【岩上安身のツイ録】日本最速ボクシング世界王者「怪物」井上尚弥から目が離せない! 自らの拳も破壊する強力な「パンチ力」と完璧な「テクニック」はアリ、レナード以来の衝撃! 2016.2.4

記事公開日:2016.1.27 テキスト
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※2016年1月27日付けのツイートを並べて掲載しています。

 実は、世間には内緒にしてきたのだが、僕は今、すっかりボクシングにはまっている。ボクシングを見るのは昔から好きだし、やるのも好き。今日も屋上でちょろっと練習。今、夢中になっているのは井上尚弥選手。今さらなのだが、一度もツィートしてないので、つぶやいてみる。凄い、物凄い選手である。

 今、日本には8人もの世界チャンピオンがひしめく盛況ぶり。なかには、バンタム級で敵無しの”神の左”山中慎介選手、スーパーフェザー級で通常の世界王者より上位のスーパーチャンピオンの称号を得た”KOダイナマイト”内山高志選手のような、日本ボクシング史を塗り替える強豪も。

 他にも素晴らしい選手がたくさんいるが、井上尚弥選手は、何かが違う。まず、偏りがない。得意なパンチが、右なら右だけ、フックならフックだけ、という選手ではない。ジャブもいい、右ストレートも打ち下ろしもいい、左フックもアッパーもダブル、トリプルで打てる。

 上だけではない。ボディーがうまい、強い。ボディブローで何人ノックアウトしたか。右ストレートをみぞおちに、左フックをレバーに。約1年前、生涯に一度もダウンしたことがない伝説の王者ナルバエスに挑戦し、2Rの間に4回もダウンさせKOしたが、フィニッシュは左のレバーだった。

 パンチ力がありすぎて、右拳を痛め、一年間のブランクをおいて一ヶ月前の2015年末、パレナスとの初防衛戦。2Rで倒したが、最初のダウンが凄い。相手がブロックしている上から右ストレートを叩き込んで、ロープに吹っ飛ばしてダウン。軽量級でそんなパンチは見たことがない。

 こう書いていくと、パワーファイターのイメージだが、パッと見にはそうはまず見えない。スタイルはオーソドックス。パーフェクトに近いディフェス、フットワーク、基本に忠実なジャブからの攻防。アウトボクシングもインファイトもできる、ボクサーファイター。パワーを備えたテクニシャン。

 そして、ボクシングが極めてクレバー。3つ、4つと重ねるコンビネーション。攻防の組み立てが自在で、何が起きたのか、一回見ただけではよく理解できない。何度も見返して、やっと組み立てが理解できる。実際、彼の試合はYouTubeで何十回も見返している。飽きないし、発見がある。

 毎日、どうしても試合のビデオを見返したくなるのだ。こんなボクサーは、初めてである。まだ22歳、9戦9勝。6戦目で当時日本で最速の世界王座奪取(ライトフライ級)、減量に苦しみ、一気に二階級もあげてスーパーフライ級で爆発的な力を発揮している。世界最速の二階級制覇。

 フライ級にはパウンドフォーパウンドで世界最強にカウントされることもあるとてつもなく強い王者、ローマン・ゴンザレスがいる。井岡も亀田も対戦を避けたと言われる選手である。このロマゴンとは、階級が一つ違うが、ぜひとも対戦を見てみたい。井上ならやれるのではないか?

 弱い選手を選んでマッチメイクして、無様な試合をやり、不可解な判定で勝つ、そういうタイトルマッチを恥ずかしげもなくやって、世間ももてはやす。そんな茶番に本当に嫌気がさし、ボクシングをまったく見なくなった時期があった。井上尚弥選手は、そうした鬱憤をすべて吹き飛ばす。

 ボクシングの試合の多くは、終わってみれば、フィニッシュのシーンだけ見返せば十分なのがほとんど。結末に至る過程まで繰り返し見たいとは普通は思わない。初めから終わりまで夢中になれる選手は、アリ、レナード以来。伝説に挑戦し、自らがレジェンドになってもらいたいと思う。

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