未来のエネルギーはどれ?「選択肢」に関する政府との意見交換会 2012.7.19

記事公開日:2012.7.19取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・角田/澤邉)

 2012年7月19日(木)、今後の日本の原発問題の指針となる「エネルギー・環境に関する選択肢」についての意見交換会が、NGO団体などの呼びかけにより衆議院第一議員会館で開催された。国家戦略室が作成し、当日発表したのは、原発依存度の低減に向けた3つの選択肢。

■全編動画

  • 内容 (司会・丸子安子/みんなで決めよう!「原発」都民投票&国民投票)
    1 政府から「エネルギー選択肢」について説明・質疑応答
    2 NGOと参加者からの意見表明と意見交換
     1)国民的議論のあり方 高田久代氏(国際環境NGO グリーンピース・ジャパン)
     2)省エネルギーの可能性 平田仁子氏(気候ネットワーク)
     3)自然エネルギーの可能性 船津寛和氏(ISEP 環境エネルギー政策研究所)
     4)使用済み核燃料サイクル政策について 西尾獏氏(原子力資料情報室)
    まとめ:吉田明子氏(国際環境NGO FoE JAPAN)
  • 日時 2012年7月19日(木)
  • 場所 衆議院第一議員会館(東京都千代田区)

 「選択肢」を解説したのは、国家戦略室の清水康弘審議官。「原発からグリーンへ」を大きなテーマとし、資料「エネルギー・環境に関する選択肢」で、原発ゼロシナリオ、原発依存度15%シナリオ、20~25%シナリオの3つの選択肢を挙げ、それぞれの問題点や、原発の依存度低減における考え方、今後の進め方などを述べた。

 続いて、国家戦略室の「選択肢」を受ける形で、環境団体やNGO団体から、エネルギー問題についての対応策が発表された。NGO/NPO・気候ネットワークは、「原発ゼロの実現のためなら、もっと省エネをする」をモットーに、エネルギーの無駄について触れ、温室効果ガス25%削減も行いながらの可能な省エネ対策を提案したほか、原発に依存しない社会は経済負担が重くなるという前提の各シナリオに異議を唱えた。

特定非営利活動法人の環境エネルギー政策研究所は、風力、地熱、太陽光などの再生可能エネルギーのメリットと実現性を解説。「日本の電力システムの改革も必要」という意見も加えた。

原子力委員会に対して諮問している原子力資料情報室は、「選択肢」によって核燃料の再処理・直接処分の割合が異なることを述べた。

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンからは、「国民的議論のために募っているパブリックコメントは数万件に及ぶはずだが、ぜひそれらを公開してほしい。清水審議官が、数よりも内容を重視、としたパブリックコメントは、どのように精査するのか」「それらをもとにして8月中に『選択肢』を決定するのは不可能では」などの質問が挙がった。

社民党党首の福島みずほ氏は、資料にある「15%シナリオは、原発新規建設を否定するものではない誘導するもの」と発言。

一般参加者からも、「パブリックコメントの認知度が低いのでは?」「多様な意見を求めることは、選択肢を増やすということ?」「ゼロシナリオとは、今すぐ原発ゼロにしてほしいという声を反映しているのか」など、厳しい口調で質問が寄せられた。

 多くの質問に対し、清水審議官は、「パブリックコメントなどの情報公開や、今回の質問の回答は、どのような形で行うのかも含めて、事務局と決めたいと思う」と述べるに留まった。

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