持論を述べ、「第二次安倍政権になったことで、『変わった』という気分を国民が実感できるようにしたい」と強調した。

 続いて質疑応答が行われ、記者から国債増発を伴うことによる財政規律の確保について、見解を問われた麻生副総理は、「中期財政計画(編注:この計画には新規国債の発行額は前年度以下とする方針が盛り込まれている)を腹に据えながら、25年度の予算編成を行っていかねばならない」と語った。また、公共工事の実施については、老朽化した道路設備等の事例を挙げた上で、「安全に関するものが重要である」との見解を示した。さらに、「企業の内部留保の拡大は経営者の『気』の部分が大きい。個人消費拡大を推し進めにくくなっている」と、「気」に関する持論を繰り返した上で、民間の設備投資の促進や個人消費の拡大により、「持続的にお金が回るようにしていく」との方針を語った。

 これまでの経済対策との違いについては、「零細企業や小規模企業に恩恵が行くことを考えないといけない」と語った上で、下請けや孫請けを活用した大企業が恩恵を受けるという従来型の産業構造ではなく、零細企業や小規模企業が仕事を直接獲得できることに重きを置いていることを示した。一方、記者から、「小規模企業などへの投資により、実体のない企業に税金が使われる可能性があるのでは」と問われた麻生副総理は、「それは洗えば出てくる。それこそ、あなたたち(メディア)の仕事だ。しっかり洗え。『実体がないじゃないか』と堂々と記事にして、俺に教えてくれれば助かる」と切り返した。

 消費税増税実施に向けた最終判断が今秋に控えていることについて問われた麻生副総理は、「株価や為替、消費動向など、いろいろなことを(見極めて)配慮した上で考えなければならない」と答えた。また、今回の緊急経済対策が「10兆円という数字ありきのバラマキではないのか」との質問に対しては、「全然違う。(必要な対策を)積み上げてきた結果だと思っている」と否定した。

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