【玉城デニー沖縄県知事訪米取材】1. 多様性を誇る都市・ニューヨークをスタート地に選んだ玉城デニー沖縄県知事!「あなた方の政府に『対話せよ』と訴えて欲しい」とニューヨーク大学で訴え! 2018.11.12

記事公開日:2018.11.15取材地: | テキスト動画
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(取材・文:上杉英世)

特集 辺野古

 知事就任後、初となる玉城デニー沖縄県知事の訪米。IWJは記者1名を現地に派遣して、同行取材を行っている。

 2018年11月11日(NY時間)、一行は最初の訪問地としてニューヨークを訪れた。マンハッタンのグリニッジ・ビレッジにあるワシントン・スクエア公園では、県人会の人々が玉城知事を出迎え、歓迎した。集まった人の中には、辺野古で機動隊に引き剥がされる住民の写真に「侵略を止めろ!(Stop Aggression!)」と書かれたパネルを掲げる女性の姿もあった。また、別の女性は、道行く人に住民への弾圧の状況を説明しており、足を止めた米国人男性が真剣に質問していた。

▲ワシントン・スクエア公園で玉城知事を歓迎する人々

 その後、玉城知事は隣接するニューヨーク大学で講演を行った。

 「少し緊張しますね。I feel nervous… My cheek(頰)is ピクピク。ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ(皆さん、お元気ですか)!」という、日本語、英語にウチナーグチが入り混じった玉城知事の挨拶に、会場は大いに湧いた。

▲NY大学で講演を行う玉城知事

 玉城知事は「基地関連の収入は、わずか県全体の4〜5%に過ぎません。辺野古新基地建設には県民60〜70%が反対しており、翁長前知事も私も、その民意を受けて選挙では相手に大きな票差をつけて圧勝しています」と、沖縄の新基地反対の民意を示した。

 その上で、「沖縄県は日本と米国との3者対話を切望していますが、米国は日本国内の問題だと片付け、日本政府は日米地位協定を理由に沖縄の苦情を切り捨てる。沖縄の声は、最初からなかったかのように消されていくのです」と日米両政府の対応姿勢に疑問を呈した。

■玉城デニー沖縄県知事・訪米同行取材 ~ニューヨーク大学での講演 全編動画

  • ファシリテーター 島袋まりあ (Annmaria Shimabuku) 氏(ニューヨーク大学助教授)
  • 講演 玉城デニー氏(沖縄県知事)“The Power of Diversity and the Pride of Democracy in Okinawa”
  • タイトル 玉城デニー沖縄県知事によるニューヨーク大学での講演
  • 日時 2018年11月11日(日)現地時間 14:00〜16:00(日本時間 12日 4:00〜6:00)
  • 場所 ニューヨーク大学シルバー・センター (New York University, Silver Center for Arts and Science)(米国ニューヨーク市)
  • 主催 沖縄県
  • 告知 eventbriteサイト(英語)

 そして会場の聴衆に向け、玉城知事は次のようなメッセージを投げかけた。

 「沖縄が『追い詰められている』と言いましたが、対話というキーワードは捨ててはいません。沖縄は決して悲観してません。アメリカのみなさん! あなた方の政府に『対話せよ!』と訴えて欲しいんです」

 会場には、ニューヨーク周辺のみならず、全米各地から駆け付けた多くの沖縄出身者、それにニューヨーク大学の若い学生の姿も見られ、備え付けの椅子が足りなくなるほどの盛況だった。床に座って、玉城知事の話に真剣に聞き入る女学生たちの姿が、大変印象的だった。

 その後のぶら下がり質問で、IWJは「普天間の危険除去のために辺野古基地は仕方ないという、思考停止に誘導するような言説が幅を利かせていますが」と玉城知事に尋ねた。玉城知事は「辺野古が普天間の唯一の解決策というのは政府の言い分であって、多くの県民は普天間を早く閉鎖返還してほしいと願ってます。その事実を絶対にかき消されないように、しっかり発信していきたいと思います」と回答した。

▲講演後のぶら下がりに答える玉城知事

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