「秘密保護法は、今、止めるしかない!」 〜山本太郎トークLIVE STOP秘密保全法全国キャラバン報告会 2013.10.19

記事公開日:2013.10.19取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ 山之内/奥松)

 「情報の取得と発言の自由は、すべての基盤。秘密保護法案は、国民的議論に持ち込もう」──。

 2013年10月19日(土)、名古屋市中区栄の喫茶デシベルで「山本太郎トークLIVE STOP秘密保全法全国キャラバン報告会」が行われた。山本太郎参議院議員と横川圭希氏が、人々の言論を封じる特定秘密保護法案(秘密保全法案)の危険性や、全国を街宣して訴えているファックス・メール作戦、TPP交渉、さらに多くの人が政治を語れるマツリゴトの場の可能性などについて語った。

■全編動画

  • 出演者 山本太郎議員(参議院議員)、横川圭希氏

ファックス・メール作戦とボランティアの力

 山本議員の選挙スタッフであり、その後、全国を回る街宣も支えた横川氏は、山本議員が特定秘密保護法案成立を阻止するために訴えているファックス・メール作戦について語った。ネットで利用できる議員名簿を作るにあたって、自発的な多くのボランティアが、どのように協力したかを披露し、「何ができるかを可視化したかった」と述べた。司会の西田優太氏は「政治に対して、まだまだやれることがある」と応じた。

 横川氏は「NSC法案、特定秘密保護法案、来年に予定されているとされる共謀罪の導入、すでに成立しているサイバー犯罪条約などで、ネット利用の環境は今後は狭められる可能性がある」と懸念を表明した。

特定秘密保護法の危険性

 遅れて会場に現れた山本議員は、「特定秘密保護法案は、もっとも成立してはまずい法案だ」と言明。「国防に関わる秘密については、すでに自衛隊法や国家公務員法で対応できる。政府が新しくこの法律を作る意図は、国民に知られては都合の悪いことを秘密とし、国民への監視を強めるものだ。このようなトークライブも『危険な集会』とされて、皆さんも逮捕されるかもしれない」と語り始めた。

 山本議員は、秘密保全法が特定秘密保護法と名称を変えて、日本版NSC法案の前後に上程され、特別委員会で毎日議論されるという国会の状況にも触れ、「この法案に反対の声が上がりだしたので、政府は成立を急いでいる」と指摘。「法案成立後には、自衛隊を国防軍にし、集団的自衛権を行使して、アメリカ軍の海外軍事行動に協力するのではないか」と語った。

TPP交渉ブルネイラウンドで耳にした驚きの発言

 続けて山本議員は、TPP交渉のブルネイラウンドの際、山田正彦元農水大臣と共に現地入りした体験を語った。外国企業が進出先の国を訴えることができるISD条項を、この時、日本側から要求したことに触れ、「TPP首席交渉官の鶴岡公二氏に、山田氏が『国が喰いものにされる危険があるISD条項を求めるとは何ごとか』と意見したところ、鶴岡氏は『大丈夫だ、日本は強いから』と根性論で答えたので驚いた」と明かした。

 山本議員は、脱原発を決めたドイツ政府が、ISD条項によってスウェーデンの原発関係企業から多額の損害賠償を求められた例を挙げ、「そうなると、日本の脱原発も進めにくくなる。TPPは誰のための条約なのか。一部の企業のためではないのか」と憤った。

ここで譲ってしまったら、日本はどうなる?

 「特定秘密保護法で秘密指定される内容は、41万件余りと言われている。秘密を扱う人だけでなく、その友人知人まで調査される。一方、公表される情報が均質化し、それ以外の情報に触れようとすると、それだけで罰せられる可能性もある。もし、法令違反で逮捕されて裁判になったとしても、理由も開示されず、非公開裁判をされる危険もある。止めるしかない法律だ」。

 このように語った山本議員は「情報の取得と発言の自由は、すべての問題への共通基盤」という認識を示した。「その部分だけでも、人々がまとまることができれば」と、従来、政治が語られてきたコミュニテイーではなく、若い人を含む、多くの人たちが政治を語ることができる場の可能性について語った。

 最後に山本議員は「特定秘密保護法案を、国民的議論にまで持ち込もう。それがこの先、市民運動の新しい力となるのではないか」と述べ、「12月1日に、愛媛県松山市で市民の大集会がある。そこに人があふれるようにする。楽しい祭りとマツリゴトのつながりで、人々のうねりを作っていくことが重要だ」と、今後に向けた構想を語った。

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