2012/10/19 大阪エネルギー戦略会議メンバー自主会合

記事公開日:2012.10.19
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 2012年10月19日(金)19時より、東京都千代田区のLEC東京リーガルマインド水道橋本校で、「大阪エネルギー戦略会議メンバー自主会合」が行われた。大阪府市エネルギー戦略会議のこれまでの経緯、自主会合開催の理由、現在の議論に関する報告が行われた。

■参加者 植田 和弘氏(京都大学大学院経済学研究科教授) 古賀 茂明氏(元経済産業省大臣官房付) 飯田 哲也氏(認定特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所所長) 大島 堅一氏(立命館大学国際関係学部 教授) 長尾 年恭氏(東海大学海洋研究所地震予知研究センター長) 圓尾 雅則氏(SMBC日興証券株式会社 マネージングディレクター) 司会・大林ミカ氏(自然エネルギー財団) 

 まず古賀氏から自主会合開催理由について、「大阪府市エネルギー戦略会議は、地方自治法による付属機関という位置づけになり、条例を通して設置しない場合、違法と疑われる可能性が指摘された。そのため、府市において条例が可決されるまで、議論を自主的に進め、戦略会議が再開された時に提言ができる準備をする必要がある、ということで開催しており、今回で2回目である」と説明があった。

 植田氏は「日本のエネルギー政策が袋小路に陥り、今後の展開に難しい状況が出てきた。これは、エネルギー政策が国策としてだけ進められてきたため、安全保障問題に縛られていることが要因」と話した。今後については、「エネルギー問題は、原子力発電所立地の点から地方の問題となったが、立地のみならずエネルギー、発電の技術自体の分散、あるいは地域資源を活用した小規模発電といった観点で進め、それらをネットワーク化し、大規模なものにする必要性がある」と指摘した。その上で、「大阪府市がエネルギー政策問題に取り組むわけは、日本のエネルギー政策転換の鍵となる自治体が、自治体版エネルギー基本計画をきちんと作り、これを日本の電力システム改革と結びつけていくためである」と説明した。

 一方飯田氏は、脱原発に関するシナリオを提示した。「原子力発電所の再稼働を検討するには、安全性の観点から最低2.5年は必要である。この期間に使用済み燃料がどれだけ排出されるのか、それをどこに中間貯蔵するのか、について、合意形成する必要がある。また、燃料費の問題により、電力会社の財務問題が発生することから、リストラへの取り組みや料金値上げに関して政治的に議論することが必要」と指摘した。これらに加え、「廃炉コスト、安全のための改造工事コスト、損害賠償の保険料コストなどのコストアップを考慮した原発再稼働の議論を行い、最終的にいつまで稼働させるかを決定することが必要。国は原発をいつまでに止めるという議論しかしないが、戦略会議では詳細に課題を抽出し、その政策オプションとして何があるかまで議論する」と話した。

 古賀氏は、使用済み核燃料の問題について、日本学術会議の提言を紹介した。学術会議では、「今の世界の科学技術の水準からいうと、地層処分を安全に実行できるかどうか疑問がある」と結論を出したことから、「これまで国が進めてきた地層処分の前提が崩れた」と説明した。また、学術会議では「地層処分ができないなら、無責任に使用済み核燃料を増やすべきではない」という意見が出ているという。「総量規制を提案しているが、それで何年原発が稼働可能かが決まる。こうした重要な提言がでているにもかかわらず、国はそれを取り上げての議論を進めていない」と指摘した。【IWJテキストスタッフ・花山/澤邉】

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