枝野内閣府特命担当大臣 記者会見 2010.3.4

記事公開日:2010.3.4取材地: テキスト動画
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枝野内閣府特命担当大臣第一回オープン記者会見

■全編動画

  • (平成22年3月4日(木)18:01~18:49 於:中央合同庁舎4号館4階共用408会議室)

枝野幸男行政刷新担当大臣(以下、敬称略)

「2月10日に行政刷新担当の内閣府特命担当大臣を拝命しました枝野でございます。
 就任時から、私の行政刷新という仕事自体が、行政をできるだけ国民の皆さんに透明にするということが主な仕事の一つであるというふうに思っておりましたし、また、昨年秋、私が違う立場で関わらせていただいた事業仕分けにおいても、報道・会見フルオープンという形で、その結果もあって、多くの皆さんに関心を持っていただき、税金の使い方に対する国民の意識というものも高まったというふうに思っておりますことから、できるだけ早くこうした形での会見ができないかということで、事務方にお願いをしておりました。少し段取りに時間がかかりましたけれども、こうした形で実現をすることができました。

 国会日程その他がございまして、時間を固定することができませんが、原則として毎週この曜日のこの時間を軸として、こうした形での会見を行わせていただきたいというふうに思っておりますので、多くの皆さんに御参加をいただいて、いろいろな角度から行政刷新の仕事について、国民の皆さんにそれぞれの立場、切り口からお伝えをいただければありがたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」

記者「今日、このような形でオープンな会見を開いていただいて、ありがとうございます。
 質問なのですが、記者会見というのは、通常火曜日、金曜日、いわゆる閣議のある日に設定されているのが大臣の場合は多いと思うんですが、このように木曜日にあえて設定しているというねらいは何かあるのでしょうか」

枝野「私も大臣になってわかったのですが、火曜日と金曜日に行われている会見は、クラブ主催の会見に私が呼ばれてお話をさせていただくということだそうでございまして、そうすると、それは主催が、別途こういった形での私のほうの主催でということでございまして、火曜日と金曜日に別の形の会見があるということで木曜日を選んだと、こういうことでございます」

記者「独立行政法人のいわゆるファミリー企業についてなんですけれども、総務省や内閣府に確認すると、独立行政法人のファミリー企業を一元的に把握していないということなんですけれども、これについて国として実態調査を行う必要があるかと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください」

枝野「独立行政法人と政府系の公益法人を対象に、今事業仕分けの第二弾に向けた準備を始めているところですが、この準備を進めるに当たっても、さまざまな基礎データ、かなり頑張って関係部局はさまざまなデータを出して整理してくれているんですが、それでも今御指摘いただいたような基礎データがそもそも存在しない。そもそもファミリー企業の定義について、それぞれの役所ごとというか、団体ごとに共通されていないというふうに思っております。

 これは、事業仕分けと直接結びつけることは、時間的な余裕も含めて難しいかもしれませんが、できるだけ早い段階で、少なくとも国の機関である独立行政法人のファミリー企業については、一定の厳しい基準を設けて、それについて実態把握できるように検討したいというふうに思っております」

記者「時期としてはいつごろ、どういう形で」

枝野「少なくとも今年の前半のうちぐらいには、そういった指示を下ろせるような形にはしたいというふうに思っておりますが、指示を出すに当たっては、恐らく行政刷新会議本体で御議論いただいて下ろしたほうが、しっかりと統一的に運用できると思いますので、『親会議』と我々は呼んでいますが、行政刷新会議本体のスケジュールや進行を横目で見ながら準備を進めたいと思います。

記者「ファミリー企業の基準なんですが、やるとしたらどういう基準、線引きで」

枝野「現状では、例えば資本関係とかそういった形で見ているところが多いように思われますが、私は人間の関係とか、それから取引の関係とか、少なくとも独立行政法人、国の機関との関係においては、こうしたところも含めて、少し幅広にファミリー企業として、多分正式にやるときにはファミリー企業と名付けられないと思いますが、いわゆるファミリー企業について、一定の基準で幅広に公表、公開をしてもらう。さらには、それに対しての規制もきちっとかけていく。そこまで含めてやりたいと思いますので、1週間、2週間とか1カ月とかではなくて、時間をいただければと思います」

記者「一つ大臣にお願いがございまして、実は外務大臣の会見などで、事前に視聴者から質問を募集いたしまして、代読させていただいております。視聴者の質問に対してお答えいただけますでしょうか」

枝野「それは結構です」

記者「ありがとうございます。それではいきます。
 4月にも独立行政法人、政府系公益法人を対象に、事業仕分け第二弾が行われるとのことですが、前回の税金の無駄遣いの削減に加え、今回は天下りの根絶というのが大きなテーマの一つになると言われております。この天下りについて、どこまで実態解明できるのか、事業仕分け第二弾の実施に向けた意気込みを改めてお聞かせください」

枝野「天下りもいろいろな定義があるんですけれども、少なくとも私は国の機関である独立行政法人、それから国の仕事を、委託等を受けて仕事をしている政府系の公益法人、ここに公務員のOBが存在をしていること自体が、基本的におかしいと思っています。公務員OBがやったほうがいい仕事ならば、国が直接やればいい話であって、わざわざ外に出すということは、公務員OBや公務員がやるべきでない、あるいは公務員以外の人にやっていただいたほうがいいと思うから、外に出すわけであります。したがって、いわゆる天下り問題とは別次元で、役所のOBが存在をするということ自体を徹底的にあぶり出そうというふうに思っています。

 ただ、そのかわり、一定の関係で、国、つまり例えば独立行政法人の下でやっている役所との関係、連携が必要であるのだとしたら、むしろOBではなくて、役所から現役が出向して、役所の身分体系、給与体系の中で仕事をしていただく。このほうがずっとすっきりするし、民間企業における親会社、子会社の関係に、私は一種近いところがあると思います。
 こういった問題意識を持って、独立行政法人や政府系の公益法人に存在をする役所OBの方、現状でも現役で出向されている方がいらっしゃると思いますので、その実態を明確に把握をして、そしてゼロベースで見直したいというふうに思っています」

記者「これは質問ではなくて、要望になるかもしれませんが、前回、事業仕分けを私は見まして、最初から最後までずっと見ますと、やはりどれだけ天下りがあるかとか、官僚が中抜きしているかという、すさまじさがわかるんですよ。ところが、テレビだと、地上波のテレビだと、いいところばかりつまんでいるから、おもしろいところばかりですね。そうなると、蓮舫さんの「2位じゃだめなんですか」、そんなところばかり迫るんですね。ところが、やっぱり実際はもう、最初から最後まで見ないことには本質がわからないんですよ。そのためにインターネット中継されたんですが、いかんせん回線が狭くて、小さいんですよね。だから、今度はちゃんと予算をとって、国民、皆が自宅で見れるように、地方の人が自宅でも見れるように、回線を大きくとっていただければありがたいと思います」

枝野「それは御要望だけじゃなくて、私の希望でもあるんですが、問題は行政刷新会議自体の予算がないという、その限られた中でああいう形になってしまいました。
 逆に私からお願いをさせていただければ、あのときもそうでしたが、次回もインターネット中継用のカメラをお持ち込みいただければ、我々がオフィシャルに流す映像だけではなくて、独自に中継をしていただくことは、我々むしろウェルカムというふうに思っておりまして、私どもよりは資金のある、インターネット中継のできる報道関係がございましたら、ぜひ私どもと並列で結構でございますので」

記者「我が社がやろうとしたら大赤字なので」

枝野「行政刷新の仕事のためにべらぼうなお金をかけるというわけにはなかなかいかないところは、恐らく国民の皆さんも御理解いただけるんじゃないかと思いますので、ぜひ皆さんにもできる範囲で御協力といいますか、それぞれの御判断でそうしたことをしていただければ、ウェルカムだと。我々も限られた予算で、最大限の全体を見ていただくことに向けた努力はしていきたいと思っています」

記者「政策グランプリに関連する話なんですけれども、この取り組みの目的、3点ほど書いてありますけれども、問題意識として、政権交代以降、政治主導という中で、官僚の方々が萎縮してしまって、アイデア、発想を出せなくなっている、そういう風潮になっているという、そういう問題意識というのをお持ちなのでしょうか」

枝野「実態としてどれぐらい萎縮されているのかというところについては、私自身、まだ明確な判断をできるような材料を把握できていません。ただ、もともと、そもそもの問題として、政治主導というのは政治が責任を持ってものを決めさせていただくということであって、さまざまな現場や細かい専門知識とか、そういったことについては、いわゆる官僚の皆さんがたくさん持っておられる。これは間違いないわけです。

そうしたところから、活発にその知恵や情報に基づいた提起をいただいて、それを政治が判断をして、いいものを進めていくということこそが、我々の目指す本来の政治主導の形だというふうに思っていて、すべて政治だけで考えて、政治だけで決めて、役所の皆さんはそれを進めてくださいということではないと思っております。萎縮されているかどうかというのは、まだ判断がつきませんが、そうでないにしても、こういった形で、しかも例えば省庁の縦割りなどを超えたような形で、あるいは役所における年次とかそういったことを気にせずに、どなたでもそれぞれの知識や経験、情報に基づいて、いい提案があれば出してくださいと。それを私たちも、いいものは従来の慣習、慣行にとらわれず実行していきます。こういう関係にもともとしたいと私は思っておりましたので、大臣になりましたので、早速そういった方向に踏み出させていただいております」

記者「このような会見の機会を設けていただき、ありがとうございます。
 ただ一つ伺いたいのが、現在クラブ主催ということで火曜日、金曜日に閣議後の会見を開いていらっしゃると思います。こちらの会見には私のようなフリーランスの人間は参加できないわけですけれども、クラブ主催の会見で、大臣のお時間を独占しているというふうにも思えるんですけれども、こちらの火曜日、金曜日の会見をフリーの記者にもオープンにしてほしいというような要望を、大臣のほうからされたことはございますでしょうか」

枝野「私自身は、最初は、会見をそもそも全部オープンに、今日のような形でということでできないかということで指示を出しまして、それでいろいろと調整を事務方にしてもらった結果、こういう形になりました。

確かに、定例の火・金の会見に参加できない皆さんの立場からすれば、そこにも参加したいというお気持ちは非常によくわかるんですけれども、こういった形までは実現できましたので、できるだけ木曜日のこういったオープンの場において、十分な時間をとらせていただいて、十分にお尋ねいただきたいことはお尋ねいただいて、お答えできるようにということで、実質を優先して進めさせていただくということが今日に至った経緯でございます」

記者「この会見のことでもう一つ伺いたいんですけれども、今日多数の席が用意されておりますが、少し空席もございます。今回、参加を申し込んだフリーの方が、参加を断られているという事実があるんですが、その方はブログを書かれたりしていらっしゃる方なんですけれども、オープンにという大臣のお立場、お考えからすると、参加を断るということに正当な言い分というか、そういったものはあるとお考えでしょうか」

枝野「どなたでも来てくださいということですと、記者の皆さんに限らず、どなたでもここに集まっていただいてということになるんだと思いますが、これは逆に言うと物理的な事情、その他を考えても、これはあり得ないだろうというふうに思います。
そうした前提のもとで、今回一定の基準を示させていただいて、その基準で一応判断させていただいておりますが、その上でその基準には直接当てはまらないけれども、その基準に照らせば、御参加いただくことがどなたでもオーケーよというのとはちょっと違うよねということの線引きができるのであれば、それはお入りいただくということを考えておりまして、今回お断りをさせていただいた方についても、今回示させていただいたような基準の意思、意図に照らして、御参加いただくということに問題がなければということで、今後も事務方のほうで、もし今後も御要望があれば、調整する余地は残しているということで、御理解いただければと思います」

記者「会見のロジの話ばかりになっちゃうんですけれども、今日が最初の会見だということで、あえて聞かせていただきます。
 まず1点目が、もし記者クラブのやっている会見が、枝野さんとしては、大臣としてはぜひ公開したかったんだけれども、だめだったので、こういうふうに会見をもう一回やるということになると、事実上、それはもう私的な懇談であるという位置づけになるのでないかと思います。そして、大臣はこうして会見をやっておられるのですから、そちらをそもそも会見という位置付けにするべきではないのではないかと思いますが、それについてのお考えを聞きたいのが1点。

それから、そのような形で結局オープンにもしないで、一部の私企業が私的に大臣の時間を独占しているということであれば、記者クラブというものは独法ではありませんが、なぜ仕分けの対象にならないのか。つまり、記者クラブに部屋を提供し、いろいろな形で資材を提供しているわけですね、行政が。にもかかわらず、その記者クラブはオープンなものではないということになって、そして行政はもう一回別に会見を開かなければいけなくなっていると、それもコストですね。それで、記者クラブが仕分けの対象にならないのはなぜか、それからしようと思った場合には、どういう障害があるのかを教えていただければと思います」

枝野「まず仕分けの対象になるかどうかということについては、事業仕分けということの趣旨から考えたときに、仕分けになじむ性質のものかどうかということが一つまずあるものですから、ちょっと今直感的には、余り考えたことなかったんですが、直感的には仕分けになじむ性格のものではないのかなと。記者クラブのあり方ということについてさまざまな議論があることは私も存じておりますし、ただこれは記者クラブに入られていない皆さんにも報道の自由というものがあると同時に、我々、つまり公権力側との関係においては、記者クラブの皆さんも報道の自由を持って報道される立場でおられるということでありますので、私どものほうから記者クラブがどうあるべきだとか、どう変えるべきだということよりも、記者クラブの中におられる皆さんと、それ以外の報道関係の皆さんと、世論を巻き込んで物事が決まっていくということではないかなと。私はそれぞれが独立して政治と距離を置いて、権力と距離を置いてという立場であられる皆さん同士でありますから、政治が何か決めてどうこうするということではないのかなというふうに思っています。

 それから、私自身は、何が会見で何が懇談で、みたいな話のところの区別については、正直言って余り意識をしておりません。正直言って、オンかオフかということについては、もちろんオンでお話をするべきことで、オンでは話せないけれども、オフなら話せることという、こういう区別はあり得ますけれども、今日であれ、それから火曜日や金曜日の話であれ、どちらも報道という立場で国民の皆さんと私どもをつないでいただいている皆さんに、私どものほうからも申し上げたいこと、あるいはそこがお尋ねになりたいことについてお答えできる範囲内で最大限お話をするということでは、私自身は余り形式に関心がないというか、意識をしていないというのが正直な実態でございます」

記者「普通の記者会見では、皆さんの考えておいでになることをメディアに乗せて一般に知らしめるという、そういう機能が大事であろうと思います。それに対して、私どものところは、大きなメディアを持っているわけではありませんから、これに対して一般に知らしめるという機能は、どちらかというと弱いと思います。逆に、世の中には、大新聞とか、あるいは官庁の中では気が付いていなくて、社会の現場を歩いている記者が気が付いている問題があるわけですね。そういう問題をこういう場に持ってきて話をすると。したがって、私どもが皆さん方にお伝えするというような機能は、この木曜日の場ではないのかなというふうに私は考えておりまして、私自身、原子力の問題と、それと補正予算のお金の使い方、それから新しい研究開発制度、この3つについて気が付いていることがあります。

ただし、今それをここで話をする場であるかどうか、もっとほかの質問もあろうかと思いますから、それは秘書官か事務官の方に後でお伝えすることで、場の性格としては、どちらかというと現場で歩いている人間が気が付いているものをここへ持ってきて、それは大新聞、大メディアには載っていないような問題、そういう問題で非常に重要な問題が、少なくとも私は3つ持っております。ほかの方もお持ちではないかと思います。そんなことを聞いていただける場にしていただけると、大変ありがたいと思っております。」

枝野「ありがとうございます。
 私自身は、何が大マスコミで何がそうでないのかという区別自体、結局相対的なものだと思っておりますので、余り正直言って意識はしておりません。ただ、それぞれ報道の仕事に携わっている皆さんは、それぞれの立場で政治の立場から見えないこと、気付かないことを見て、それに基づいて、いろいろと報道されたり、あるいは私どもに質問をぶつけられたりということだというふうに思っていて、それが結果的に今御指摘いただいたような、私どもが気付かないことを気遣っていただくことにつながっていくと。それは、お互いにとってだけではなくて、この国にとっても大変大事なことだというふうに思っておりますので、ぜひそれぞれの立場で、特に私どもが気付いていないようなことについて、質問という形でぶつけていただければと思っています。

 なお、政策提言ということになれば、むしろ国民の声等などを通じて出していただいたほうが、きちっとそれを取り上げるルートに間違いなく乗りますので、そちらも活用していただければと思っております」

岩上「こうした記者会見、各省庁、ホームページ等でその記録などがアップされております。過去ずっと慣例で、問いかける記者側の社名、個人名というものは載らないことが多うございました。しかし、外務省と、それから金融庁がオープン化された際に、私、どちらも初回に両大臣に提言させていただきまして、我々取材者側の国民にとっては、見られるべき対象であろうと、国民にとっては知る権利の対象であろうと思います。どの社のどの記者、どういうフリーランスのどういう人間が、どのような質問をしたのかということも含めて、やはり国民は知る権利はあるだろうと思いますので、それについていかがかということを御提案もしくは質問をさせていただいたところ、即時に、それは今回からオープンにしていこうと、社名、氏名を明らかにしていきましょうということになったんですね。

 今ネット時代ですから、名前を名乗っていれば、それは同時に中継されているわけで、名前をあえて伏せる意味がそもそも薄らいでいることもあるんですけれども、この点について、このオープン化された記者会見、お名前を出していくというお考えはありますでしょうか」

枝野「すみません、私も気がつきませんでした。でも、確かに御指摘の点は全く同感でございます。

ただ、私は直ちにと申し上げないのは、それは多分、これはテープに録ったものを起こして、それをテキストで載せるというときに、どの程度正確性を御本人に確認しなきゃいけないのかどうかというところについては、ちょっと判断が要るかなというふうに思っています。趣旨としては、全く御趣旨のとおりで、皆さんもお名前を名乗って、これはネットで流れているわけですから、テープ起こしがそれぞれの名前つきで載ることについては、多分御異論はないと思いますが、正確にテープ起こしできているかどうかを、特に皆さんに全部確認をしていただく手続きと段取りからすると、またアップされるのが遅くなるとか、その辺の作業がどれぐらい現実性があるのか。現に外務省等はされているわけですね」

岩上「いえ、それは、されていません。要するに、質問したまま、そのまま外務省なり金融庁側がアップしたままになっております」

枝野「確認はしないで、名前つきで載っけている」

岩上「はい、そうですね。ただ、どちらの会見も必ず当人の意思というものの確認をしているという形で、例えば何か安全性の問題等で、どうしても名乗りたくない事情がある場合は、事前に名乗るのはちょっと控えたいという人はどうぞという、そういう形になっています。現実に、そういう人は見たことはありませんけれども」

枝野「わかりました。少なくとも、ちょっと今日はそういうことをあらかじめ告知もしていない段階でいろいろ質問された方がいらっしゃいますので、ここで個々に了解をとってもいいのかもしれませんが、次回のオープンの会見までに、ここでの質問はお名前を載せて、こちらの責任でテープ起こししたものをネットに載せることがありますというようなことを、あらかじめ告知をして、次回を開くという方向で整理をしたいというふうに思っています」

岩上「ありがとうございます」

記者「鳩山政権ができて6カ月に間もなくなるんですが、マニフェストの本来の趣旨から、行政刷新のところが少し外れてきているんじゃないかという観点から、2点お伺いします。

 1点目は、スタッフ体制です。あの項目、03年のマニフェストでつくったとき、ベースにしたのは『日本版タンジェントポリ』の構想でしたと。それを実現するためにやっていこうということで、それをマニフェストにするのに、わかりやすい文章で書いてくださいということで、松井孝治さんにお願いして『行政刷新会議』という形がつくられました。それでは足りないだろうということで、私が下に書き加えたのが『調査権限のある政治任用スタッフを置いて、行政の無駄や不正をなくしていく』という文章でした。

 ところが、この半年、そういうスタッフを置いていません。調査権限もありません。ある意味、財務省がつくったベースの政治ショーみたいなことをやっただけではないかという感じがしております。ここから先では、それはいかないだろうなという観点から、まずこの調査権限のあるスタッフを置く気があるのかどうか、確認をいたします。

 もう1点、事業仕分けということをやられましたけれども、本来の趣旨はそこではないのではないかと。もっと先まで行く話じゃなかったんじゃないでしょうか。事業だけやってりゃいいんじゃないはずでした。例えば土地改良、今年63%、予算をカットしました。本来なら、もう残った予算は地方に投げて、構造改善局、要らないんじゃないのと。農家の所得補償を中心にした新しい総合農業政策をやる局をじゃあつくりましょうとか、そういうところまで入っていくはずなんです。
『役所仕分け』というところまで行かなきゃいけないはずなんですよ、この行政刷新会議というところは。事業仕分け第二弾じゃあ済まないはずだと思っているんですが、その役所仕分けというところまで行かれる考えがあるかどうか、大臣の考え方を聞かせてください」

枝野「後段については、全くそのつもりでおります。最終的には、今の中央省庁のあり方をゼロベースで見直すと、そして中央省庁の持っている権限そのものを、これは地域主権戦略会議とも連携・連動しなければいけないと思っていますが、地方を中心に、そもそも手放すというところまで含めて、全体としての行政構造を全部変えるというところに、できるだけ早く持っていかなければいけないというふうに思っております。また、そこにつながっていく仕事として、そのステップとして、独立行政法人や公益法人を今回取り上げようと思っているので、独立行政法人や公益法人の話は、それが単独の話ではなくて、例えば先ほど少し申し上げましたが、公務員あるいはこうした外郭団体の職員の、いわゆる公務員人事制度のあり方の改革をする大前提として、こうした団体の存在やあり方というものがきちっと整理をされないと、公務員制度改革が実は前に進んでいかないというようなこともありまして、そこに今御指摘いただいたことにつながっていくステップを今踏んでいるというふうな問題意識で、私は取り組ませていただいています。

 1点目については、『調査権限を持ったスタッフ』ということの意味がなかなか難しいんですが、行政刷新担当大臣である私には、国務大臣としての一定の調査権限があると、私は認識をしております。私の指示のもとで動くスタッフには、一定の調査権限があると思っています。あとは、むしろこれは憲法解釈の問題で、行政の分担管理原則という現行憲法の間違った解釈がございまして、それぞれの分担管理をしている主務大臣以外のところからの調査とか指揮・指示は受けないという、こういう仕組みでないと国家行政組織法や各省設置法がつくれないという間違った憲法解釈に基づいて、なかなか省庁横断的にそれぞれの役所のやっていることに強制権限を持って調査ができないという悪しき慣習が、これまでこの国の行政には存在してきていると思っています。

 ここのところについては、しっかりとメスを入れていこうと、私自身思っております。と同時に、現在、昨年の事業仕分けなどのこともあって、国民の皆さんの一定の期待を行政刷新会議はいただいていると。法的権限以上に、国民の世論を背景にした私ども行政刷新会議、あるいはそのもとで行う事業仕分け、さらには、これの将来に向けての発展形、国民の皆さんの期待を今のようにいただき続けている限りは、法的な調査権限以上に、それぞれの省庁や、それから現場の独立行政法人であったり、今回の場合は公益法人であったりに対して、事実上の強制力を伴うような、事実上の調査ができるというふうに思っております。
 したがって、国民の皆さんの期待を裏切らないようにしながら、その事実上の力を生かして、『タンジェントポリ』も含めた行政の問題をしっかりと国民の皆さんの前に明らかにしていきたいというふうに思っています。」

記者「個別の分野で大変恐縮なんですけれども、バス、タクシーの公共交通の予算とか財政支援措置なんですけれども、昨年秋の事業仕分けでは対象になっていましたが、これからどうなるのかなと思っていまして、国土交通省のほうでは、交通基本法というのを今やっていまして、それと連動させる形で、逆に予算をふやしていきたいというスタンスなんですけれども、大臣はバスとタクシーに関してどう見ていらしているか、御所見をお聞かせ願えればと思っています」

枝野「まず昨年の事業仕分けで行った、そして改革のステップの第1弾として、今、私たちがやってきていること、やろうとしていることは、バスやタクシーに対する中央政府としての支援をどの程度行うのかということについて、行政刷新会議で判断をしたり、優先順位づけをしたりということは全く今まではやってきておりません。当面は、そこに踏み込む意思はありません。
 むしろ、制度が複雑、混乱になっていたりとか、あるいは中抜きをされていたり、ピンはねをされていたりとか、こういった本来の目的、つまりバスやタクシー、公共交通機関として、しっかりと維持、支えていくという目的につながっていない税金の使い方をあぶり出して、そこにはメスを入れると。こういう範囲において、昨年の事業仕分けで、そういった公共交通機関について取り上げました。この問題については、まだ解決をしていませんので、こうした視点で、まずは本来の政策目的につながっていない、本来の政策目的を達成する効果を上げていない部分については、聖域なく、あらゆる分野についてメスを入れていこうというふうに思っています。

それから同時に、地域主権戦略会議もかなり実際的に動き出してまいりましたので、バスやタクシーなどの公共交通機関を、どの行政主体が責任を持って支援をするのかということについては、これは次のステップとしてひとつ見ていかなきゃならないことだろうと思っておりまして、私一人の判断ではできない、むしろ地域主権担当の原口大臣とも連動、連携をしていかなきゃならないことでありますが、少なくともその移動の範囲等が、それぞれの地域にとどまっている公共交通機関については、そもそも補完性の原理から考えて、それぞれの地域が財源を含めて責任を持って必要な支援があるならば支援ができるような構造に変えるべきであるというのは、野党時代の民主党の分権ビジョン、私が調査会長のときに出した中間報告でもそういった形を出しております。おそらく原口さんも同じ意識だと思いますので、おそらくある段階で、財源の移譲ということを含めて、地域がそういった問題についての責任を持つという方向に転換をしていくということを見据えた改革を進めていくことになるのではないかというふうに思っています」

記者「国土交通省のほうで、今、独立行政法人の都市機構と住宅金融支援機構のこちらの見直しの検討会のほうを、先日ぐらいから立ち上げて検討しておるんですが、6月ぐらいに一応まとめるということになっておりまして、その後、枝野大臣のほうの判断に任せるというような形になっておるんですが、その際、この位置付けというんですか、こちらでまとまった意見の位置付けはどのようにしていくということをお考えでしょうか」

枝野「それは、国土交通省でまとまった意見の位置づけということ、まとまるであろう意見の位置付けということですね」

記者「はい」

枝野「独立行政法人も98、今日、委員会で『97』と間違って言っちゃって訂正しなきゃいけなくなったんですが、98しかない一方で98もあるものですから、すべてを直接に事業仕分けという形で、この4月以降で取り上げるということは現実的ではないというふうに思っています。なおかつ、私どもとしては、それぞれの省庁がまず自らできることは、それぞれの省庁でやっていただくということをベースに考えております。

 ただ、それぞれの省庁の内部においては、できないこともある。それはそれぞれの御本人の意思とか何とかではなく、システムとしてできないこともあると思っております。そうした前提を踏まえて申し上げますと、国土交通省で独自に、国土交通省所管の独立行政法人について見直しを検討されているということは、それはそれで横目で見ながら、行政刷新会議としては独自の視点で、その事業、法人を取り上げるかどうか、あるいは取り上げて一定の方向を出すかどうかということは、別次元で考えていこうというふうに思っております。

 その国土交通省での見直しが適切なものであると判断すれば、そのままやってくださいということになるでしょうし、違う視点から見たときには『ちょっと違うんじゃないですか』ということであれば、それを参考にしながら、しかし別の判断をしていくということがあり得ます。

 それからもう一つは、私どもは、今回は一個一個取り上げた事業をどうするかということにとどまらず、独立行政法人という制度そのものをどう見直すのかというところに事業仕分けの結果をつなげて、それ自体を固めて決めていこうということを考えていますので、その大きなうねりとどうマッチングするのかというのは、その状況、その時間、時期に近づいてこないと、少し判断できないかなとは思っています」

記者「こちらも各論なんですけれども、医薬品医療機器総合機構について、何か問題意識があれば伺いたいんですけれども」

枝野「現時点では、特定のどこかにどういう問題意識があるかということについては、私の立場からは申し上げないほうがいい時期ではないかなというふうに思っています。ありとあらゆる独立行政法人、そして、ありとあらゆる政府系の公益法人、全て聖域なく対象になり得ると、問題があり得るという疑問の目を持って、すべてのものを見る。現時点ではこういう状況でございます」

岩上「重ねての質問で申し訳ございません。フリーランスの岩上と申します。先ほど大臣は、この独法、公益法人の事業仕分けだけではなく、先々には中央省庁の役所仕分けといいますか、再編まで視野におさめているというふうにおっしゃいました。しかも、また『聖域なく』という言葉も再三使われております。

確認したいのですが、その中には、例えば検察庁も含まれるでしょうか。1点、具体的に申し上げますとですね、かつて大阪地検の元公安部長を務めていた三井環さんという方がいらっしゃいまして、検察の裏金づくりについて、御自身も携わり、また組織的に全国的に、長年にわたってつくられていると、裏金工作が行われているということを告発しております。

 こうなりますと、『無駄』というレベルを超えて、もはや犯罪のレベルではあるんですけれども、これが事実であったらば大変な問題であり、また大変な無駄であると思いますが、この問題に関して門前払いのような形で政府は終わりにして、真剣な調査、それから調べを行った形跡がないというふうに思われます。そもそも問題の俎上に上がったことすらないと思われますが、こうした問題を含め、検察の無駄というものについて、いわばアンタッチャブルのようなお役所ですけれども、切り込むお覚悟はございますでしょうか」

枝野「逆のことを言えば、『権力分立原則』ということがありますので、最高裁判所事務総局と国会については、私の立場では直接やるべきではないというふうに思っています。それ以外は、すべて行政でありますので、聖域なく無駄遣いは許されないと思っていますし、あるいは将来的に組織のあり方そのものについて見直すということにおいては、検察庁という組織そのものをなくすとか何とかということでは、これは司法と絡んできちゃいますが、少なくとも法務省という組織も今のままでいいのかどうかということを含めて、俎上に乗っていくということは当然です」

岩上「裏金の疑惑については、これをしっかりと、先ほど調査の権限をお持ちだということもありましたけれども、問題として取り上げる考えはおありでしょうか」

枝野「これは少なくとも、今、総務省の行政評価のところで、『聖域なく取り上げる』と原口大臣がおっしゃっているというふうに聞いております。行政刷新で直接全部、先ほど来申し上げているとおり、物理的にできませんので、制度改革などにつながっていく重要なところを我々のところで取り上げていくと。原口大臣の下の行政評価局で取り上げるというふうに私は聞いておりますので、各省でできることについては、そこでまずは一時的にはやっていただくというふうに思っています。

記者「2度目の質問で申しわけありません。先ほど事業仕分けのことについて、『オープンな場であるのでインターネット中継も歓迎だ』ということを大臣はおっしゃいました。この会見もオープンということで、私のようなフリーランスの記者が、例えば動画撮影をしたり、動画中継をすることについて、何か大臣のほうで制限を設けるというお考えはございますでしょうか。それとも自由に配信など、中継などをしてもいいというお考えでしょうか」

枝野「全く自由のつもりです。今日も別に制約しておりませんね。しておられるところはあるんじゃないかと思います。ですから……」

記者「私、動画の中継をしてみたいというふうに申し上げましたところ、『ちょっとそれは御勘弁いただきたい』ということだったので……」

枝野「ちょっと連絡の行き違いかもしれません、それについては。あとは物理的にどうこうということはあるのかもしれませんが、私の立場としては全く、むしろ、どんどんやっていただきたいというふうに思っています」

事務方「どうも連絡ミスで申し訳ございませんでした」

枝野「よろしいですか……」

記者「いや、連絡ミスじゃないよ。さっきさ、彼、申し出ていたら、頑として断ってたじゃないですか。連絡ミスなんかじゃないですよ」

事務方「内部での連絡ミスで御迷惑をおかけした、そういう意味でおわびを申し上げました」

記者「いや、今、大臣が言わなかったら、あなたはずっと規制していましたよ」

事務方「いや、していません」

枝野「彼は大臣室なんですが、大臣室としてはオーケーということで統一をしていたはずなんですが、これ自体、余計なことを言わないほうがいいかもしれませんが、内閣府というのは大臣が9人おりまして、でも事務次官と官房長は1人ずつしかいないという、なかなかそういう意味では、事務方のほうも仕事のしにくい構造になっているかというふうに思っております。そうしたところで、それが原因かどうかわかりませんが、若干の連絡の行き違いがあったりすることもあり得るのかなと思っていまして、この内閣府のこんな9人も大臣がいながら、でも事務次官は1人という構造、これでいいのかどうか自体、実は行政刷新会議は事業仕分けだけやっているわけじゃありませんので、こうしたこともこのままでいいのかということを検討しているところでございまして、できるだけ、今の仕組みの下でも連絡の齟齬がないように指揮をしたいというふうに思っております。

よろしゅうございますか。たくさんの皆さんにお集まりをいただき、本当にありがとうございます。今後とも、よろしくお願いをいたします」

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