トランプ大統領アジア歴訪の裏でサウジが暗躍!? イスラエルとともにイランを攻撃!? ~板垣雄三東大名誉教授講演「世界戦争の予感」 2017.11.25

記事公開日:2017.11.30取材地: テキスト動画
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(取材・文:城石裕幸)

特集 中東
※2017年12月11日、テキストを追加しました。

 ドナルド・トランプ米大統領が今年2017年11月5日、アジア歴訪の最初の訪問国として就任後初めて来日した。

 日本の大手メディアは、安倍総理とのゴルフや会食など、過剰なまでに演出された両者の親密さを報じることに余念がなかった。

 6日行われた共同記者会見で、日米首脳は核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への圧力を最大限まで高めることで一致、日本のミサイル防衛能力強化のために米国からさらに装備品を購入する方針を発表した。

▲共同記者会見で見つめ合うトランプ大統領と安倍総理(首相官邸HPより2017年11月6日)

 次に訪れた韓国でも、7日の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との米韓首脳会談の成果をまとめた「共同記者発表文」を8日、米韓両国が発表。北朝鮮の核とミサイルの脅威に対し、日本を含めた3カ国による軍事協力を進める意思を両首脳が再確認したと表明した。

 8日から就任後初て中国を訪れたトランプ大統領は、9日習近平国家主席と首脳会談を行い、北朝鮮への制裁強化を求める一方、航空機、半導体、農業(大豆・食肉)及び液化天然ガスなどの分野において総額2500億ドル(約28兆円)の商談が成立したと発表した。

 その後、中国共産党中央対外連絡部の宋濤部長が習近平国家主席の特使として11月17日より訪朝し、朝鮮労働党の中央指導者と会見。北朝鮮の核・ミサイル開発について、北朝鮮に対し「対話による解決」に向けて自制を促したが、金正恩朝鮮労働党委員長とは会談できなかったとみられている。

 11月20日、米トランプ政権が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると、反発した北朝鮮は29日未明、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」を試験発射。日本の排他的経済水域(EEZ)内に着水した。

 世界中が北朝鮮の核実験やミサイル実験に目を向け、特に日本では「米朝危機」、「朝鮮半島有事」にばかり気を取られていた時、中東ではスンナ派アラブの盟主を自認しているサウジアラビアで、親イスラエル、親シオニストのムハンマド・ブン・サルマーン皇太子が主導して「汚職追放」の名の下に王族やイスラム法学者たちに対する粛清の嵐が吹き荒れ、レバノンのサアド・ハリーリー首相が拘束されてサウジの衛星放送「アル・アラビーヤ」で辞任を表明、フランスのマクロン大統領がサウジアラビアの首都・リヤドまで身柄を引き取りにいくという事件が発生している。

 多宗教間のバランスでなりたっているレバノンで首相が辞任すれば内戦に発展する可能性もある。隣国レバノンが混乱すればイスラエルにとっては軍事介入の恰好の口実となる。

 そして、その「辞任表明」のあったまさに同じ日、イランから軍事支援を受けているとされるイエメンのイスラム教シーア派武装組織「フーシ」がリヤドの国際空港に向けてミサイル攻撃を行っている。

 レバノンでは同じくイランとつながりの深いシーア派組織「ヒズボッラー」がシリア内戦でのIS掃討に大きく貢献し、影響力を強めている。そのISを米国が助けているのではないかという状況証拠も報じられている。

 パレスチナを支え、ユダヤ人の入植促進・シオニズムを非難してきた「アラブの大義」などどこへやら、次期国王と目されるムハンマド・ブン・サルマーン皇太子が率いるサウジアラビアは、今やイスラエルとがっちりと手を組み、シーア派国家のイランの影響力が強まったシリア・イラク・レバノンを敵視する軍事同盟を形成し始めている。イランやシリアなどの背景にはロシアが、イスラエルとスンニ派アラブの軍事同盟の裏には米国の影が見え隠れしている。

 トランプ政権が、「戦略的な攻略目標」として、「北朝鮮」と並んで「イラン(シーア派)」を名指ししていることを忘れるわけにはいかない。日本では北朝鮮危機に比べ、トランプ率いる米国の、中東への露骨な関与についての報道が極端に乏しい。トランプ大統領がアジア歴訪で北朝鮮への制裁・圧力を叫ぶ一方で、これが揺動作戦なのかどうかはともかくとして、中東での危機の高まりは見逃せない。サウジアラビアでの皇太子による汚職摘発名目での王族たちの粛清と財産の没収、レバノン首相の不可解な突然の辞任表明、イエメンによるサウジアラビアへのミサイル攻撃などは、日本でも断片的に報じられてきたものの、大半のメディアは大局的な見地から、それが大掛かりな戦争への準備であることを意図的にかあるいは無知ゆえなのか、報じ、警鐘を鳴らすことを怠り続けている。

 トランプ大統領はかねて大統領選で公約していた通り、12月6日、エルサレムを公式にイスラエルの首都と認めると宣言。パレスチナ自治政府、アラブ諸国の反発を招いたばかりでなく、国連安保理の緊急会合が開かれ、各国から米国への批判が相次ぐなど混乱が広がっている。オスロ合意以降の中東和平は、基本的な路線として、イスラエルとパレスチナという二国家の並存を目標に掲げてきた。エルサレムを一方の首都と認めることで、和平交渉の進展はめどが立たなくなった。トランプのエルサレム宣言で火がついたパレスチナ民衆とイスラエル治安部隊との衝突は、特にガザ地区周辺で激化しつつある。

 2017年11月25日、愛知大学名古屋キャンパスで、同大学国際コミュニケーション学部比較文化学科専門科目 アジア協同体論講座(国際観光学特殊講義)「アジア共同体の平和学・2017年度公開企画 レクチャー&ワークショップ(企画・総合司会担当 鈴木規夫教授) ¯第七回・第八回〈アジア〉における平和の諸条件」が開かれ、前半では板垣雄三・東京大学名誉教授が「世界戦争の予感」と題して、後半では武者小路公秀(むしゃこうじきんひで)・元国連大学副学長が「中国の一路一帯の文明間の和解」と題して講演を行った。

 以下に板垣氏講演の内容を掲載する。

▲板垣雄三・東京大学名誉教授

※岩上安身による板垣雄三氏への単独インタビューを、現在、調整中です。決まり次第、告知します。

記事目次

■ハイライト

  • 講義名
    愛知大学国際コミュニケーション学部比較文化学科専門科目 アジア協同体論講座(国際観光学特殊講義) アジア共同体の平和学・2017年度公開企画 レクチャー&ワークショップ(企画・総合司会 鈴木規夫教授担当) ―第七回・第八回〈アジア〉における平和の諸条件
  • 講演 板垣雄三氏(東京大学名誉教授)、武者小路公秀氏(元国連大学副学長)
  • タイトル 第七回・第八回〈アジア〉における平和の諸条件 ~「世界戦争の予感(仮)」―講師 板垣雄三・東京大学名誉教授ほか
  • 日時 2017年11月25日(土)14:45〜
  • 場所 愛知大学名古屋キャンパス(名古屋市中村区)
  • 共催 アジア共同体論講座、愛知大学国際コミュニケーション学会、規範研究会、愛知大学イスラーム研究会

非常に劣悪な日本のメディア環境が社会を視野狭窄にしている!

 私に与えられたテーマは「世界戦争の予感」という題です。

 我々が実際に自分自身の頭で考え、論理的に組み立て、現実を批判的にとらえる。そういう次元で現在ほど「予感の感覚」が大事な意味を持ってき始めた、そういうことはこれまでにないくらいのことではないかなと、思っております。

 ここには4つの項目を挙げていますが、最後は皆さん自身に考えていただきたい。ということで、3つの項目についてお話しします。(注:講義配布資料参照)

 1つは「グローバル戦略が交錯するDPRK(朝鮮民主主義人民共和国)」。2番目は「世界の現実の捉え方」。3番目が「ことさら、ボタンの掛け違いがはじまったのは、イスラエル国家建設から」。

 1番目の話は、まさしく今月(2017年11月)の話です。参考文献などありませんので、詳しく書きました。

(講義配布資料)
[Ⅰ]グローバル戦略が交錯するDPRK
日本のメディア環境の劣悪/日本社会の視野狭窄/植民支配責任清算or帝国統合力の欠陥
米朝危機の捉え方:「対岸の火事」≠自らに降りかかる破局、「インド・太平洋」戦略の太平楽
■‘17.11前半のトランプ アジア歴訪は、中東での対イランの仕掛け [その不調] と一体である
シリア内戦操作の終末過程・イエメン泥沼 ロシア・イラン・ヒズボッラーの優位
対策:イラン核合意の破壊/パレスチナ問題打開[民族消去]/に向け、レバノン危機の創出
準備:10月米国ユネスコ脱退通告、同月末J・クシュナー[大統領上級顧問]サウジ秘密訪問
実行:サウジアラビア(11.4~)リヤード国際空港にイエメンからミサイル攻撃/サウジ訪問中のレバノン首相サアド・ハリーリーがSATVを通じた辞任表明/ムハンマド・ブン・サルマーン皇太子主導の腐敗撲滅の王族・有力者の粛清・財産没収劇展開/11.9-11仏マクロン大統領の緊急サウジ訪問とハリーリー一族救出劇[.22レバノン帰国]/この間、レバノン国民の団結がイスラエルのレバノン軍事介入やイランとの軍事衝突を防ぐ/.11-14米韓合同軍事演習
結果サウジアラビアの体制危機の進行(一時的効果:富裕投資家の8千億ドルもの金融資産の吸い上げ・米大手メディアへの打撃)、イスラエル・サウジアラビア・エジプト・インド・日本 グループ化、中東[ここでは欧州を加え]と東アジア[ここでは中国を加え]との2焦点(イラン・DPRK)をめぐって操作される戦乱に対処させつつ米の管理を策すマーケティング構図の仄見えと個別アクターの誤作動の危険
■DPRKが中東と結びつく20世紀後半以降の背景
ならず者国家rogue state、テロ支援国state sponsor of terrorism、悪の枢軸Axis of Evil
21世紀「反テロ戦争」下、アフガン・イラク・リビア・シリアでの「レジーム・チェンジ」の観察
ミサイル開発:エジプトからスカッド・ミサイル→DPRK⇒拡散 シリア・イラク・イラン・パキスタン等
1991湾岸戦争後、イスラエル・DPRK間国交樹立・諸協力協定の秘密交渉@北京 米国の横槍で中断し、イスラエルはノルウェーを舞台とする対PLO交渉に転換、オスロ合意に至る
核開発:オランダで核技術に関与したパキスタンの金属工学者アブドルカディール・ハーンの
闇のコネクションを通じウラン濃縮技術の伝達は、イランへは1989-91年に、DPRKへは90年代初めから97年、と見られている。
2002. 9~10年頭アフガン復興支援国際会議の後のピョンヤン宣言の運命 03. 1 NPT脱退
2003. 7.5イラク戦争「戦闘終結宣言」を受け、DPRK核問題の六者会合(6カ国協議)設定

 現在の日本のメディア環境というのは、非常に劣悪です。世界全体で見て、かなりひどい状況ですね。知らされることが非常に限定されている。それから、おかしな方向付けが行われている。その結果、日本社会が視野狭窄になっている。そして植民地支配責任の清算が全くできない。

 19世紀の末から、ことに20世紀に入ったところからその前半、第二次世界大戦にかけて、世界の強大国になっていた帝国主義の国々を見渡すと、いろいろな意味で、かつて植民地支配をしていた場所でのいろいろな問題が清算できていないところはありますけれど、しかしなんとか形が付いている面も広がっている。

 ところが、それがまるっきりうまくいっていないのが日本。これは別の角度から考えますと、「帝国統治力の欠陥」というか、「日本帝国主義」というのがいかにお粗末であったか。そしてその名残が現在まで響いているということでもあると思います。

「どこかで戦争が起きれば景気が良くなるかもしれない」などという、大変な勘違いで米朝危機を見ている者すらある!?

 「世界戦争の予感」というテーマをいただいた段階で、私はすぐ、「パレスチナ問題」ということの意味をお話ししようと考えたのですが、11月に入って次から次へといろんなことが展開しましたので、その話をどうしてもしなきゃいけないと考えたわけです。

 米国と北朝鮮との間の危機という厳しい対抗関係、そして「核戦争をも辞さない」という米朝危機が非常に高まったわけです(注1)。

 日本社会では、「朝鮮半島でまた戦争が起きるんじゃないか、困ったことだ」という感じ方はあるけれど、これが「自分自身に降りかかってくる危険だ」ということは、ほとんど考えない。もっと極端なことを言うと、「どこかで戦争が起きれば景気が良くなるかもしれない」などという、昔の朝鮮戦争特需のような感覚でこの米朝危機を見ている、大変な勘違いをしている者すらある(注2)。

 11月に入ってトランプ大統領がアジア歴訪をしまた。「インド・太平洋戦略」ということで、「米国と日本は同じ方角で協力し合う。日本の外交がうまくいっている」みたいな感覚が広がっていた(注3)。

 実際にはこの11月は「戦争がやりたくてしかたがない人」の画策で、もしかしたら世界核戦争にまでつながるような、そういう新しい戦争が起こったかもしれない時期でした。

 2017年11月前半、トランプ氏のアジア歴訪というのは、決してアジア歴訪だけの話ではなく、中東でのイランに対するある仕掛け、それは不調に終わったわけですが、それと一体であったということを考え直してみる必要があるということです。

中東でロシア、イラン、ヒズッボッラーが台頭〜トランプ大統領はイラン核合意離脱を示唆!?

 我々が「アジア共同体」ということを考えるとき、なんとなく東アジアだけを考える。そういうところでアジアを考えていると、それは大変な問題ではないか。トランプ氏がアジアを回りながらも目を向けていたのは、もっと西であった。

 シリアの内戦が、だいたい決着がつきました(注4)。同時にサウジアラビアが中心になってやっている「イエメン戦争」が、混沌たる状況になっている(注5)。

 中東は全く様変わりして、現在はロシア、イラン、レバノンのヒズボッラー(「神の党」、シリア内戦を終結させる上でも大きな役割を演じた)という政治勢力が、非常に大きな影響力を持つことになった。米国は現在中東では、ほとんど昔の覇権を失ってしまった(注6)。

 そんな中、この10月あたりからいろんなことが動き始めていたわけです。

(…会員ページにつづく)

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「トランプ大統領アジア歴訪の裏でサウジが暗躍!? イスラエルとともにイランを攻撃!? ~板垣雄三東大名誉教授講演「世界戦争の予感」」への2件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    トランプ大統領アジア歴訪の裏でサウジが暗躍⁉︎ イスラエルとともにイランを攻撃!? ~板垣雄三東大名誉教授講演「世界戦争の予感」 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/406188 … @iwakamiyasumi
    日本でほとんど報じられていない中東での危機。偏向報道に惑わされず「現実の」世界を知るためにも読んでおきたい事実。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/939950694940868608

  2. 箒川 兵庫助 より:

    朝鮮特需を肌で知っている人の年齢は70歳以上でしょう。確かに「どこかで戦争が起きれば景気が良くなるかもしれない」と考える人もいるでしょうが70歳以上でしょう。そうするとIWJの記事は若い人受けではないと思うのですがいかがでしょうか。
     しかし一般に米朝開戦はありません。韓国在住の米軍兵士家族が福岡などに退避するには大規模な移動労力が必要で,北朝鮮に感づかれるでしょう。グアムやサイパンに避難すれば中ロが非開戦介入に動くでしょう。小生は戦争で景気が良くなるとは思いませんが,米朝開戦になればそれは舞台限定戦争の始まりであり,朝鮮半島および日本列島が戦場になり,数百万単位で死傷者が出るのでしょう。しかし米軍参謀本部は開戦に反対で部下を死なせたくないはずです。
     米朝戦争が起こるとすればネオコンが一部の米軍人らを扇動して攻撃を始めさせる場合です。しかし米軍参謀本部は開戦に反対ですから,素早く調査の上,関係者を取り押さえるでしょう。かくして米朝開戦は拡大しない。直ちに収束するはずです。

     シリアは「内戦」ではありません。アメリカの侵略戦争です。
     ロシア軍将校も命を失っていますが,英米イスラエルの軍事顧問団の一部も殲滅されています。ロシア宇宙航空軍は昨年12月2度めの(早期)撤退をしました。プーチン大統領は、休養を兼ねて砂漠の気候で戦える軍人やロジスティック担当軍人の訓練・交代を早期にやったわけです。一度目はP.C.ロバーツ氏らの批判を浴びましたが,ISISが排除された今となっては早期休養は功を奏したわけです。プーチン・ショイグ国防相らの計画の勝利です。
     シリアには米軍が13個の基地を造って現地クルド人を反アサド軍にしたてようとしています。しかしプーチン氏はクルド人らが反政府行動を起こせば第三次ロシア宇宙航空軍が介入して米・クルド軍を殲滅するでしょう。
     他方中国軍はテロ根絶の目的でシリア政府の承認を得て精鋭部隊をシリアに派遣しました。中国は西の方ウルムチへ入らんとするテロリスト(シリアのISIS)を殲滅するらしいのです。かくしてロシアが2つの基地を拡充し,中国が部隊をシリアに展開・駐屯させれば,米英仏イスラエルの特殊部隊は活動不能になるでしょう。
     それは60兆ドルの軍事予算を組んだトランプの「予算未消化」に貢献するでしょう。ウクライナに送られる予定の米加の武器はシリアやイエメンやアフガニスタンに再輸出されるでしょうが、ルガンスク2州軍に差し押さえられる可能性が強いでしょう。いつまでもロシアが覇権を失った米国に気兼ねするとは思われないのです。
     問題はイスラエルのパレスティナ人浄化でしょう。イスラエルは,イラクのバルザニのクルド人を支援し,カタルニアの独立派の一部にも金を与え,パレスティナ自治政府を支持するスペイン中央政府を揺さぶろうとしています。
     トランプは中東訪問の時,嘆きの壁で何を考えたのか知りませんが,イスラエルはエルサレム首都大使館移転に国連で反対した129か国の政府を不安定にするでしょう。
     シリアが再建されて国力を十分蓄えるまでイスラエルには手を出せませんが,不法に占領されたゴラン高原をいつかは取り戻すはずです。他方現在,イランは武器販売商人トランプの攻撃目標になっていますが,これも米朝関係と同じです。バカブッシュの悪の枢軸の一つですから,米朝で戦争が起こらず,米イランで戦争が起こるとは考えられません。しかもイランはロシアの生命線ですから,イランが親米に代われば韓国のTHAAD配備ではありませんが,イランにロシア向けTHAAD基地ができてはたまったものではありませんので,ロシアはイランを守るはずです。
     したがって地域限定の戦争は起こらないと小生は予想しています。中南米やアフリカはよく分からないので論じませんが,トランプは武器を売るという商売が成り立てばいいのです。膨大な軍事予算は「未消化」になるはずです。それはひいては米国の財政赤字削減に寄与すると考えます。
     トランプは中東訪問でサウジにも武器を売りましたが,サウジはロシアからS-400を購入する予定だとか。インドも米国から武器を購入したがロシアからも航空爆弾を買う予定だとか。
     要するに,米ロ・フランスなどの武器が訪問外交で売れるわけです。本格的戦争にならないように,トランプは59発のトマホークをシリアの空軍基地に発射しましましたが,23発が撃ち落とされたとか。また命中したとしても大した損害を与えなかったとか。アフガニスタンには「爆弾の母」を落としました。値段は共に1.6億ドル。計100億ドルの発射。発射ボタンが北朝鮮のより大きいのではなくて,トランプは「一物」が正恩のそれより大きいといったのでしょう。
     以上のようにトランプの演技=performanceは大袈裟です。ツイッターでの発言も人を惑わすもので,大したことはないと小生は考えております。ただイスラエルが129か国に対して報復をすることを考えているでしょう。それが世界を不安定化させるでしょう。これを止める必要があると思います。

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