南スーダン駆け付け警護「自衛隊はどの程度何をやり、どういうときに引き上げるのか」徹底した議論の不足を元内閣官房副長官補・柳澤協二氏らが指摘――NPO国際地政学研究所・シンポジウム 2016.11.6

記事公開日:2016.11.13取材地: テキスト動画
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(取材・文:青木浩文)

 2016年11月6日、NPO国際地政学研究所(IGIJ)の主催でシンポジウムが開催された。慶応義塾大学教授である添谷芳秀氏による「ミドルパワー外交再考―『吉田路線』と『安倍路線』の比較から―」と題した基調講演に続き、政策研究大学院大学教授である道下徳成氏、元内閣官房副長官補でIGIJ理事長である柳澤協二氏らを加えてパネル討論が行われた。

■ハイライト

  • テーマ「ミドルパワー外交論再考 ―『吉田路線』と『安倍路線』の比較から―」
  • 挨拶・趣旨説明 柳澤協二氏(国際地政学研究所理事長)
  • 基調講演 添谷芳秀氏(慶應義塾大学教授)
  • コメント・議論 添谷芳秀氏/道下徳成氏(政策研究大学院大学教授)/柳澤協二氏
  • タイトル 国際地政学研究所2016年シンポジウム「ミドルパワー戦略」
  • 日時 2016年11月6日(日)13:00〜16:30
  • 場所 アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区
  • 主催 国際地政学研究所

 添谷氏が提唱する「ミドルパワー外交」とは、国際秩序を構成する力として今日でも軍事力が不可欠であることを認めた上で、日本はそのゲームに参加しないことを宣言すること、また、アジアの中で台頭する中国と同じレベルで競い合うのではなく、他のアジア太平洋諸国と連帯するという視点から長期の戦略を構想すべき、というもの。

 添谷氏は講演の中で、南スーダンにおける自衛隊の駆け付け警護の問題などに触れ、「(現在の安保法制によって)特措法は不要となり、国会の承認は必要だが、閣議決定で自衛隊を派遣できるようになった」と解説した。

▲慶応義塾大学教授・添谷芳秀氏

▲慶応義塾大学教授・添谷芳秀氏

 その上で、添谷氏は「ミドルパワー外交において国政平和協力は極めて重要な領域」と認めながらも、「これまで日本ができることをとにかく拡大するという力学で動いてきた。よって、そこには自衛隊がどの程度何をやるのか、どういうときに引き上げるのかというオプションがない」と指摘。

 「ドイツはすでにNATOの一因としてアフガニスタンで50人以上の戦死者を出している」などの事例を上げ、日本ではこのような重大な問題について、国民的、政治の場での議論が徹底的に不足しているなどと指摘した。

 IWJでは、内紛の続く南スーダンの情勢について以下の記事でまとめている。

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