練馬区・宮城県女川町の災害廃棄物の受け入れに関する住民説明会(2回目) 2012.2.25

記事公開日:2012.2.25取材地: テキスト動画
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(テキスト IWJ・中埜/文字起こし chicly)

 2012年2月25日(土)、練馬公民館1階ホールで行われた、「練馬区・宮城県女川町の災害廃棄物の受け入れに関する住民説明会」(練馬区2回目)の模様。

 会場から「学校の校長先生もこの説明会のことを知らない。この焼却場の周辺は幼稚園も小学校も中学校も高校もあり、放射性物質の影響を受けやすい子ども達が沢山いる。バグフィルターでは100%取れない以上危険性は否めない筈だが、教育機関へきちんとした説明はしたのか」との質問が出たが、「昨年の6月から排ガス等の測定をしているがND(検出限界未満)である」などといった答えが繰り返された。

■イントロ

【以下、質疑全文テキスト起こし】

Q:子供が学校内の畑で稲や大根、トマトなどの野菜を作っている。屋外プールもある。がれき焼却後の灰に含まれる放射性物質は、バグフィルターで100%取れるものではないと聞く。99%取れたとしても、全体量が多いために残りの1%でもかなりの量になり飛散するのではないかと、関心のある親たちは不安に思っている。小学校の校長先生、副校長先生に今回の説明会のことを知っているか尋ねたら二人とも知らなかった。この光が丘清掃工場の周りは幼稚園や小中学校、高校がある。より放射性物質の影響を受けやすいという子供がとにかくたくさんいる。そのような場所で燃やすという事に関し、清掃工場の方では学校に声をかける等したのか?

A:ご心配はよくわかる。残念ながら都内でも放射能に汚染されたと思われる廃棄物の焼却は行っている。昨年6月から排ガス等の測定をしているが、排ガス中の放射性物質については不検出という状態が続いている。不検出というと、検出限界値がいくつなのかという質問がよくあるので資料で説明する。この数字については清掃一組のホームページにも掲載してあるので確認してもらえればと思う。評価書というものも出し試験結果についての数字を示してある。今年1月以降の測定結果についても同様に検出限界値を表示してあるので理解してほしい。

 (補助資料17)画面に表示しているのは大田と品川の清掃工場における排ガス測定の検出限界値。混合ごみの焼却試験の方は災害ごみを20%入れて焼却したもの。「ろ紙部」「捕集水部」「活性炭部」の3点で捕集しているが、不検出の下の所にカッコ書きで示しているものが検出限界値になる。単位はBq/ m3N(ベクレル/ノルマル・リューベ)で、1立方メートルの中にどれだけベクレル含まれるかという意味。1%残るのではないかというご心配はあるかと思うが、昨年6月以降測定をしている中で不検出の状態が続いており、99.9%以上取れると思っている。100回近く測っているので、もしも検出限界値ぎりぎりで出ているとすれば数値として出てくると思うが、現在ほとんど確認されていないと考えている。

 近隣への周知という点では清掃工場としては2月1日に近隣41の町会等代表の方に600部ほどお知らせを配布している。恐らく掲示板などには張られていると思う。

 ご質問の中で大変高い放射能濃度という言葉があったが、先ほどの説明の中で12月9日と12月14日に都内で行った試験焼却で災害廃棄物の放射能濃度セシウム134と137合わせた数値が71Bqないし57Bqとのこと。クリアランスレベルという言い方が最近新聞などで出てきているが、これは本来「微量の放射性物質を含む固体状物質で、含まれる放射性物質間の線量が自然界の放射性レベルに比較して充分小さく、また人の健康に対するリスクが無視できるため放射線防御に係る規制体系からはずして、放射性物質として扱う必要のないもの」。その基準が一応100Bqであり、自治体によってはそれ以下のものしか受け入れないというところもあるとは聞いている。国が定めた基準として、燃やした後の灰が8,000Bq以下であれば充分安全に保管等をして影響がないということなので、現在清掃工場ではそれに基づいて処理ができるということ。先ほどご心配だとの話があったが、私共はそのように考えている。

Q:まず一つは今日の資料の中に去年7月からの放射能データのグラフがあったが、震災以前の値はないのか?

 二つ目。焼却スケジュールについてはどのように知らせてもらえるのか?受け入れに関するスケジュールは随時発表していくとの説明があったが、実際に清掃工場で焼却するスケジュールはどのように教えてもらえるのか、説明がなかった。近隣住民としては何時から何時までどういったスケジュールで焼却されるのか事前に知りたい。

 三つ目。東京二十三区清掃一部事務組合のホームページにアップされていた資料について。1月25日付で「事故由来放射性物質により汚染された焼却灰等の処理状況について」という文書の中で4番「工場職員及び委託・請負作業者の放射線防護」という項目の(1)で「職員及び作業者の被ばく限度の考え方」が示されている。この中で「年間の被曝線量が1mSvを超えないように努めるものとします」と宣言されているが、練馬区の方では練馬区民の放射線防護に関し被ばく限度をどのように考えているのか聞きたい。

A:残念ながら震災以前の放射能の測定はしていないので公表できる数値はない。私どもの施設は放射能を取り除く施設、という認識は持っていない。

 二点目の焼却施設について。先ほど3月分の受け入れ計画について説明したが、清掃一組では来年3月末まで1年を通して女川町災害廃棄物を受け入れていく。資料でも説明しているが年間を通じ1日平均150トン程度を考えている。清掃一組の管理する清掃工場は現在23区全体で19カ所が稼働中だが、光が丘工場を含むこれらすべての工場で女川災害廃棄物を順次受け入れていく。各工場で1年のうち8週間前後のオーバーホール(定期補修工事)があり、その前に中間点検を1〜2週間行う。それぞれそのような計画を組んでいく中で、焼却が可能な工場に入れていく。3月分についてはそういう計画の中で中央清掃工場を皮切りに、3月後半には新江東清掃工場にいく。4月以降についてはどこの工場に何トン入れるか現在のところ未定。ただ清掃一組の計画では、8月までに19清掃工場でとにかく一回は入れていく。配布資料にもあるが、清掃一組では各工場に入れる女川町災害廃棄物の受け入れ量は10%以下と説明している。例えば練馬区の光が丘清掃工場だと年間を通じ1日の平均搬入量は約280トンということで、今年も来年度も計画している。10%以下という数字については、まず日々の搬入量の10%以下で計画をする。清掃工場には「ごみバンカ」という貯留槽があるが、そこに10%以下のごみを搬入した際ごみバンカの中に貯留されている通常の家庭系可燃ごみ等と一緒に攪拌し、さらに薄めて焼却する。清掃工場は24時間連続焼却している。順次入れていく中で、まず2週間というひとつの単位、これは経過の測定をしなければならないので2週間連続して10%以下で入れる。24時間連続焼却の中で焼却するので、何時から何時まで女川町災害廃棄物を処理するということは言えない。24時間の中で焼却しているということ。

 それから先ほど3月分の受け入れ計画の説明をしたが、2週間のうち日曜日は搬入しない。湾岸部の工場で事業系のごみを日曜に搬入している工場もあるが、女川町の災害廃棄物についてはどの工場でも日曜は搬入せず月曜から土曜の8:20〜15:45の間に搬入していく。それを8月までに10%以下で19清掃工場すべてに入れていくという計画を練っている。

 (質問者)(では月曜から土曜までずっと連続で燃やし続けるということか?日曜日は?)

 焼却自体は日曜日も24時間ずっと連続して行っている。搬入の方は月曜から土曜まで2週間をまたいで、ということ。

 受け入れをどのように区民の皆さんにお知らせするかという点について。光が丘清掃工場では早くても4月以降8月までの間に2週間の期間で1日当たり10%以下に抑えて受け入れる。光が丘清掃工場の焼却能力としては150トン炉が2炉あるので300トン。よって1日当たりどんなに多く入っても30トン未満ということになる。その30トンの部分を24時間連続燃焼の中で燃やしていくという形になる。前月の20日をめどに翌月の計画を出すので、区報等でお知らせするのでは恐らく間に合わないと思う。ホームページで知らせると同時に光が丘清掃工場周辺にお住いの方に対しては、掲示物やポスター、町会自治会等を通してできるだけ早くお知らせするようにしたい。

(…会員ページにつづく)

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