研究開発力強化法の改正で研究力は上がるのか?課題を残したまま今国会で審議が進行 2013.11.27

記事公開日:2013.11.29取材地: テキスト動画
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(IWJ・石川優)

 自民党は先月31日、科学技術・イノベーション戦略調査会などの合同会議で、研究開発強化法の改正案を取りまとめた。この改正案は、大学などの研究者などを対象に無期雇用へ転換する期間を5年から10年とするもの。しかし、27日に開かれた「労働契約法の特例・安全保障分野への重点配分で本当に研究力はUPするのか?」をテーマとした集会では、この法案について多くの問題が指摘された。

■ハイライト

過度な競争は生産性を上げず、多様性を排除する

 サイエンス・サポートアソシエーション代表の榎木英介氏は、海外の大学・研究機関等の雇用形態などを紹介した。欧州研究者憲章では、研究者の雇用条件の安定化向上を確約すべきと謳われているという。同法案は、研究者を過度な競争に晒す恐れがあり、それが生み出す弊害として、時代の流れに沿った流行りのトピックの研究が選ばれ、地味な研究や長期間かかる研究ができなくなるということが挙げられる。

法案を審議する委員会が二転三転

 日本共産党の宮本岳衆議院議員は、同法案を巡る与野党の動きについて報告した。同法案は当初、文部科学委員会で審議される予定だったが、十分な審議時間が確保できなかったため、別の科学技術・イノベーション推進特別委員会で審議することになった。しかし、この委員会は事実上委員会として機能しておらず、研究機関等の視察などに割いているのが現状だと宮本氏は指摘する。この集会が開催された同日27日に同法案が文部科学委員会に上程されたが、同委員会では2020東京五輪に関する集中審議が行われる予定であり、研究開発強化法案の審議は難しくなっている。

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