西川一誠・福井県知事と田中俊一・規制委員会委員長の面会 2015.8.20

記事公開日:2015.8.20取材地: テキスト動画
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 2015年8月20日(木)13時30分から全国知事会原子力発電対策特別委員会委員長 西川 一誠(にしかわ いっせい)福島県知事が田中俊一原子力規制委員会委員長と面会、全国知事会で取りまとめた提言について進言した。

■全編動画

  • 面会 西川一誠氏(福井県知事、全国知事会原子力発電対策特別委員会委員長)、田中俊一氏(原子力規制委員会委員長)
  • 日時 2015年8月20日(木) 13:30~
  • 場所 原子力規制委員会(東京都港区)

審査に時間がかかりすぎだと苦言

 全国知事会原子力発電対策特別委員会委員長 西川 一誠(にしかわ いっせい)氏は知事会でとりまとめた、(1)東京電力福島第一原子力発電所事故への対策、(2)原子力施設の安全対策、(3)原子力防災対策・体制の三点を提言した。

 その上で、資源エネルギー庁が示すエネルギーミックスからも原子力は重要なエネルギーだという国の方針に則り、規制当局からの有効な安全性を求めた。

 原子力規制庁に対しては、新規性基準の適合性審査に時間がかかりすぎていると苦言、審査のスピードアップを要請した。規制庁の意思決定の仕組みについても改善も求めた。例えば破砕帯調査の有識者会合など、限られた有識者の意見に左右されやすいと指摘、事業者や立地自治体とのコミュニケーションも不足していると指摘した。

 田中俊一原子力規制委員会委員長は、福島第一原発は重要な課題で全力を挙げて取り組んでおり、また安全規制は一番の課題であると返答。福島の事故で失った国民を信頼をいかに取り戻せるかが重要で、そのため規制委の意思決定の場も、できるだけ公開の場で行い、透明性を持たせていると答えた。

防災指針にSPEEDIの活用を要望

 西川氏は原子力防災対策避難計画に、SPEEDIによる予測対策も必要だと訴えた。

 田中委員長は、SPEEDIの予測結果はわずかな風向きでも変わってしまうと言う。SPEEDIだけでなく他のシミュレーションもあり、それらも活用してはどうかと答えた。

 その上で、シミュレーションによる予測を行えば、災害時の被ばくを0(ゼロ)にできるわけではない、できるだけ少なくするという観点で防災指針は作られていると念押しした。

国民の理解が進んでいない。説明方法が課題だと意見

 西川氏は、原発に対する国民の理解が進んでいない、合格したプラントの安全性を、国民が明確に科学的に判断できるような仕組みが必要と訴えた。

 田中委員長は規制判断の理解は難しいと答える。単純に安全だとは言えないため、国民への説明の仕方が大きな課題だと答えた。つまり、国民の理解を得る事、それが今後の原子力政策に重要だという考えを示した。

 以下、全国知事会ホームページより、リンクを表示

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