日刊IWJガイド・番組表「新潟県知事選挙で奇跡の大どんでん返し!反原発を掲げた米山隆一候補が与党・森民夫候補を破り当選確実!!/岩上安身による中央大学名誉教授・富岡幸雄氏インタビューテキスト記事をアップ!/2018年にも『大嘗祭』、天皇の生前退位実現が本格化か 今日午後から政府有識者会議の初会合」2016.10.17日号~No.1494号~


■■■ 日刊IWJガイド・番組表「新潟県知事選挙で奇跡の大どんでん返し!反原発を掲げた米山隆一候補が与党・森民夫候補を破り当選確実!!/岩上安身による中央大学名誉教授・富岡幸雄氏インタビューテキスト記事をアップ!/2018年にも『大嘗祭』、天皇の生前退位実現が本格化か 今日午後から政府有識者会議の初会合」2016.10.17日号~No.1494号~ ■■■
(2016.10.17 8時00分)

 「僕、負け戦には出ません。新潟日報は『激戦』と報じている。まだビハインドですが、追い抜く可能性はあるビハインドです」

 9月28日、岩上さんのインタビューに答えた米山隆一・新潟県知事選候補の言葉を思い出している、IWJ記者の城石エマと申します!!

 新潟で、今年「2回目の大逆転」が起こりました。昨日、投開票日を迎えた新潟県知事選挙、結果は、共産・自由(旧生活)・社民が推薦する医師で弁護士の米山候補が、自公の推薦する前長岡市長・森民夫氏を破り、新潟県知事に当選確実となりました。森陣営は、自民党・二階俊博幹事長の新潟入りによる企業・団体回りもむなしく、敗戦を喫しました。

※【IWJブログ・特別寄稿】スクープ!「そんなこと、米山候補が考えれば?」――新潟県知事選、現地入りした自民・二階俊博幹事長が衝撃の無責任発言!原発事故後避難のバス運転手手配に関心なし!? 2016.10.14
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/338626

※【IWJブログ・特別寄稿】原発推進・森候補を支えるのは、公共事業推進と選挙応援がバーターの自民党流「土建選挙」! 街頭演説一切なしで県内の企業・団体回りに励む二階幹事長、「利益誘導なんてない!もっとレベルの高いことだ!」と開き直り! 2016.10.15
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/339131

 昨日の夜、IWJは米山候補の開票センターの様子を中継配信。当確の報を受けた米山氏は、「皆さんからいただいた思いをひとつひとつ真摯に丁寧に、全力で形にしていく。原発再稼働の話がきっとすぐに来るが、約束したとおり命と暮らしを守れない現状で認めることはできないとはっきり言わせていただく」と意気込みを語りました。

 また、7月の参院選で「1回目の大逆転」を制した森ゆうこ参議院議員は、「この戦いの意味、原発再稼働を絶対許さない。県民の民意は原発再稼働反対なんですよ!ようやく選挙の結果で示せた。新潟から、原発に頼らない新しい社会を作る!」と力強くコメント。

 医師として放射線医学総合研究所に勤めていた米山候補は、岩上さんのインタビューで、実はもともとは原発容認派だったことを明かし、福島第一原発がメルトダウンしたことを知って、自らの考えを変えたと述べました。現実を直視し、自らの考えを素直に改め間違いを認める誠実さも、新潟県の有権者の方々の信頼を得たポイントだったのかもしれません。

※新潟県知事選挙でさっそく露呈した「蓮舫路線」のリアル!野党共闘候補の容認を頑なに拒否した民進党の内部事情に迫る!~「泉田路線」の継承を鮮明にした米山隆一候補への岩上安身による緊急単独インタビュー! 2016.9.28
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/334635

 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を左右すると言われたこの選挙は、告示前から様々な問題や不可解な出来事が続きました。出馬を決めていた、現職で原発に慎重姿勢を貫いてきた泉田裕彦知事が、突如、出馬取りやめを表明。その理由は、地元紙「新潟日報」による、県のフェリー購入問題をめぐる「憶測記事や事実に反する報道」だと、泉田知事自身が説明しました。

※泉田新潟県知事「『説明しろ』と言った以上、県からの回答を握りつぶさないでいただきたい」と注文!新潟日報は「事実を書いている。圧力には屈せない」と反論も説明責任は果たさず!白熱した記者会見詳報! 2016.8.31
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/328935

※「泉田知事は説明責任を果たせ」と迫りながら、県からの回答を掲載しない新潟日報にIWJが直撃取材!さらに「新潟日報が力になってくれる」という韓国企業の不可解なメールが明らかに! 2016.9.4
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/329617

 東電の広告を掲載してきた「新潟日報」の執拗な泉田知事攻撃には、本来選挙の争点であったはずの「原発問題」から、国民の目をそらそうという意図を感じずにはいられません。岩上さんは、こうした「新潟日報」の報道を、不都合なニュースを隠すために別のニュースを煽りたててぶつける「スピンコントロール」であり、形を変えた「原発プロパガンダ」ではないのか、と指摘してきました。

※40年間で2兆4000億円もの「電気代」が原発プロパガンダに消えた!? 日本のメディアを牛耳る巨大広告代理店「電通」の実態に迫る!~岩上安身が『原発プロパガンダ』著者・本間龍氏に訊く 2016.10.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/338266

※「ドラム缶に入って川に浮かぶ」という陰湿な恫喝が――。新潟県知事選への出馬を撤回した泉田裕彦知事に岩上安身が単独インタビュー! 地元紙「新潟日報」との確執や米山隆一・野党統一候補の応援の可能性にせまる! 2016.10.11
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/337783

 一方で、米山氏の出馬に際し、「自主投票」とした決定を覆さず、党としての推薦を最後まで出さなかった民進党の姿勢に対し、有権者が不信感を募らせたことも事実です。米山氏は、もともと民進党の所属でしたが、民進党の自主投票の決定を受け、離党して無所属で立候補しました。しかし、IWJでも報じてきたとおり、選挙が終盤にかかるにつれ、民進党議員が次々と米山氏の応援に駆けつけることに。

 IWJは、今回の新潟県知事選をかなり丁寧に報じてきました。

 野党共闘候補の米山隆一氏の擁立をめぐる民進党の蓮舫代表を直撃。岩上さんは自ら新潟入りして、米山候補本人への単独インタビューや、任期満了を迎え一度は出馬表明したものの撤回した、泉田裕彦知事に単独インタビュー。米山候補の応援に回った民進党新潟県連代表・黒岩宇洋(たかひろ)議員への直撃取材を敢行。

 IWJのぎぎまき記者も新潟県入りして、泉田知事の米山候補への応援メッセージがお蔵入りしてしまった真相を探るべく、「新潟に新しいリーダーを誕生させる会」の佐々木寛・共同代表(新潟国際情報大学教授)へインタビューを行いました。また、日々の演説の様子は、現地の中継市民がこまめに配信してくださいました。

※新潟県知事選挙特集ページ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/2016%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9C%8C%E7%9F%A5%E4%BA%8B%E9%81%B8%E6%8C%99

 新潟の地元紙「新潟日報」が「泉田知事おろし」を大々的に展開し、本来の選挙の争点であるはずの柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題が県民の目から隠されてしまった中、IWJはこの地元紙の偏向報道姿勢に真っ向から異を唱え、真の争点を正面にすえて報じてきた自負があります!

※「泉田知事は説明責任を果たせ」と迫りながら、県からの回答を掲載しない新潟日報にIWJが直撃取材!さらに「新潟日報が力になってくれる」という韓国企業の不可解なメールが明らかに! 2016.9.4
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/329617

 今回のIWJの新潟県知事選挙報道をご覧になって、「いいね!」と思っていただけた方は、どうぞ、この機会にIWJの定額会員にご登録いただき、IWJをみなさまの会費でお支えいただきますよう、よろしくお願いします!

※IWJ定額会員へのご登録はこちらから
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 一方で、こうした取材活動はIWJにとって急な出費として重くのしかかってきます。毎回の出張にかかる交通費、宿泊費、そして使用するたびに消耗する機材の補修費用などは、IWJの財政を圧迫しています。新潟県知事選挙のあとには東京10区と福岡6区で衆院補選が投開票を迎え、その後はいよいよ衆院解散も視野に入れなければならなくなってきます。どうぞ、これからもIWJがこうした取材活動を続けられるよう、みなさまのご寄付・カンパでIWJをお支えください!

※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします!
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 また、IWJでは毎月15日に、会員継続のためのご入金が確認できなかった方を対象に、アーカイブの試聴などのサービスのご提供を、一時的に停止する手続きを取らせていただいています。その結果、今月は211名の方の会員資格を泣く泣く一時的に停止させていただき、現在(10月16日時点)の会員数は5924名様と、再び6,000名様を割り込むことになってしまいました。

 もし、毎月のお支払を忘れがち…という方がいらっしゃいましたら、自動引き落としが大変便利ですのでおすすめです。ぜひ、ご検討ください!

※会費の自動引き落としに関するご案内はこちら
http://iwj.co.jp/info/whatsnew/post/23819

★本日の日刊IWJガイドは以下の内容でお届けします!

┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━
┠■【中継番組表】
┠■<ニュース・フラッシュ!>2018年にも「大嘗祭」 天皇の生前退位実現が本格化か 今日午後から政府有識者会議の初会合/新入社員の過労死が繰り返された電通に厚生労働省東京労働局が立ち入り調査、書類送検の可能性も?/豊洲市場の地下空間から国指針の7倍の水銀検出 ベンゼン・ヒ素の検出でさらに2年間の地下水モニタリングの可能性も/他(城石エマ)
┠■<★新着記事★>租税特別措置による大企業優遇税制 その見返りに自民党へ政治献金! ツケは消費税増税!! 安倍政権の「歪んだ税制」で国が滅びる~岩上安身による中央大学名誉教授・富岡幸雄氏インタビュー(関根かんじ)
┠■<お知らせ>今後の岩上さんインタビュー・ラインナップ(平山茂樹)
┠■わとはぷ~What happened today?(城石エマ)
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◆中継番組表◆

**2016.10.17 Mon.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

■□■□■衆院補選関連■□■□■□■□

【録画配信・Ch4】12:00〜「東京10区補選 野党統一候補 鈴木庸介氏 街頭演説 『ようすけGO! 電車編』」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=4
※2016年10月16日に行われた、東京10区補選 野党統一候補 鈴木庸介氏の街頭演説を録画配信します。

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【再配信・Ch1】16:00~「『日本の若者がアメリカの鉄砲玉になるなんて、僕は耐えられませんよ!』 ~岩上安身による山中恒氏インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/93907
※2013年7月31日に行われた、岩上安身による山中恒氏インタビューを再配信します。

【Ch2】17:00~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見を中継します。

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◆中継番組表◆

**2016.10.18 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【Ch1】14:30~「岩上安身による『「日本スゴイ」のディストピア』著者・早川タダノリ氏インタビュー」
UST視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi
※岩上安身が『「日本スゴイ」のディストピア〜戦時下自画自賛の系譜』『神国日本のトンデモ決戦生活』『原発ユートピア日本』の著者・早川タダノリ氏にインタビューします。

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■<ニュース・フラッシュ!>

【1】2018年にも「大嘗祭」 天皇の生前退位実現が本格化か 今日午後から政府有識者会議の初会合

 天皇の生前退位をめぐり、政府が、天皇から皇太子さまへの皇位継承に伴う重要な儀礼である「大嘗祭(だいじょうさい)」を2018年(平成30年)11月に執り行う方向で検討に入ったと、10月16日付の産経新聞が報じました。

※平成30年11月に大嘗祭を挙行へ 通常国会で法整備不可欠に(産経新聞、2016年10月16日)
http://www.sankei.com/premium/news/161016/prm1610160031-n1.html

 本日17日午後より「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の初会合も行われ、年明けに論点を公表し、来春にも提言をまとめる方向とのことです。それを受け政府は、来年の通常国会で関連法案を成立させる段取りを描いているといいます。

※生前退位、国民理解が焦点=17日に有識者会議初会合(時事通信、2016年10月16日)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101600051&g=soc 

 天皇陛下が生前退位の意向を示し始めたのは2010年7月の頃だったといい、当時からすでに摂政設置には強く難色を示していたとのことです。各紙の世論調査では、8~9割が天皇の生前退位に賛同を示しており、政府の対応に注目が集まります。

※天皇陛下、6年前に譲位意向 参与会議で「80歳めど」(中日新聞、2016年10月16日)
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016101602000087.html

【2】新入社員の過労死が繰り返された電通に、厚生労働省のブラック企業対策のための特別対策部が立ち入り調査! 書類送検の可能性も!?

 電通の新入社員・高橋まつりさんが昨年末に自殺で亡くなり過労死と認められた件で、10月14日、厚生労働省東京労働局の過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)が電通本社を抜き打ちで立ち入り調査しました。電通の大阪支社にも、大阪労働局が立ち入ったとのことです。

 「かとく」はブラック企業対策のために昨年、東京労働局と大阪労働局に設置されました。電通の労使協定が認めていない月70時間超の時間外労働など、具体的な法令違反を確認した上で是正を勧告(行政指導)する方針だといいます。

 労基法では、労働基準監督官が企業側に帳簿と書類の提出を求めたり、労働者や使用者を尋問したりすることができると規定されています。悪質なケースは刑事事件として書類送検され、「かとく」ではこれまでに靴の販売チェーンやディスカウントストアの運営会社などが書類送検されているとのことです。

※新入社員自殺 電通に強制調査 是正勧告へ 東京労働局(毎日新聞、2016年10月14日)
http://mainichi.jp/articles/20161014/k00/00e/040/273000c

※電通社員過労自殺 労働局が本社を抜き打ち調査(NHK、2016年10月14日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161014/k10010729731000.html

 電通や業界2位の博報堂など、広告業界のブラックな労働実態と、世論を誘導する悪質なプロパガンダの実情については、元博報堂営業マンで「原発プロパガンダ」の著者である本間龍氏に岩上さんがインタビューをしています。ぜひ、ご参照ください!

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※40年間で2兆4000億円もの「電気代」が原発プロパガンダに消えた!? 日本のメディアを牛耳る巨大広告代理店「電通」の実態に迫る!~岩上安身が『原発プロパガンダ』著者・本間龍氏に訊く 2016.10.13
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/338266
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【3】豊洲市場の地下空間から国指針の7倍の水銀検出 ベンゼン・ヒ素の検出でさらに2年間の地下水モニタリングの可能性も

 築地市場の移転先とされる豊洲市場の主な施設下に盛り土がされていなかった問題で、10月15日、再召集された都の専門家会議が初会合を開き、建物下の空気中から国の指針の最大7倍の水銀が検出されたことを報告しました。国の指針は年平均値で1立方メートル当たり0.04マイクログラム以下とされています。専門家会議は、「原因不明」として、調査するとしています。

 また、9月29日には、地下水の2年間モニタリングが行われている豊洲市場の201地点中3地点で、環境基準を上回るベンゼンとヒ素が初めて検出されたことを東京都が発表しました。

 これについて専門家会議座長の平田健正・放送大和歌山学習センター所長は、「改めて2年間、調査を継続していく。元に戻ったということだ」と述べ、これからさらに2年間、地下水モニタリングが継続される可能性を述べました。これにより、市場の移転がさらに延期される可能性もあります。

※豊洲地下の水銀「直ちに影響ない」 専門家会議、発生源調査へ(東京新聞、2016年10月16日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016101602000137.html

※豊洲市場問題 専門家会議が初会合 安全性の検証始める(NHK、2016年10月15日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161015/k10010731241000.html

 豊洲市場ではほかにも、都議会公明党が9月20日に発表した独自の調査結果で、水産卸売場棟がある「第7街区」の地下のたまり水から、猛毒のヒ素だけでなく、シアン化合物(青酸カリ)が検出されたことが明らかになっています。豊洲市場の汚染の問題については、岩上さんやIWJスタッフが元日本環境学会会長の畑明郎氏にインタビューをしていますので、ぜひそちらもご参照ください。

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※スクープ!豊洲「盛り土」問題、「技術会議」は地下空間の存在を知っていた!~岩上安身が元日本環境学会会長・畑明郎氏に豊洲土壌汚染の実態を訊く! 2016.9.19
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/332624

※豊洲汚染問題、検出されたシアン化合物は、かつてナチスがガス室で使ったほどの超猛毒!さらに今後も検出される可能性!元日本環境学会会長・畑明郎氏に緊急取材!(聞き手・IWJ城石裕幸) 2016.9.22
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/333206
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【4】戦争下の南スーダンに日本政府が自衛隊を派遣、「駆けつけ警護」の新任務付与の判断もまもなく!?

 内紛下にある南スーダンへの自衛隊派遣について、11月に交代派遣される陸上自衛隊第9師団第5普通科連隊に、政府が「駆けつけ警護」の新任務を付与する方向で検討に入ったとのことです。

 南スーダンでは、大統領派と元副大統領派の対立により紛争状態が続いており、今年7月には首都ジュバで大規模な武力衝突が発生し、JICA(国際協力機構)関係者93名がチャーター機でケニアに退避する事態に発展しました。

 しかし日本政府は頑として南スーダンの情勢を「戦闘状態」と認めようとしません。10月11日の参院予算委員会で答弁に立った安倍総理は、ジュバでの7月の武力衝突について、「『戦闘行為』はなかったが、武器を使って殺傷、あるいは物を破壊する行為はあった」と、常識では理解しがたい、矛盾した答弁をしました。

 また、10月8日に南スーダンを現地視察した稲田朋美防衛相は、7時間の滞在ののち、「(ジュバ市内は)7月の衝突がありましたが、落ち着いている」と、何を見てきたのかといいたくなるような事を、記者団に対して述べました。

 ところが、稲田防衛相が楽観的な見解を述べていた同じ日、ジュバ近郊で民間人を乗せたトラック4台が武装集団に襲撃され21人が死亡。数日後の12日には国連南スーダン派遣団(UNMISS)が、「この数週間、南スーダン各地で暴力や武力衝突が起きているとの報告が増えていることを非常に懸念している」との声明を発表しています。

※UNMISS STATEMENT ON INCREASED INCIDENTS OF VIOLENCE IN SOUTH SUDAN(reliefweb 2016年10月12日)
http://reliefweb.int/report/south-sudan/unmiss-statement-increased-incidents-violence-south-sudan

 さらに南スーダン政府軍報道官は14日、国内での戦闘行為や残虐行為により、過去1週間で60人が死亡したと発表しました。

※南スーダン、1週間で60人以上が死亡 政府軍発表(朝日新聞、2016年10月15日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJBH54NHJBHUHBI00T.html

 もはや誰の目にも南スーダンが「紛争下」にあることは確かです。「戦闘状態ではない」「落ち着いている」という安倍政権のごまかしの見解は、自衛隊に何が何でも「駆けつけ警護」をさせて、集団的自衛権行使の既成事実を積み重ねるための詭弁にすぎません。

 南スーダンの情勢については、IWJでも記事にまとめています。また、現地の様子を、米俳優のジョージ・クルーニー氏らが立ち上げた「セントリー」という調査団体が伝えている動画があります。IWJは同団体から許可を得て字幕を付していますので、ぜひ御覧ください。

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※【IWJ追跡検証レポート・前編】兵士の性犯罪が相次ぐ南スーダンで自衛隊が「駆けつけ警護」!国連平和維持軍は助けないどころか自らレイプ…これが戦地の現実!稲田朋美防衛相には見えていない? 2016.9.16
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/332104

※【特別掲載】戦争で儲けさせてはならない!(War Crimes Shouldn’t Pay)――米人気俳優ジョージ・クルーニー氏らの調査団体が紛争下の南スーダンの実情を伝える動画を公開! 2016.9.30
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/335266
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【5】本日からTPPが本格的に審議入り

 本日からいよいよ国会でTPPの本格的な各党質疑が始まります。政府はTPP早期発効を目指し、今国会でのTPP承認案と関連法案の成立を目指しています。

 TPP承認案は、前国会でも提出されたものの、民進党が求めていた政府交渉資料を自民党が全て黒塗りで提出し、審議が進まなかった経緯があります。今国会では、新たに「売買同時入札」(SBS)米の価格偽装問題などを野党が追及しており、国民の疑念は深まるばかりです。

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※輸入米価格偽装問題について、農水相は「違法性はない」とまるで開き直り~山本有二農林水産大臣記者会見 2016.9.27
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/334320

※米の高値偽造取引で農水省政務官が説明を拒否!TPP関連の補正予算審議に影響か〜民進党議員「審議拒否をしているのはそちらだ」 2016.9.27
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/334462
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 10月16日付の「しんぶん赤旗」によると、今国会で初めて開かれた13日の衆院TPP特別委員会理事懇談会で、与党側はいきなり14日の審議入りを強硬に主張したといい、TPP承認に対する与党側の焦る姿勢がうかがえます。

 以上、本日のニュース・フラッシュでした!続いては、WEB班兼テキスト班の関根かんじスタッフよりお伝えします!

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■<★新着記事★>租税特別措置による大企業優遇税制 その見返りに自民党へ政治献金! ツケは消費税増税!! 安倍政権の「歪んだ税制」で国が滅びる~岩上安身による中央大学名誉教授・富岡幸雄氏インタビュー

 テキスト&WEB班の関根かんじでございます。

 アベノミクス、トリクルダウン、新3本の矢、1億総活躍社会と、怪しいキャッチコピーばかりを撃ちまくる安倍政権は、詭弁の総合商社のように思えてきました。政権について4年。そのどれもが、うまくいっていないのは火を見るよりも明らかです。最近、安倍総理も、アイデアが尽きたのか、「未来」ばかりを連呼しはじめていますが、末期症状なのではないでしょうか?!

 「未来」があるとは思えないのは、安倍政権の行く末です。

 それに反して岩上さんは、ダイエットも順調にすすみ、体調も安定しているようで、IWJイチオシ・コンテンツ、岩上安身インタビューも再開しました。といっても、ジャーナリストとしての身体は、やや持ち直したものの、経営者としての心労は、まだまだ絶えないようです。

 とある夜更け、岩上さんは私と仕事の打ち合わせをしながら、ぽつりと「IWJの消費税、(ピーっ)円なんだよ・・・もう、やってらいられないよ」と独り言のように口にしたのです。

 「ウソでしょ?!」と、それを耳にした私は思わず叫んでしまいました。ほんとうに、こんなに重税を課されては、やっていけません。みなさまのなかでも、経営に携わったことのある方々は、容赦のない消費税の重税感は、わかってらっしゃると思います。

 安倍政権になって、税金の問題は、ほとんど話題にあがりませんが、(あまりにも他に問題が多すぎるためですが)、税の不公平性は明らかに拡大しているのです。

 前置きが長くなりましたが、税の不公平性について、核心をついたインタビューを明日、10月19非の18時より、配信いたします! ゲストは、中央大学名誉教授で、政府税調委員も歴任した富岡幸雄氏です。

 このインタビューは去る5月28日に行われたもので、今回、テキストを追加してアップしました!ぜひ記事を読みつつ、再配信をご視聴ください! 目からウロコ、であると同時に、はらわたが煮えくり返ること間違いなしです!

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※租税特別措置による大企業優遇税制 その見返りに自民党へ政治献金! ツケは消費税増税!! 安倍政権の「歪んだ税制」で国が滅びる~岩上安身による中央大学名誉教授・富岡幸雄氏インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/304535
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 「そもそも消費税は、あってはならない」と話すその富岡氏の口ぶりからは、91歳というご高齢を、まったく感じません。「日本の法人税は決して高くなく、法人税、地方税の合計負担を平均すると、実効税率は21%。しかも、零細企業より資本金100億円超の規模の巨大企業の負担が軽い。ひどいでしょ!」と声を大にします。

 ある超有名大手銀行の法人税額は、なんと300万円!実効税率0.0006%で、預金の金利よりも低い。「法定税率は国税と地方税の合計で38.01%なのに、なぜ1%以下や10%程度、多くとも2%程度で済んでいるのが問題だ」と、大企業の実名と納税額を列挙しながら、いかに巨大企業が税金を払っていないかを指摘します。

 もう一つ、大企業を優遇しているのが「租税特別措置」だといいます。みなさま、この制度をご存じでしたでしょうか? 建前は「公共政策のために、公平性を歪めても、国の経済を繁栄させるための特例」ですが、政治家や政府のさじ加減で、税負担を采配できるのです。

 この制度の欠点についても富岡氏は、「財界と政界の癒着によって、陳情の多いところ、政治献金の多いところに特措がいくようになってしまった」と俎上にあげます。

 マスメディアも大企業です。安倍政権のお目こぼしがあって、かつ、それで潤った他の大企業のお金が広告費に使われ、それで糊口をしのいでいるのが現実です。これで、どうやってまともな批判や事実を報道できるというのでしょうか?!

 私たちは、買い物をしたら、消費税はぜったい払わされます。価格転嫁できない中小企業の経営者は1円、いや10銭でも安くする企業努力で毎日をしのいでいるのではないでしょうか?!

 社会保障費が足りないと脅かしながら、かたやオスプレイなど、割高の兵器をじゃんじゃん買ったり、海外を駆けずり回り、ODAをばらまく現政権。問題は、その税金の使われ方です。ちゃんと公平に使われていないから、みんなは怒るのです。

 ぜひ、富岡氏のインタビューを視聴なさって、マスメディアが報じない数々の不公平税制のひどさを知っていただきたいと思います。どれだけ、みなさまのお金が搾取されているか、この現実を知っていただき、一人でも多くの人に教えてあげていただきたいと思います。

 IWJは、みなさまからいただく貴重な会費とご寄付・カンパで運営しております。マスメディアが、決して報じないニュースを伝えるために、1円たりともムダにしないようやり繰りしています。

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※ご寄付・カンパをどうぞお願いいたします!
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 重ねてのご案内ですが、岩上さんによる富岡氏への5月28日のインタビューは、明日、10月19日の18時より再配信いたします!これからIWJでは、パナマ文書のリークなどで明らかになった富の偏在と税負担の不公正の問題を連続して報じていきます。富岡氏へのこのインタビューはその第1弾になります。このあと、7月9日に行われた富岡氏へのインタビュー後編やIWJの独自検証レポートなどもアップしていきますので、どうぞご期待下さい!
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 続いては、平山茂樹記者よりお伝えします。

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■<お知らせ>今後の岩上さんインタビュー・ラインナップ

 報道最前線に復帰し、岩上さんは精力的にインタビューを行っています!今後も、スケジュールが続々と決定しています。ぜひ、下記ラインナップをチェックしてみてください!

※10月24日(火曜日)に予定していた小口幸人弁護士へのインタビューは諸般の事情により中止となりました。ご了承くださいませ。

▼10月18日(火)14:30~ 広告の収集・研究者の早川タダノリ氏インタビュー

 『「日本スゴイ」のディストピア』『神国日本のトンデモ決戦生活』などの著書がある早川タダノリ氏に、岩上さんがインタビューします。

 早川氏はこれまで、戦時下に発行された『主婦之友』『婦人倶楽部』などに掲載された写真や図版を大量に収集。大日本帝国下で政府とメディアが一体となって進めた政治的「プロパガンダ」の実態を考察する著書を刊行しています。

 戦中に高揚した「日本スゴイ」の大合唱は今、安倍政権下の日本で再び盛り上がりを見せています。狡猾巧妙な「戦争プロパガンダ」の実態について、岩上さんが詳しくお聞きします。こちらのインタビューは、見逃した方のために、10月20日(木)に再配信いたします。

▼10月21日(金)9:30~ 日本共産党副委員長・小池晃参議院議員インタビュー

 参議院予算委員会で、稲田朋美防衛相や菅義偉官房長官といった安倍内閣の閣僚の「白紙領収書問題」を追及した、共産党の小池晃議員に岩上さんが単独インタビューします。

 白紙の領収書に、自分で好きな金額や日付を書くことが、自民党の閣僚にだけ特権的に認められているのでしょうか? いやいや、そんなふざけた話があるわけはありません。インタビューでは、予算委員会で菅官房長官や稲田大臣を問い詰めた小池議員に、質問の趣旨等について岩上さんがお聞きします。

※2016/10/14 稲田防衛相らの「白紙領収書」はIWJのような超零細企業でも許されるのか!? それとも安倍閣僚にのみ許された特権か!? 全国民が注目するその回答は!? IWJが国税庁、総務省、検察庁に突撃取材!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/338518

▼10月27日(木)14:30~ 近現代史研究者・辻田真佐憲氏インタビュー

 『大本営発表』『ふしぎな君が代』などの著者・辻田真佐憲(まさのり)氏に岩上さんがインタビューします。

 「大本営発表」と言えば、今では「あてにならない当局発表」「当局に都合の良い情報」の代名詞となりましたが、第二次世界大戦中の日本で、大本営発表はどのようにして強大な力を持つようになっていったのか、辻田氏は歴史をさかのぼり読み解いています。

 撤退を「転身」と、全滅を「玉砕」と言い換え、戦局の悪化を隠蔽し続けた「大本営発表」。インタビューでは、現在も続く「プロパガンダ」の実態について、岩上さんがお聞きします。

▼11月3日(木)14:00~宗教学者・島薗進氏インタビュー

 『愛国と信仰の構造~全体主義はよみがえるのか』『日本仏教の社会倫理』の著者であり宗教学の第一人者である島薗進・上智大教授に岩上さんが再びインタビューします。

 10月3日には、安倍政権が目指す国家神道への回帰について、安倍政権を支える「日本会議」の実態や、その源流である宗教団体「生長の家」、さらには「天孫降臨」「神武東征」といった神話にもとづく「国家神道」の実像について、岩上さんがインタビューしました。今回は、その続編として、10月3日のインタビューでは掘り下げきれなかった様々なテーマについて改めてお聞きします。

※「改憲」の先にあるもの――日本会議と神社本庁は何を目指しているのか!?
安倍政権下で進む右傾化の真実に迫る!岩上安身による上智大学教授・島薗進氏インタビュー 2016.10.3
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/335795

▼11月上旬 歴史学者・井上寛司氏インタビュー

 『「神道」の虚像と実像』 や『日本の神社と「神道」』の著者である、島根大学名誉教授の井上寛司氏に岩上さんがインタビューします。

 井上氏は『「神道」の虚像と実像』の中で、「神道は三度つくられた」という見方を提出。そのうえで、「神道は太古の昔から連綿と続く、自然発生的な日本固有の民族的宗教である」という考えを「戦後最大のドグマ」として批判しています。

 安倍政権が回帰しようとしている「国家神道」の虚偽性について、岩上さんが井上氏にじっくりとお話をお聞きしますので、どうぞご注目ください。

▼11月中旬 山崎雅弘氏インタビュー

 『日本会議・戦前回帰への情念』の著者で、戦史/紛争史研究者の山崎雅弘氏に岩上さんがインタビューします。

 強烈に、異常とも言える執着をもって改憲への道をひた走る安倍政権。それを焚き付け、先導する日本会議。その情念は、どこから湧き上がり、何を成し遂げようとしているのでしょうか。

 戦史/現代史研究者である山崎氏は同書の中で、「日本会議」を「肉体」(人脈・組織)と「精神」(戦前戦中を手本とする価値観)に分けて分析し、日本会議が国家神道を拠り所として戦前回帰しつつあることを指摘。安倍政権を支える極右団体に、肉薄しています。日本のメディアが決して触れようとしない、安倍政権最大のタブーに、岩上さんが切り込みます!

▼日時未定 西崎雅夫氏インタビュー

 関東大震災における朝鮮人虐殺の「語り部」として、荒川河川敷沿いにある追悼碑を守り続け、先日、『関東大震災朝鮮人虐殺の記録:東京地区別1100の証言』(現代書館)という大部の証言集を刊行した社団法人ほうせんか代表の西崎雅夫氏に、岩上さんがインタビューします。

 関東大震災における朝鮮人虐殺に関しては、一昨年の2014年8月、『九月、東京の路上で』を刊行した加藤直樹氏とともにIWJスタッフが都内各所でロケを敢行し、特別番組を製作しました。西崎氏には、荒川土手でロケをした際、加藤氏とともにご登場いただきました。この特別番組のアーカイブは、下記URLよりぜひご視聴ください!

※2014/08/29 【IWJ追跡検証レポート】『九月、東京の路上で』~関東大震災・ジェノサイドの跡地を加藤直樹氏と歩く
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/165254
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 最後は「わとはぷ」です!

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■わとはぷ~What happened today?

 明治10年(1877年)の本日、華族の団体である華族会館が独自の教育機関として、神田錦町に華族学校が設立され、「学習院」が創立されました。

 1884年に宮内省所轄の官立学校となりますが、1945年、日本の敗戦で占領軍総司令部による華族制度廃止にともない、学習院も廃止の危機に立たされ、宮内省から独立して私立化します。

 その後も長く、皇族の方々は学習院に通うのが通例となっていましたが、最近では秋篠宮眞子&佳子さまが国際基督教大学(ICU)に進学したり、悠仁さまがお茶の水女子大学付属幼稚園・小学校に進学したりなど、「学習院離れ」が目立っています。

 眞子さまや佳子さまのICU進学は特に注目を集めました。「皇室だから」というだけで慣習の縛りにとらわれず、一人の人間として自分の将来を選択できる自由が皇室にもあるのだということが、嬉しく感じられます。

 昨日、政府が天皇の「お気持ち」を受け、天皇陛下から皇太子さまへの皇位継承に伴う重要な儀礼である「大嘗祭(だいじょうさい)」を平成30年(2018年)11月に執り行う方向で検討に入ったことが、報じられました。

 82歳のご高齢を迎え体力面の制約を懸念される一人の人間としての天皇のご意向に対し、多くの国民が賛同を示しているとおり、生前退位にむけ政府がきちんと議論していくことを願うばかりです。

 それでは今日も1日、IWJをよろしくお願いします!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/