ネタニヤフ首相訪日で見え隠れする安倍政権の「軍事的」な思惑 ~「日本・イスラエル兵器共同開発に異議あり」専門家・ジャーナリストらが緊急集会 2014.5.11

記事公開日:2014.5.14取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材・文:松井信篤、記事構成:佐々木隼也)

特集 中東

 日本は「死」と「死の灰」の商人になってしまうのか――。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、5月11日から15日の日程で訪日し、12日には安倍総理と、13日には岸田外務相と会談した。首脳会談では、緊張の続くパレスチナ情勢を巡って、安倍総理がイスラエルの入植活動など、和平交渉の妨げとなる一方的措置の自制を求めたのに対し、ネタニヤフ首相は、パレスチナ自治政府とハマスの和解が進み統一内閣樹立で合意したことをあげ、「(パレスチナ側に)和平実現の準備ができていない」と発言した。

 安倍総理はイスラエル側に自制を求める一方で、安全保障分野では防衛当局間の交流促進や「サイバー・セキュリティ分野」の協力を確認。さらに「積極的平和主義」の名の下、イランの核問題やシリア情勢をふまえ、中東情勢の安定にこれまで以上に積極的に「貢献」し、イスラエルと協力していくことを表明した。

 イスラエルとの「協力」の狙いは何か。5月11日、ネタニヤフ首相の訪日を受けて、中東情勢の専門家やジャーナリストらによる緊急集会が行われ、日本とイスラエルの今後の関係構築と、そこに横たわる様々な問題について議論が行われた。

■ハイライト

  • 発言
    奈良本英佑氏(法政大学名誉教授、「アル・ジスル-日本とパレスチナを結ぶ」代表)「中東和平」のまやかし
    志葉玲氏(フリーランス・ジャーナリスト)ガザの人々から見える日本
    役重善洋氏(パレスチナの平和を考える会)アパルトヘイト犯罪とイスラエル・ボイコット
    杉原浩司氏(秘密保護法を考える市民の会)武器輸出三原則撤廃と日本・イスラエル兵器共同開発
    栗田禎子氏(千葉大学教授)集団的自衛権行使にひた走る日本と中東 ほか
  • 日時 2014年5月11日(日)
  • 場所 文京区民センター(東京都文京区)
  • 主催 「ネタニヤフ首相来日を問う緊急集会」実行委員会

日本は世界に武器が蔓延していくのを止めていく立場

 何度もパレスチナ自治政府のガザ地区に現地取材を行なっているフリージャーナリストの志葉玲氏は、イスラエルによる空爆で瓦礫の山となったガザ地区の惨状を、写真を使って説明した。

 イラクや、レバノンの紛争地も見てきた志葉氏は、それらと比較しても「2009年のガザほど、徹底的に町が破壊されたところはない」と語った。国連が運営する学校に避難した人々に対しても、イスラエル軍は容赦なく爆撃を行なったという。

 「国際人道法を違反する常習犯」と志葉氏が批判するイスラエルに対して、安倍政権は昨年3月にF35(米国とイスラエルが共同開発している戦闘機)を武器輸出三原則の例外とすることを閣議決定した。志葉氏は、そこに日本産の部品が使われる可能性があると指摘した。

 「日本は世界に武器が蔓延していくのを止めていく立場ではないのか?」

 志葉氏はガザのジャーナリストから言われた言葉を紹介し、「ガザの人たちに申し訳ない。イスラエルの反戦運動している方に対しても申し訳ない。無神経にイスラエルと武器を開発する日本は、本当に平和国家といえるのか?」と語った。

アベノミクスで死の商人と「死の灰」の商人に

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 300円 (会員以外)

関連記事


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です