「かつて文化芸術が戦意高揚のために使われ、多くの芸術家が弾圧され、投獄された」 〜589名の演劇人・舞台表現者が「安保法制と安倍政権の暴走を許さない!」 2015.9.9

記事公開日:2015.9.16取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

特集 安保法制|特集 安保法制反対メッセージ
※9月16日テキストを追加しました!

 「安倍政権は、数の力で国民をなめているとしか思えない。来年の参院選になれば(国民は)忘れるだろう、との発言も聞く。黙っているわけにはいかない」──。

 2015年9月9日、東京都新宿区の文学座アトリエで、「安保法制と安倍政権の暴走を許さない演劇人・舞台表現者の会」による記者会見が行われた。今年5月に、演劇人が安保体制打破新劇人会議として声明を発表したことに舞台関係者も続き、呼びかけ人40名、賛同者589名、一般人289名、41団体(9月7日現在)で安保法制反対の声明を発表した。

 その声明には、「私たちはかつて、文化芸術が戦意高揚のために使われ、多くの芸術家が戦禍に倒れ、弾圧され、投獄された痛苦な経験を持っています。その深い反省から、舞台芸術にかかわる私たちは、安保関連法制法案に断固反対します」との思いが込められている。

 作曲家の池辺晋一郎氏は、「ワイマール憲法に学べ」(麻生太郎氏)、「八紘一宇」(三原じゅん子氏)、「自衛隊を我が軍に」(安倍晋三氏)などの言葉の裏には、軍国主義的な、国に対する滅私奉公を押しつける魂胆が見え隠れすると指摘した。

 文化座主宰の佐々木愛氏は、「戦時中、表現の自由を奪われ、戦後はGHQの支配下で言論統制に苦しめられた。表現の自由を奪われることだけは、絶対にあってはならない」と決意を話した。

記事目次

■ハイライト

文化芸術が戦意高揚のために使われた過去

 はじめに、呼びかけ人の演出家、西川信廣氏が、演劇人・舞台表現者の会として声明を発表するに至った経緯を、以下のように説明した。

 「2015年5月13日、日本新劇製作者協会、全国演劇鑑賞団体連絡会、全国児童青少年演劇協議会、新劇俳優協会らが、安保体制打破新劇人会議として声明を発表、6月13日に記者会見を行なった。それにならい、舞台関係者でも何かできないかと賛同者を募った。呼びかけ人40名、賛同者589名、一般人289名、41団体が集まった(9月7日現在)」

 次に、佐々木愛氏が、安保法制と安倍政権の暴走を許さない演劇人・舞台表現者の会の声明を読み上げた。

 「私たちは、安保法制関連法案に反対です。私たちは、安倍政権の暴走を許しません。

 ほとんどの憲法学者が違憲とし、多くの国民が反対し、説明も十分でない安保法案を、安倍首相は今国会で強引に成立させようとしています。

 この行為は立憲主義と民主主義の破壊です。私たちはこの暴挙を許しません。

 また、この法案は、政府が戦争と言わない派兵・出動をもって、国民を戦争状態に追いやり、国際平和と国民の生命を危険にさらす極めて高い可能性を有する法案です。私たちはかつて、文化芸術が戦意高揚のために使われ、多くの芸術家が戦禍に倒れ、弾圧され、投獄された痛苦な経験を持っています。

 その深い反省から、舞台芸術にかかわる私たちは、安保関連法制法案に断固反対します。

 また、この間の国民の意思に反した安倍政権の『暴走』を許すことはできません。選挙で多くの議席を得ているからと言って、国民は安倍首相と政権に、憲法に反する法案を成立させる委任をしたわけではありません。

 私たちは、表現のジャンルを超えて、安倍首相と安倍政権の『暴走』に断固反対の意思を表明し、憲法に基づき、国会が徹底審議をつくして、安保法案を廃案とすることを強く求めます」

数の力で国民をなめているとしか思えない

(…会員ページにつづく)

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