参院選を自民党に勝たせたら、自衛隊が中東に派遣され、日本が戦争に巻き込まれる!? 暴走するシステムを止めるチャンスは、この1週間!~7.14 参院選 比例代表 れいわ新選組・安冨歩候補 街頭演説(銀座博品館前) 2019.7.14

記事公開日:2019.7.15取材地: テキスト動画
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特集 れいわ新選組
参院選期間につき、公共性に鑑みただいま全編特別公開中!
※2019年7月26日リード追加

 米国務省のフック・イラン担当特別代表は16日、米国が結成を目指す中東・ホルムズ海峡などの安全確保に向けた有志連合構想に関する計画を19日に発表する意向を表明した。本件は、21日投開票日の参院選における重大な争点にならなければいけない。

 この問題を、街頭演説で取り上げた候補者がいる。れいわ新選組から出馬した安冨歩氏である。

 2019年7月14日(日)16時より東京都中央区の銀座博品館前にて、参院選に比例代表で立候補したれいわ新選組の安冨歩候補による街頭演説が行われた。ここで安冨氏は、上記の有志連合への自衛隊派兵問題が、改憲問題に結びついていることを指摘し、警鐘を鳴らした。ここで重要なのは、この自衛隊派兵問題が、単なる安全保障の問題にとどまるものではなく、日本社会全体を覆う「システムの暴走」として考えなければならないことを、安冨氏が自身のこれまでの研究を下敷きに述べている点である。

 その演説部分は、本動画の34分57秒以降にあたるが、当該部分の文字起こしに注を補う形でお伝えしたい。以下ご覧いただきたい。

 安冨氏「私たちは、『機能的全体主義』の国に生きています。『星の王子様』を書いた作家のサン=テグジュペリが、北アフリカの基地からある将軍に向かって書いた手紙の一節です。彼はこう言っています。ドイツの全体主義との闘いが終わった後に、本当に暗い時代がやってくる。その時代は、機能的全体主義の時代だと。私たちは、手足をへし折られた上で何処へでも行く自由を与えられているんだ、と彼は書きました(※)。

(※)安冨歩『誰が星の王子さまを殺したのか――モラル・ハラスメントの罠』(明石書店、2014年)165-172頁

 私たちは、許可に怯え、決まりに怯え、人にとやかく言われるのに怯え、それに自分を合わせて生きようとし、子どもたちをその箱の中に押し込めようとしています。それが、私たちの社会の暴力の根源です(※)。それが、私たちの社会の弱い人たちを抑圧し、私たちの外の社会、外の国の弱い人たちを抑圧し、自然環境を破壊してしまっています。その巨大な、大きな石臼を一生懸命押すのはやめましょう。ガレー船(オールを漕いで進む軍艦)を漕いではいけません。そのガレー船のオールを放してください。そして、目の前の子どもたちを守ってください。

(※)「子どもの利益を最大限に考える」ということについて、安冨氏は次のように述べている。「子どもの利益を守ることは、教育への支出を増加させることではありません。子どもは必ずしも、学校などには行きたくないからです。現在の教育のあり方をそのままにして、教育投資を拡大することは、教育関係者の利益を拡大するに過ぎず、子どもの利益に反します」。では、「現在の教育のあり方」はどのように修正されるべきなのか。これについて安冨氏が提唱しているのは、子どもが送ってくる「一つひとつの真剣なメッセージ」を大人が真面目に受け止め、それを基準に物事を考えることである。安冨歩『幻影からの脱出――原発危機と東大話法を越えて』(明石書店、2012年)215-221頁

 それが、マイケル・ジャクソンが訴えたことだと、私は考えています。彼は、Jam(ジャム)という作品を作りました。それは詰まるという意味です。歯車の中にパチンコ玉が詰まったことをジャムと言います。チャップリンの『モダン・タイムス』のような、スムーズに動く歯車の中で動いていく人間にならず(※)、その中で子どもを守る。自分自身の心に従って生きることで、歯車に詰まることがジャムです。マイケルは、ジャムするように呼び掛けました。私たちはスムーズな機械となって、この国の、この街のお金を車を回し続けています。

(※)では「物事がスムーズに流れる状態」とは何か。この点については、安冨氏はマイケル・ジャクソンの次のような発言を訳出している。
 「私は仲間たちに言った。『私に頼み事をしないでくれ。私はシステムによって条件づけられている。私に話しかけないでくれ。 叫んだり怒鳴ったりしないでくれ』」
 「スムーズ」であろうとする生き方は、自己嫌悪を抱えながら他人の目に怯え、他人の評価を気にするものであり、そこから脱して自分自身を生きることが「ジャム」なのだと、安冨氏は言う。安冨歩『満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦 』(角川新書、2015年) (Kindle の位置No.2517-2519)

 そして、私たちは一歩一歩、最後の瞬間に向かって進んでいっています。つい最近、安倍晋三の大好きなトランプ大統領が(中東のホルムズ海峡への派兵のための)有志連合への参加を呼び掛けてきました。この参院選が自民党の勝利に終われば、間違いなく自衛隊は派兵されるでしょう。それは確実に本物の戦争に自衛隊を巻き込むでしょう。私たちは憲法の改正、9条の改正を迫られます。

 止められるのは、この1週間です。このまま、自動的に動き続ける石臼に巻き込まれ、その棒を押し続けて、子どもたちもろとも、戦争の中に飛び込んでいくのか。それとも、私たちが新しい未来を切り開くのか、非常に危険な瞬間が迫っています。どうぞ、何も考えずに流れていくのは、やめてください。どうぞ、立ち止まって考えてください。どうぞ歯車となって動き続けるのは、やめてください。パチンコ玉となってその歯車に身を投げ出しましょう。それはつまり、休むということです。止まるということです、何かをするのではありません。何かを捕まえるのではありません。手を放しましょう、止まりましょう、それが、ジャムするということです。それが、子どもを守るということです」

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■全編動画

  • 弁士 安冨歩氏(参議院議員選挙比例区候補・新人、東京大学東洋文化研究所教授)
  • 演奏 片岡祐介氏(音楽家)×田崎建氏(きさらづ野良制作室)
  • タイトル 参院選 比例代表 れいわ新選組・安冨歩候補 街頭演説(銀座博品館前)
  • 日時 2019年7月14日(日)16:00頃〜
  • 場所 銀座博品館前(東京都中央区)

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