普天間基地「関西受け入れ」の真意について岩上安身が橋下徹大阪府知事に直撃!「政府から話が来れば、関西でも基本的には受け入れる方向で検討はしていきたい」 2009.11.30

記事公開日:2019.3.6取材地: テキスト動画
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特集 辺野古

 2009年11月30日、「関西にも米軍の基地負担を」という橋下徹大阪府知事の「爆弾発言」会見が、日本中で大きな波紋を呼んだ。2009年11月30日(月)朝9時、大阪府庁での橋下知事の囲み会見において、空港と普天間基地問題に関して岩上安身が行なった質問と、橋下知事の答えを全文掲載する。(※注)

■橋下徹大阪府知事記者会見 前半

■橋下徹大阪府知事記者会見 後半

※画像・音声がたいへん乱れております。申し訳ございません。

  • 日時 2009年11月30日(月)9:00~
  • 場所 大阪府庁(大阪府大阪市)

岩上「知事よろしいでしょうか? フリーのジャーナリストの岩上と申します。どうぞよろしくお願いいたします」

橋下「はい」

岩上「関空およびですね、沖縄の普天間基地の問題に関して質問させていただきたいんですが。17日に行われました衆議院の安全保障委員会の方で、連立与党の国民新党の政調会長である下地幹雄議員が、岡田外相、それから北澤防衛大臣等に質問されたんですけれども。その中で知事の言葉を引用されておりまして。

 『もし、沖縄の基地負担、基地機能というものを軽減するために、例えば関空あるいはその他の本土の空港を使うという必要性があるのであれば、我々としては前向きに検討したい』ということを、知事がおっしゃったということを、引用された上でご質問されたんですね。それに対して大臣も、前向きな答弁をされました。先日記者会見で、質問した時に『考慮中である』と」

橋下「え、なに中って」

岩上「考慮中であると」

橋下「あ、はい」

岩上「要するに『否定はしない』と。ただ、本土のどこの空港に持って行くかについて、それについては言えないみたいな慎重なお言葉だったんですが、否定はしなかったんです。これについて、もう一度、知事の考えをお示しいただきたいんですが」

橋下「まず、安保政策の話については、これはもう、内閣の専権事項だと思ってますので。『日米安保についてどうあるべきか』というのは、一介の自治体の長があーだこーだ言うべきではない、と思うのですが。あくまでも一般論としてね、単なる個人的な。個人的な、というのは通用しないんでしょうけども、意見というか考え方というレベルで取っていただきたいんですけれども。

 これは先日、記者からの質問にも答えましたけれども、やっぱりね。沖縄の地上戦というのはこれは、本州、四国、北海道、九州の人間は、ずーっと十字架を背負って行かなきゃいけないんですよ。

 僕も、本でしか知りません。書物でしかそういう知識はないですし、沖縄に行って、記念館とかで見聞きしたぐらいの情報しかありませんが、やはり沖縄の地上戦というものは、これはもう、沖縄の方には多大なご負担をおかけしたんで、その分は十分に配慮した態度をとらなきゃいけないと思うんですね。

 ですから、日米安保が崩れてしまうとかそういうことになったら、それはもう、元も子もありませんので。そこは国の方でしっかりと議論していただきたいんですけども。基地負担のところだけに絞って言えば、やはり、沖縄の基地負担の軽減。これは、北海道、四国、九州、本州のみんなで、やはり一定の負担をすべきだと思ってます。

 ただ、沖縄の方にも、僕が知事になる前にいろいろ話を伺ったんですが、基地があることによって経済振興策になってるという現実もあると聞いてます。ですからこれは、しっかりと沖縄の皆さんの意見を聞いて。これは伊丹問題と同じでね、米軍基地が欲しいんじゃないんですよ、沖縄の人たちは。地域の活性化が必要なんでね。

 そうであれば、米軍基地に代わる活性策を、しっかりと国を挙げて考えてあげるべきです。単にお金をジャブジャブ入れるんじゃなくて、沖縄にしっかり自立をしてもらうと。僕はそういう意味ではカジノ法案、今度、小沢幹事長に陳情しに行きますけども。カジノ特区ということで、まっさきに適用されるべきなのは、僕は沖縄だと思ってるんですね。

 沖縄に、単にお金を入れるだけじゃない経済の振興策をきちんと練ってあげた上で、米軍基地というものはできる限り沖縄から負担軽減してあげるっていうのは、北海道、本州、四国、九州の住民の義務じゃないでしょうかね。責務だと思いますね。

 これはもう、僕は大田中将の言葉でね、「沖縄県民、かく戦えり」「県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを」という、この言葉をしっかりとやはり胸に刻んで行かなきゃいけないので。関西でも、もしそういう話が来れば、しっかりとこれは、基本的には受け入れる方向で検討はしていきたいとは思いますけどね」

岩上「下地議員のプランというのは、嘉手納統合を前提としておりまして、ただ、外来機の訓練機があるわけですね。基地とか部隊をそのまま移動させるんじゃなくて、『外来機の訓練だけでも関空に持って来れないか?』と。年間三万回分ぐらい持ってくると。こういう案らしいんですけど。岡田外務大臣は、これについては詳しくは言いませんということだったんですが。岡田大臣もやはり嘉手納統合ですね。

 嘉手納であろうが、もともとの普天間に戻ろうが、しかし沖縄県民の総意として、『基地負担の軽減なくして一切のプランはダメ』というほど、厳しい世論の盛り上がりになっています。この、具体的に上がっている、嘉手納統合と仮になってもならなくても、具体的に3万回の米軍のですね、これはフィリピンとか他のところから飛来してくる訓練機ですけど、それを受け入れる。これ、現実的に検討あり得ることなんでしょうか?」

橋下「日米安保に影響するようなことまで、僕が積極的に発言できませんけど。国から提案があるんであれば、それは『始めから一切拒否』というわけにはいかないです。僕はやっぱり、沖縄の経済振興策と、沖縄の基地負担の軽減。これは日本人総出で取りかからなきゃいけない話だと思ってますんで。そういう話が来れば、拒否は一切しません」

※動画前半ここまで、以下は後半動画より

橋下「あの、もちろん『受け入れる』っていうわけじゃないですよ。議論を拒否しないっていうわけで。ただやはり、関西は関西の都市の活性化を考えるとね、これ、エゴになってはいけないんですけど。24時間のハブ空港がどうしても必要という現状があるんで。

 果たして、外来機であっても軍民共用ね。横田基地の場合でも、東京都が一生懸命やっても軍民共用はなかなかできないじゃないですか。だから、軍民共用がどうなのかとか、そういう問題を考えなきゃなりません。であればね、外来機とか、滑走路の大きさにもよるんでしょうけど、『じゃ、神戸空港はどうなんだ』とか、そういう検討は十分あり得ると思いますよ」

岩上「航空需要が、軍用であっても、航空需要が増えてくることになるわけで、それが関西にとってはプラスになるというお考えはありますか?」

橋下「ただ、僕の目指しているところは、国内線、国際線でのハブ空港なんで。旅客便、それから貨物便。それによって、都市の戦略として経済活性化に、GDPを押し上げるような、そういうものにというのが僕のゴールですから。ちょっと今のところは、軍用機の航空需要というところは念頭にありません」

岩上「だから、積極的に誘致しようとほどの気持ちではない?」

橋下「そこまではないですね。ただ、それは『関空に』ということであってね。関西全体で、沖縄の基地負担の軽減につながるような話であれば、これは積極的に議論には参加したいですし。僕は沖縄の基地の負担軽減に少しでもつながるようなことがあれば、これは関西の皆さんに説得していく。そうしなければならない責務を負ってると思ってますので」

岩上「今まで、政府の方から打診とかありましたか?」

橋下「ないです。正式にはないです。だから、そういうのがあれば、繰り返しになりますけども。やはり大田中将の言葉っていうのはね、日本国民があまりにも知らなさすぎる。教育でも聞いた事ないし。僕も大人になって、メディアの仕事やるようになって知ったぐらいですから、偉そうに言えませんけども。

 やっぱり、沖縄の地上戦をやって、大田中将が最後、自決される前にあの状況を描写して、「県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを」と言われたその言葉の重みをね、やっぱり北海道、本州、四国、九州の我々ぐらいの世代の人間がその重みを噛み締めて、沖縄の基地負担について全力を挙げてやらなきゃいけないと思ってますけどね」

岩上「ありがとうございました」

橋下「はい」

(※注)
 この日の取材の前夜に大阪入りした岩上安身は、質疑応答の一部始終をYoutubeで公開することを思い立ち、ソニーのハンディカムを購入した。それまでフリージャーナリストとして、主に週刊誌などの紙媒体への発表を続けてきた岩上安身が、インターネット報道メディアIWJを設立する大きなきっかけとなったのが、この時の取材であった。

 また、この日の会見直後にマスコミ各社が橋下氏の発言を一斉に報じた経緯については、「まるで便秘からいきなり下痢になったようで、気持ちが悪い。ここにも、マスコミ各社が一斉に足並みをそろえようとする『記者クラブ制度』の本質があらわれているといえるだろう」という岩上安身のコメントとともに、J CASTニュースが報じている

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