東日本大震災から4年、廣瀬直己社長ら「安全最優先」「被災者に寄り添う」ことを強調、失った信頼を取り戻せるのか~東京電力、黙祷と役員訓示 2015.3.11

記事公開日:2015.3.11取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2015年3月11日14時46分、東京電力福島第一原子力発電所の免震重要棟緊急時対策室にて、黙祷と役員訓示が行われ、その後役員ぶら下がり取材が行われた。廣瀬直己社長は、安全最優先で、被災者に寄り添い、次の世代へ引き継ぐ復興と廃炉工程に社員の力を合わせることを期待すると鼓舞し、訓示を締めくくった。

■黙祷と訓示

■囲み取材

廣瀬社長「被災者に寄り添い、同じ方向を向いて復興支援を」

 2015年3月11日、14時46分、東日本大震災から4年が経つ日の同時刻に、福島第一原子力発電所免震重要棟内の緊急時対策室にて、1分間の黙祷が行われた。続いて、廣瀬直己代表執行役社長と、石崎芳行福島復興本社代表による訓示が行われた。この様子は東電のTV会議システムを通して全拠点に中継されている。

 廣瀬社長は、訓示で、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し完了等、この一年で進捗があったのは、みなさんのおかげだと感謝の意を表した。

 1月に人身事故が続いたことから、改めてとして、安全を最優先にすることを強調。被災者に寄り添い、同じ方向を向いて仕事を進める時期に来ていると話した。こうしたことの積み重ねで信頼を取り戻したい考えだ。

 続いて石崎代表は、社員も協力企業の社員もがんばっていると感謝の意を表し、「みんながんばって1Fを応援している」と激励。廃炉工程は30年40年かかるとみられていることから、「私たちの代では終わらない」しかし、「決してひるむことはない」と決意を表した。

 廣瀬社長は社員に「これからも力を合わせてがんばっていきましょう」と呼びかけ、石崎代表は「みなさんの力が必要です。是非みなさんの力でがんばりましょう」と、社内へ鼓舞し、訓示を締めくくった。

外洋への影響はコントロールされているという意味でのアンダーコントロール状態

 続いてぶら下がり取材が行われた。

 柏崎刈羽原発の再稼働について質問を受けた廣瀬社長は、「国のエネルギー政策を見守る」と判断を避けた。

 続けて、「これから再稼働に進めるかどうかは当然、新潟のみなさんとのご理解も必要だと思っています。まだそれはこれからのプロセスだと思っています」と再稼働するとしても多くの時間を要することを匂わせると共に、安全対策に終わりはないと、安全を追求する姿勢を見せた。

 排水路から放射能が海洋へ流出したことから、安倍首相のアンダーコントロール発言について記者が質問。廣瀬社長は雨水が漏れていても、外洋への影響はコントロールされているという意味でアンダーコントロールの状態だという考えを示した。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です