対核テロ対策など核セキュリティ強化に向け、国内法を整備 ~第40回原子力規制委員会 2014.1.29

記事公開日:2014.1.29取材地: テキスト動画
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 2014年1月29日10時30分より、第40回原子力規制委員会が開催された。対核テロに関する条約の発効に向けて、国内法である「放射線発散処罰法」の一部改正案が示され、法律に依らない核物質の国際間の取引や、国外犯が新たに処罰の対象に加わることが報告された。

■全編動画

議題 1 独立行政法人原子力安全基盤機構の中期目標の変更について

 独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)は、5年ごとに業務運営に関する目標を定め、現在2012年度から2016年度までの期間となっている。2013年度末に規制庁と統合することから、JNESの目標期間を統合する前までにすることが、規制委員会に報告された。委員会承認後、財務大臣に諮る予定。

議題 2 平成25年度第三四半期における専決処理について

 2013年度第三四半期における、177件の専決処理について、概要が委員会に報告され、承認された。なお、規制庁における専決処理案件とは、基本的には委員会にかけるほどのものではないというのが大前提になっており、それほど重要ではない性格のものとされている。

議題 3 放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(放射線発散処罰法)の一部改正について

 2005年に対核テロに関する条約の改正案が採決され、条約締結国である各国が、国内法の整備を求められている。それに応じて、放射線発散処罰法の一部改正について、委員会にかけられ、了承された。今後、2月下旬までに規制庁事務局で法文案をまとめ、委員会にかけられる。その後、閣議決定を経て、環境大臣から2014年の通常国会へ提起する予定となっている。

 対核テロに関する現行条約は148カ国が締結しており、改正案は3分の2にあたる99カ国が改正された条約を締結することで発効される。本年2014年3月にハーグで核セキュリティサミットの開催が予定されており、そこで改正条約を発効させるため、各国で国内法の整備が進められていると予想される。

 現行の国内法でも、法律に基づかない核物質の取扱いや製造、窃盗、脅迫については、処罰の対象となっている。改正案ではそれに加え、法律に依らない核物質の国際間の取引行為が処罰の対象として追加される。さらに、国外犯も対象になり、外国人が海外で行為を犯し、日本国に逃亡してきても処罰の対象になるという。

議題 4 「緊急時モニタリングについて(原子力災害対策指針補足参考資料)」に関する報告について

 万が一緊急事態が発生した場合に、国が立ち上げる緊急時モニタリングセンタの指針について報告があり、承認された。

 従来は、原子力災害対策特別措置法の第10条で「平常時モニタリングの強化」とし、第15条に「緊急時モニタリング」とされていた。新指針では、10条の平常時モニタリングの強化の時点から、緊急時モニタリングとしている。

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