【岩上安身のツイ録】説明責任から逃れるために69歳県議が全力疾走 政務活動費問題で「モーニングバード!」で岩上安身がコメント 2014.9.29

記事公開日:2014.9.29 テキスト
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 9月23日(火)朝8時から、テレビ朝日「モーニングバード!」に出演しました。

 スタジオでは、兵庫県議が報道陣から「全力疾走」して逃走を試みたニュースが取り上げられました。県議には政務活動費に関する領収書偽造の疑いが持たれています。

 そのほか、自転車が歩行者を巻き込む交通事故の話題、砂利を掘り過ぎた結果、付近の県道が崩落の危機にあるというニュース、千葉県富津市が財政破綻の一歩手前にあるというニュース、そして東京湾に浮かぶ、「ラピュタの島」のニュースについてもコメントしました。

県議が全力疾走:説明責任から逃れるために

 野々村竜太郎県議(当時)の「号泣」記者会見で、にわかに注目を集めた地方議員の政務活動費の問題。その後、野々村議員のほかにも、政務活動費の不適切な支出をしていた議員がいたことが次々に明らかとなっています。

 兵庫県議会の各会派では、所属議員の政務活動費の使途について調査を続けていましたが、9月10日の時点で、全会派で不適切な支出があったことが明らかとなっています。不適切な支出に関わった議員は、少なくとも10数人に上るとみられています。

 これまで、加茂忍県議(62、自民党)が夫婦旅行の宿泊代など約6万8000円や、バリ島で購入した絵画代1万6000円を、政務活動費から支出したことが分かっています。

 また、岩谷英雄県議(69、自民党)は、切手購入費に121万円を支出したことが明らかとなっているほか、領収書偽造の疑いも持たれています。「市民オンブズマン兵庫」によれば、「約22回にわたって43万円ぐらい茶菓子を(ある業者から)購入したが、(その業者は)領収書は一度も自分で書いたことがない」ということです。領収書をどうしたかというと、「岩谷議員の事務員が宛先、金額、それから日付等を全部書いた」のだそうです。

 これを問題視した、兵庫県内の市民オンブズマンは8月29日、加茂県議と岩谷県議への告発状を兵庫県警に提出します。詐欺と虚偽公文書作成・同行使の疑いがあるためです。県警は「受理するかどうか慎重に検討する」と対応しているとのことです。

 兵庫県議会では9月22日、政務活動費に関する条例改正案が可決されました。この改正により、政務活動費の交付額は、現在の1人あたり月額50万円から45万円に減額されます。また、これまでの前払い方式が、毎月ごとの清算払い方式へと変更。使用分の領収書を提出し、会派と議会事務局の審査を通過した分だけが交付されることになります。

 この決議があった議会の終了後、岩谷県議のもとに報道関係者が殺到。領収書の偽造の疑いについて説明を求めました。

 ところが、当人は全力疾走で逃走という挙に出ます。この一部始終をモーニングバード!のカメラが捉えており、岩谷議員は報道陣を一時置き去りにするほどの健脚を全国のお茶の間に披露することに。

 最終的には記者たちに囲まれることとなりましたが、領収書偽造の疑惑については「業者がやったこと」と、自身の関与を否定しました。

岩上「まず、この体力には驚きましたが……。本当に物凄い執念ですが、立ち止まって説明することができない弱さがあるわけですね。

 政務活動費不正使用の兵庫県議といえば野々村竜太郎さんですが、彼は刑事告発され、詐欺容疑で取調中です。野々村さんに関しては、空出張を認める供述をしているという報道も出ています。

 詐欺罪ということになりますと、たいへん重い罪です。そしてこのような領収書の偽造ということも、犯罪性を帯びているわけですから、この69歳の県議も『明日は我が身』と思ったところも当然あるでしょうね。深刻です。

 『号泣』や『逃走』といった奇行といいますか、不思議な行動をとる人が多いために、兵庫県議会ばかりが大きく報じられますが、他の都道府県や市町村の地方議会での政務活動費の不明瞭な使途が、ずいぶん掘り起こされています。

 さらに国政も、すいぶんいい加減だということが追及されてきています。これから全国どこでも政務活動費の問題に有権者が関心を持ち、メディアが追及し、ネットできちんと公開してチェックができるようにする。これをスタンダードにしてもらいたいと思います」

自転車は「弱者」か、「強者」か、それとも「凶器」か

 自転車が歩行者を巻き込む交通事故が問題となっています。最近10年で、交通事故の件数はおよそ3割減少。ところが、自転車が関係する事故は、毎年5千件以上を数えています。また、2013年の自転車乗車中の交通事故件数は12万1040件。そのうち自転車と歩行者とが関係した事故は2605件になり、その中には3人の死亡した歩行者が含まれます。

 自転車に追突された人が、衝撃で跳ね飛ばされ、地面にぶつかり大けがをする。あるいは命を落とす。歩行者にとって、何倍ものスピードで走る自転車は、まさに「凶器」です。「死亡事故」という認定は、被害者が24時間に死亡したことが条件となるため、統計には出てこない事故死亡者がまだ存在するとの指摘もあります。

 自転車事故が減らない原因の一つに、利用者の意識の低さにあります。そもそも自転車は、道路交通法上で「軽車両」に分類されています。つまり、自転車利用者は「車両」に乗っていることになり、公道を運転するときには、交通規則に従うことが義務づけられます。

 とくに歩道では注意が必要。道路に車道と歩道の区別がある場合、車両である自転車は、車道を通らなくてはならないのはいうまでもありません。区別がない場合でも、歩行者が多い道を通るときは、自転車から降りて転がすことを日頃から心がける必要もあるでしょう。

 ところが街で見かけるのは、携帯電話で会話をしていたり、ヘッドホンをつけたりしたまま、自転車を走らせている人たち。このほか、商店街など歩行者が多い道を、人の間をぬって通ろうとする自転車利用者も目につきます。このような場合、自転車利用者の認識に関わらず、歩行者にとっては、常に危険と隣り合わせだと言えるでしょう。

岩上「自転車に乗る側は、対自動車ということを意識することが多いですよね。そう考える立場からすると、自分たちは『弱者』と感じるわけですね。ですから、車を避けるためならば、歩道にのりあげてもいい、という固定観念があるわけです。

 ところが、歩道では自転車が『強者』です。実は、このことを理解していない人が多くて、私が自転車に乗っていたある日のことですが、一人の中年のご夫人から、すごい剣幕で『ちょっと、今、外国の人から怒鳴られたのよ!』と言われたことがありました。

 歩道を歩いていた外国人の方から、乱暴な自転車の乗り方をするな、と言われたらしいのです。そのご夫人は『ひどいと思わない?』と私に同意を求めてきたんです。で、私は『それは、あなたが間違えてます』と言い、『歩道では歩行者が優先ですよ』と答えました。そうしたら、そのご夫人は本当に驚いた様子でしたね。このように、『歩道は歩行者が通るもの』という常識を普及させることが、たいへん大事だと思いますね」

県道崩落の危機:砂利を掘り尽くした穴を、砂利で埋める?

 愛知県豊田市の県道が崩落するかもしれません。道路脇で砂利を採掘しすぎたためです。採掘業者は、県による許可範囲を超えて採掘を拡大。あとにはクレーターのような巨大な穴ができあがってしまい、県道のすぐ近くまで崖が迫っている状態です。県砂防課は、県道が50メートルにわたって崩落の危険があるとしています。

 この業者は、今年3月に出された県からの改善命令にも従いませんでした。このため、6月には県から、県砂防条例違反の疑いで豊田署に刑事告発されています。現在、愛知県警豊田署では、砂利採取法違反などの疑いで捜査を進めています。

岩上「これは別の観点から見ますと、砂利がたいへん儲かるということですね。日本の公共事業やコンクリート構造物の歴史をみますと、過度な砂利の採掘と、その規制の繰り返しが続いています。

 一番最初のブームは関東大震災直後の復興期ですね。多摩川などでも、川砂利が持っていかれました。それが規制され今は川砂利は駄目なんです。

 それから山砂利です。高度成長期の時に山砂利も規制されるようになります。山陽新幹線の場合は、海砂利を使うことになりました。これは塩分を含んでいるので、あまりよろしくない……なんていうことが繰り返されてきました。

 その後は、中国からの輸入に頼るようになっていたのですが、今度は中国国内での使用量が増えたため、国外への輸出は減っていきます。そのため、日本国内でこんなに掘られるようになったのだと思いますね。

 というのも、現在、復興需要や公共事業などで、砂利の需要が増えていると考えられます。そこに食い込んで、悪質なやり方で、環境も破壊し、景観も損ない、安全性も考慮しない。そんな風に徹底的に掘り尽くすというやり方になってしまっているのだろうと思いますね。

 豊田市の現場ですが、砂利を採掘してしまったあとをコンクリートで固める必要が出てくるかもしれません。そうすると、砂利を採掘して空になった場所を、砂利を使ったコンクリートで穴埋めするという、本末転倒な話になってしまいますね」

「破綻寸前」の自治体

 千葉県富津市は8月29日に、2013年度から19年度までの一般会計の収入および支出の見込みを発表しました。発表によると、2015年度に実質収支が3億2400万円の赤字に転落。その後も赤字傾向は続くとしています。18年度には、赤字幅が6億7100万円にまで広がり、2019年度までの累積赤字額は約28億円にまで膨らむということです。

 このままでは、2018年度に実質赤字比率が2割を超え、「財政再生基準」に達してしまうことに。富津市には、かつての北海道夕張市のように、国の指導で財政再建が求められる財政再生団体になる可能性が出てきました。

岩上「これまでは年功序列の賃金で、それが働く人たちにとっては当然の権利だと考えられてきました。しかし、破綻の前にドラスティックな改革をする必要が出てきますね。

 7年前に財政破綻し『財政再生団体』となった夕張市の場合は、支出を4割削減し、職員を半分以下に減らしました。富津市もそこまでの見通しが立っているならば、本当にどうしようもない状態になる前に、取り組む必要があるでしょうね。

 やはり市民の負担が増えます。それから、皆さん外に出て行きますから、人口が減ります。そうすると税収も減るという悪循環に陥ってしまいます」

東京湾に浮かぶ、ラピュタの島

 東京湾沖に、「猿島」と呼ばれる無人島があるそうです。幕末開国期に東京湾の防衛拠点と位置づけられ、明治時代には砲台を備えた要塞が建造されました。
現在でも、緑に色づく森の中に、煉瓦造りの要塞は今でも遺されています。煉瓦建築に植物が根を張る様子が、どこか「天空の城ラピュタ」を思わせ、人気の観光スポットとして評判を呼んでいるそうです。

 猿島は横須賀市の三笠桟橋から10分のところにあり、市では島の半分を「猿島公園」として管理しています。市では、来年4月からの入園有料化の方針を決定。徴収した入園料は、島の自然環境の保護や、歴史的建造物の管理などの費用に充てるとしています。

岩上「これは、保存するための方針を最初に決めた方がいいですね。つまり、廃墟を今のままで保存するのか、それとも廃墟を自然が少しずつ侵食していくプロセスも含めて鑑賞するのかですね。どちらかをはっきりさせた上で、安全面だけは確保していくべきだと考えます」

★岩上安身がレギュラーコメンテーターとして出演中のテレビ朝日「情報ライブショー モーニングバード!」は、毎週火曜日午前8時から放送中! ぜひ、ごらんください。

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「【岩上安身のツイ録】説明責任から逃れるために69歳県議が全力疾走 政務活動費問題で「モーニングバード!」で岩上安身がコメント」への1件のフィードバック

  1. @megumegu1085さん(ツイッターのご意見) より:

    おかしな今の日本社会を考えさせられました。正しい方向にもっていかないと➔【岩上安身のツイ録】説明責任から逃れるために69歳県議が全力疾走 政務活動費問題で「モーニングバード!」で岩上安身がコメント http://iwj.co.jp/wj/open/archives/171561 … @iwakamiyasumiさんから
    https://twitter.com/megumegu1085/status/516614711245152256

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