竹中平蔵氏が会長を務めるパソナの迎賓館を門康彦市長が訪れた直後に淡路島が「総合特区」に!?「地方創生」の効果は不明!?「パソナ島・淡路島」の謎は深まるばかり!?(後編) 2018.6.3

記事公開日:2018.6.3取材地: テキスト
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(取材・文:IWJ編集部)

 「森友学園」「加計学園」問題がにわかに国会で注目を集め始めた2017年3月、IWJは、「加計学園」問題の取材も兼ねて、淡路島を訪れた。「加計学園」の系列大学・吉備国際大学の南あわじ志知キャンパスを取材すると同時に、「淡路島が『パソナ島化』している」という、にわかには信じがたい話を確かめるためだ。

 若い人たちが「研修」として農作業に従事している「チャレンジファーム」に、廃校した野島小学校を改装した「のじまスコーラ」、奇妙なドーム型の離れを擁した迎賓館「春風林」――。

▲「のじまスコーラ」(2017年3月24日IWJ撮影)

 これらのどれもこれもが、パソナの所有物である。他にも、次々と淡路島ではパソナの施設が開設され続けている。淡路島が「パソナ島化」されているという噂は、本当であった。

 IWJが淡路島の現地で取材してきた「パソナ島」の実態は、ぜひ、以下の「前編」記事で確認していただきたい。

 そもそも、パソナは「地方創生事業」として、淡路島にこれだけの事業を展開しているわけだが、それによる雇用創出効果や経済効果はどれほどなのだろうか?

 IWJはさらに、取材を続けた。

記事目次

  • 県も市も把握していない「雇用創出効果」!?
  • 門康彦・淡路市長とパソナの「異常な親しさ」 「地域活性化総合特区」に指定される直前には、パソナの迎賓館「仁風林」を訪問!
  • 淡路市長が「仁風林」を訪問した3ヶ月後、兵庫県と淡路3市、パソナが一体となって申請した「地域活性化総合特区」の指定が実現!

県も市も把握していない「雇用創出効果」!?

 「雇用創出効果みたいなものがあるかというと、そういうものは求めてもいないですし、把握もしていないんですよね」

 IWJが兵庫県の「淡路県民局未来島推進課」に問い合わせると、担当者はそのように述べ、困った様子をうかがわせた。

 淡路市が企業誘致として協力した「のじまスコーラ」以外、行政側はパソナの進出を補助しているわけではないのだという。したがって、県が独自にパソナによる「雇用創出効果」を調査していたりはしない。

 「ただ、聞いたところによると」と言って、推進課の担当者は次のように述べた。

 「『チャレンジファーム』での事業が開始された2008年度から直近の2016年度の9年間で、45名に研修を行い、10名の卒業生が島内で就農した、とは聞いています」

 兵庫県が唯一把握している数字は、これだけであった。

▲「チャレンジファーム」(2017年3月24日IWJ撮影)

 一方、淡路市に問い合わせてみても、大差はなかった。

 「淡路市の方で具体的につかんでいるのは、企業誘致した『のじまスコーラ』だけ」と前置きして、担当者は次のように述べた。

 「2012年8月に同施設がオープンして以降、2017年頃までに、約45~60名の雇用が生まれたというふうに聞いています。大きな効果があったと、まあ、言えると思います」

 パソナがあれだけ大々的に「地方創生」をうたっていながら、県も市も、具体的な効果を自ら調査していない。パソナ側から聞いた数字についても、正社員やパートの区別は不明で、生まれた「雇用」が地元出身者なのか、はたまた外部から来た人なのかの内訳もわからない。

(…会員ページにつづく)

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