日刊IWJガイド・日曜版「日米開戦の『引き金』となり、戦後の対米従属を決定づけた『ゾルゲ事件』の謎に迫る! 新刊『日米開戦へのスパイ―—東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏(元外務省国際情報局長)に岩上安身が訊く! 第一弾を配信しました! 会員登録し、ぜひアーカイブを御覧ください!」2017.8.13日号~No.1794号~


■■■ 日刊IWJガイド・日曜版「日米開戦の『引き金』となり、戦後の対米従属を決定づけた『ゾルゲ事件』の謎に迫る! 新刊『日米開戦へのスパイ―—東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏(元外務省国際情報局長)に岩上安身が訊く! 第一弾を配信しました! 会員登録し、ぜひアーカイブを御覧ください!」2017.8.13日号~No.1794号~ ■■■
(2017.8.13 8時00分)

 おはようございます。IWJ編集部です。

 日刊IWJガイド・日曜版をお送りします。

 昨日は新刊『日米開戦へのスパイ――東條英機とゾルゲ事件』を上梓したばかりの元外務省国際情報局長・孫崎享さんに、岩上さんがロングインタビューを行いました。

 「ゾルゲ事件」とは、ロシア系ドイツ人のリヒャルト・ゾルゲを中心とするソ連のスパイ組織が戦前に、日本で諜報活動を行なった罪で死刑などの重罪が科せられた事件です。ゾルゲらの任務は主に日本の対ソ戦略の調査と、対ソ攻撃研究の計画や報告とされ、その成果はソ連を対独戦における勝利に導いたと言われています。「ゾルゲ事件」は、大戦前夜の日本を揺るがせた「20世紀最大のスパイ事件」として語り継がれてきましたし、実際に、冷戦期のソ連で宇宙飛行士に匹敵する「英雄」とされました。

 今では忘れられつつあるこの「大事件」が、実は開戦派の東條英機陸相が開戦反対派の近衛文麿首相を追い落とすための「謀略」に利用するなど、「日米開戦の本筋と大きく関わっていた」と孫崎さんは説明。それだけでなく、「ゾルゲ事件」は、冷戦期の「反共」のプロパガンダとして、米国や日本などで「再利用」されてきたこともご解説してくださいました。

 孫崎さんは、膨大な資料や書籍を分析し、ゾルゲはスパイとしては有能とは到底言えず、世界大戦の戦況を大きく変えるようなスパイ活動など行えていなかったばかりか、むしろ、ソ連側からは酒飲みの使えないスパイくらいに思われていたと指摘します。また、当時、ゾルゲ事件を担当した検察官や特高警察の担当官も、戦後、「ゾルゲに死刑の判決があるとは予想していなかった」などと、ゾルゲの「罪」の小ささをはっきりと認識していたことを明かしています。

 ではなぜ、戦前の日本を震撼させ、戦後は「20世紀最大のスパイ事件」などとして世界で大きく取り沙汰されたのでしょうか。

 昨日のインタビュー冒頭で話題にのぼりましたが、現在、北朝鮮がグアム沖にミサイルを発射すると匂わせたことを受け、小野寺五典防衛相が、グアムに向かうミサイルを自衛隊が迎撃するオプションもあるとの異例の発言をし、物議を醸しています。

 米国のために武力行使すれば日本が北朝鮮から壊滅的な反撃に遭うのは確実で、岩上さんは「そこになぜ日本が首を突っ込むのか。同盟国が喧嘩をおっ始めようと、日本の安全第一に振る舞うのが日本の政治家のはずだ」と批判。そのうえで、小野寺防衛相の発言の背景には、日本は今も「米国占領下の戦争協力体制の継続」という「朝鮮戦争レジーム」の下にあり、米国の「戦争の道具」としての役割を深めている現実があると指摘しています。

 しかしなんと、こうした「朝鮮戦争レジーム」の始まりにも、「ゾルゲ事件」は深く関わっているんですね。

 「ゾルゲ事件」は過ぎ去ったスパイ事件ではなく、戦時中は日本の日米開戦へと向かう大きなキッカケのひとつであり、かつ、戦後の日本の道を決定づけるうえで重要なプロパガンダの役割を果たした、現代を生きる我々にも深く関わる闇の深い事件だったんですね。話はかなり多岐に渡りましたが、すべては一本の糸でつながっています。さっそくアーカイブをアップしましたので、ぜひ、御覧ください!

※日米開戦の隠された真実に迫る!新刊『日米開戦へのスパイ 東條英機とゾルゲ事件』著者・孫崎享氏 に(元外務省国際情報局長)岩上安身が訊く!第一弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395300

 岩上さんによるインタビューアーカイブは、一般会員様であれば1ヶ月、サポート会員様であれば今後、いつでも好きなときにご自由に御覧いただけます。孫崎さんサイン入りの『日米開戦へのスパイ――東條英機とゾルゲ事件』も、会員限定で20冊販売いたしますので、この機会にぜひ会員登録をお願いします!

※IWJ会員登録はこちらからよろしくお願いします!
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

 本日の日刊IWJガイドは日曜版のため、以下、番組表のみの掲載となります。

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◆中継番組表◆

**2017.8.13 Sun.**

 あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【ツイキャス・IWJ_OKINAWA1】16:00~「『沖縄の声』をアメリカへ いま、若者は何を伝えるべきか」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_okinawa1

 「オール沖縄会議訪米プロジェクトチーム・若者グループ」主催で開催される意見交換会を中継します。

【核と戦争を考えるシリーズ再配信 7・YouTube Live】20:00~「『沖縄の米軍基地が拡大される可能性』核兵器に代わる米国の新戦略とは ~岩上安身によるアメリカン大学・ピーター・カズニック教授インタビュー」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 「日本での戦略核配備は、反発が大きいと予想できるので、アメリカは考えていない。それよりも、沖縄など日本の米軍基地を拡大利用する方向なのではないか」──。

 2013年8月11日、東京都内のホテルで、岩上安身によるピーター・カズニック教授へのインタビューが行われました。アメリカン大学で歴史学を教えるカズニック教授は、オリバー・ストーン監督の『もうひとつのアメリカ史』の共著者です。岩上さんは、「アメリカは、日本に核を持たせようとしているのか。ヨーロッパのようなニュークリア・シェアリングを考えているのか」などと質問。安倍政権の評価についても意見を求めました。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/95813

【核と戦争を考えるシリーズ再配信 8・YouTube Live】21:00~「核燃料サイクルと『核技術抑止』政策のこれから 日米原子力協定の交渉担当者・遠藤哲也氏に岩上安身が聞く」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 原発から出た使用済み核燃料を「再処理」してプルトニウムを抽出し、それを再び原発で燃料として使用する「核燃料サイクル」。

 日本政府がエネルギー政策の柱として掲げるこの「核燃料サイクル」は、1988年に締結された日米原子力協定(包括協定)によって可能となったもので、この日米原子力協定が、来年2018年に期限を迎えます。

いまだに実現のメドがたっていない「核燃料サイクル」は、今後どうなるのか。そして、核兵器に転用可能とも言われるプルトニウムを、日本はどのように扱えばいいのか。1988年当時、外務省科学審議官として、日米原子力協定の交渉の実務を担った遠藤哲也氏に、岩上さんがお話をうかがいました。
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/124876

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◆中継番組表◆

**2017.8.14 Mon.**

 あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 44・IWJ_YouTube Live】21:00~「『日本政府も企業も個人もすべて米国NSAに盗聴されている!』元NSA職員スノーデン氏が暴く!米国による巨大監視システムの実態とは――スノーデン単独取材に成功した小笠原みどり氏に岩上安身がインタビュー(その1)」
YouTube視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501
ツイキャス視聴URL: http://twitcasting.tv/iwakamiyasumi

 小笠原さんは米国の違法な諜報活動を世界中に暴露して追われる身となった元NSA職員・エドワード・スノーデン氏に単独インタビューしたジャーナリストで、その内容はご著書『スノーデン、監視社会の恐怖を語る』(毎日新聞出版)にまとめられています。

 これまでにも米政府内から内部告発者は出ていましたが、スノーデン氏の告発の意義は、NSA監視システムの多様な手段と物質的な基盤、さらにそれらをつなぎ合わせた監視の規模の大きさを明らかにしたことだと小笠原さんは指摘。今月17日には再び岩上さんがインタビューしますので、ぜひ再配信を御覧ください!
[記事URL] http://iwj.co.jp/wj/open/archives/354108

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

福島第一原発敷地内で不発弾が見つかる!陸自が回収、廃炉作業に影響なし?~サブドレンの水位低下事故の原因は水位計の値が低下したのは計器故障と判断したため!?――東京電力 定例会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395050

東芝 2017年3月期決算 監査意見は「限定付き適正」―国内製造業で過去最大の赤字9656億円!半導体事業売却の難航・内部統制問題で上場廃止・倒産の足音が!!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395068

「加計学園の認可判断保留は結局ポーズだけなんじゃないのか!?」~民進党桜井充議員、今井雅人議員らが内閣府・文科省に追及!! ――民進党「加計学園疑惑調査チーム会合
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/395046

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 それでは今日も1日、よろしくお願いします!