【緊急アップ!】山口二郎氏「安倍が自由を滅ぼすか、我々が安倍を倒すかの闘いだ」SEALDs主催の国会前抗議で2500人が反対の声 2015.6.26

記事公開日:2015.6.27取材地: テキスト動画
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(取材:沼沢純矢、写真:原佑介、記事:原佑介・佐々木隼也)

 「これから3カ月、まだ闘いは続きます。私たちは安倍が自由を滅ぼすか、我々が安倍を倒すか、という闘いをしなければなりません」——。

 政治学者の山口二郎・法政大学教授が国会前でマイクを握り、怒りを込めた。2015年6月26日、学生を中心とした有志からなる「SEALDs(シールズ)」主催による「戦争立法」反対抗議は4回目をむかえた。雨は、前回の抗議よりも強く降っていたにも関わらず、前回と同じ2500人の市民が集まった。

▲国会前には2500人の市民が駆け付けシュプレヒコールを上げた

 ここへきて安倍政権による言論への圧力が勢いを増している。25日には、自民党の若手議員ら主催の勉強会で、議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」などの意見が噴出。講師に招かれた作家の百田尚樹氏も、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」などと言論弾圧を呼びかけた。

 スーツを濡らしながらスピーチに立った山口二郎氏は、この勉強会での発言に触れ、「自由も民主主義も憲法も、何も分かっていないやつらがこの国会議事堂の中に大勢いる」と痛烈に批判。「国会の中の議会政治が崩壊した今、外側で私たちが民主主義を守るしかありません」と語った。

 「今、国会の中はたしかに数において劣勢です。しかし多数を握っている彼らは、論理なし、心なし、言葉なし、ただ頭数がいるだけです。歴史を振り返れば、劣勢な側が、人々を説得し、価値観を示し、そして多数になって新しいルールを作ったという事例が、たくさんあります」

 米国の公民権運動を例に出し、少数派がやがて世論の支持を得た歴史を振り返った山口氏は、「私たちには言葉があります。そして人間の生命と、人間の尊厳を、大事にしようという心があります。あんな頭からっぽの政治家なんかに、負けるはずはありません」と、強い口調で訴えた。

※山口二郎氏のスピーチ全文を掲載しました。

■ハイライト

  • スピーチ 廣渡清吾氏(専修大学教授、東京大学名誉教授、元日本学術会議会長、ドイツ法)/中野晃一氏(上智大学教授、政治学)/大沢真理氏(東京大学教授、社会政策)/山口二郎氏(法政大学教授、立憲デモクラシーの会共同代表、政治学)
  • 日時 2015年6月26日(金)19:30〜21:00過ぎ
  • 場所 国会議事堂正門前北庭側(東京・永田町)
  • 主催 SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)

【参加者インタビューの動画記事はこちら】

中野晃一氏「平時でも権力暴走させる人たちが、戦争の時に国民の安全を守れるわけがない」

 他にも、抗議には多くの学者・専門家が駆けつけた。上智大学国際教養学部教授の中野晃一氏は、「平和な時でもここまで国家権力を暴走させてしまっている人たちが、戦争のときに国民の安全を守れるわけがない」と断じ、「彼らの関心は、権力を強めることであって、国家権力の威光を輝かせるということを考えているだけ。国民のことは考えていない」と批判した。

 そのうえで「憲法を守って、初めて国民の安全が守れる。長丁場になるが、我々は負けない。なぜなら、我々一人ひとりが自分たちや他の人たちの幸せ、平和、繁栄を考えているからであって、彼ら(安倍政権)に説教される覚えはない」と喝破した。

スピーチをする中野晃一氏

 また 前・日本学術会議会長で法学者の広渡清吾氏は、安倍政権による96日間の国会会期延長(※)は、国民の世論がそうさせたと語った。

 「今やどの新聞の世論調査でも、戦争法案に反対する国民の声は多数になった。もし、いま9条改正の国民投票が行われれば、完全に否定されるだろう。9条を守る国民の声は、大きく国会と自民党を取り巻いている」

(※)安倍政権は本来の会期末である6月24日までに、安保法案を成立させることができなかった。米議会演説で「この夏までの成立」を勝手に約束した安倍総理は、何としてでも今国会中に成立させるべく、過去最長の95日間の会期延長を決定した。

山口二郎氏スピーチ全文書き起こし

(…会員ページにつづく)

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「【緊急アップ!】山口二郎氏「安倍が自由を滅ぼすか、我々が安倍を倒すかの闘いだ」SEALDs主催の国会前抗議で2500人が反対の声」への5件のフィードバック

  1. 片山泰都 より:

    昨日、国会中継を視聴しました。維新の党 太田和美議員の質問の時、首相は数秒間苦悶の表情を浮かべました。橋下大阪市長との会談により、維新の党の政権寄りを期待したいたのに、当てが外れた事が影響しているかも知れません。太田議員は、「26(27かも?)年版防衛白書で日本語では「我が国の防衛」と記述されているのに、英語版では単に「防衛」となっている」、これは国民を欺く事だと追及しました。「平和安全法制整備法案」、「積極的平和主義」も、同様に国民を欺くための名称。「我々日本国民は、幼稚園生レベルではない。ふざけるな!」と強く主張、アピールしなければなりません。

  2. あのねあのね より:

     安部晋三首相の一味である百田氏が“本音”を漏らした自民党内での“若手有志”の会合は、自民党執行部の意に沿ったものである。それは自民党の政策に批判的な小林よしのり氏を招いた勉強会を中止させたこともからハッキリしている。百田発言を首相や幹事長が火消しに回っているが、実は本音であり本心なのはいままでの経緯と戦争法案可決に対する“意気込み”で明らかだ。
     若者を戦場に送るのはどうやらすでに決まっているようで、それは竹中平蔵氏を介してつながっている維新の党の橋下氏の発言でも明らかだ。今回の百田発言に関しても、何故か大阪維新の松井府知事か擁護発言をしている。橋下氏と安倍氏が最近直接会ったように、自民党と維新の会は戦争法案に関しては共通の目的が有るとしか結論付けられない。
     徴兵制云々についても以前から発言する国会議員がいたが、やはりというべきか志が同じ橋下氏と同じ党を作った。この国会議員は米国のヘリテイジ財団へ行ってから日中関係を悪化させる“尖閣買取宣言”をした。安倍首相も米国へ行って戦争法案成立の約束をしたので、徴兵制や戦争法案も“米国の意思”のようである。米国の意思を忠実に実行する安倍首相は、自らのキャッチフレーズとは裏腹に戦後レジウムの総仕上げしているだけである。
     インタビューで答えた若者の発言には「武士として」と有ったがそれは間違いで、足軽として米国の先兵として前線で殺されるための戦争法案だという認識を持つべきだ。ハガキ一枚の地獄への片道切符がやってくるのだ。それは大学生にも及び、文科系から始まるが、その文科系すら廃止しようとしているのは戦争法案と大いに関係していると思う。

  3. 橋田 妙子 より:

    安部さんの日本を私物化する考え方は許せない。
    憲法9条を無視し、自衛隊海外派遣許すな?

  4. 田中淑恵 より:

    岸信介が首相になったのは、首相の座を争った言論人石橋湛山が3ヶ月で病に倒れたからです。①湛山が病気にならなかったら、②佐藤春夫が舟橋聖一に屈服して石原慎太郎に芥川賞をやらなかったら、③浅沼稲次郎が日比谷公会堂で右翼少年に暗殺されなかったら、これほどひどい日本にはなてなかったのではないか? とずっと考え続けてています。

  5. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    山口二郎氏「安倍が自由を滅ぼすか、我々が安倍を倒すかの闘いをしなければならない」SEALDs主催の国会前抗議で2500人が反対の声 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250698 … @iwakamiyasumi
    胸を打つ山口氏のスピーチ。僕や、あなたの気持ちを代弁している。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/614543439183491072

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