日刊IWJガイド「世界で最も厳しい規制基準」が、その実態はユルユルだった!?――満田夏花氏、阪上武氏、水藤周三氏が指摘 2015.8.17日号~No.1069号~


■■■ 日刊IWJガイド「世界で最も厳しい規制基準」が、その実態はユルユルだった!?――満田夏花氏、阪上武氏、水藤周三氏が指摘 2015.8.17日号~No.1069号~ ■■■
(2015.8.17 8時00分)

 おはようございます! IWJで記者をやっている佐々木隼也と申します。

 依然として「今すぐに噴火してもおかしくない状態」(by気象庁)が続いている桜島。昨日の時点でも噴火警戒レベル4(避難準備)に引き上げられたまま、3キロ圏内には噴火に伴う大きな噴石の飛散や、火砕流に警戒を呼びかけています。

 いやがおうにも、直線距離で50キロの位置にあり、つい最近再稼働されたばかりの川内原発の事故リスクに、不安を感じずにはいられません。

 ということで昨日、川内原発再稼働に反対し続けてきたFoE JAPANの満田夏花さん、フクロウの会の阪上武さん、そして原子力市民委員会事務局の水藤周三さんをお迎えし、岩上さんが桜島の今後と川内原発再稼働の問題点について聞く緊急特番を行いました。

 まず大規模噴火の可能性については、以前に原佑介記者がインタビューしたこともある火山の専門家、鹿児島大学大学院の井村隆介准教授も、今回の桜島の変動について、「有感地震が増えたりすると大正噴火クラスの噴火にもつながっていく可能性は否定できない。避難準備情報が出ていない。エリアの人たちにも注意はしておいてほしい」などと、最大限の警戒を呼びかけています。

 政府答弁も、「カルデラ噴火については、その前兆をとらえた例を承知しておらず、噴火の具体的な時期や規模を予測することは困難である」(6月27日)としていますから、大規模噴火は「いつ起きてもおかしくない」という前提のもとに、原発の事故リスクを考えなければいけません。

 そんななか安倍総理は、川内原発再稼働に際し、「桜島が御嶽山よりはるかに大規模に噴火しても、川内原発は安全だ」とぬけぬけと言ってのけました。番組内でも満田さんが「おまえは神か!」と呆れてツッコんでいましたが、ますます不安は倍増しますよね。「世界で最も厳しいレベルの規制基準に適合した」というのが、総理のこの断言の理由なのですが…

 しかし昨日の特番で満田さん、阪上さん、水藤さんは、「世界で最も厳しい規制基準」が、その実態はユルユルだったという事実を指摘しました。

 いざ事故が起きた時のために、原発30キロ圏にある医療機関と社会福祉施設では避難計画を策定することになっているのですが、圏内の医療機関85施設のうち策定済みは現状なんと2施設だけ。

 被曝を防止するための安定ヨウ素剤が、薩摩川内市で約3割の1300人の住民に配布できていない。そういう状態なんです。まさに「何が起きても事故は起きない」という安倍総理の根拠のない自信が、そのまま避難計画に反映されてしまっています。

 原発の耐久性についても、例えば原発は運転すると中性子の影響などでどんどん劣化していくのですが、この劣化度合いでどの程度の地震に耐えられるのかという重要な点については、「今後運転して実測データをもとに評価を実施」するとなっているんです。つまり、規制基準はまだ「パス」していないんですね。

 特番で阪上さんは、規制庁は「再稼働ありき」で九電を手助けしている、と批判。「原発が劣化しているが、規制も劣化している」と断じました。

 この規制の劣化を象徴する出来事として、阪上さんが紹介したのが、美浜原発の「破砕帯調査」でのエピソードです。規制委員会の石橋明委員は専門家の意見を取りまとめ、「美浜原発下にある破砕帯が活断層であるという証拠はないが、活断層でない証拠もない」としました。しかしその2日後の規制委員会では、「活断層であるという証拠はない」という点だけを、結論であるかのように述べたのです。

 規制基準もユルユルですが、それを運用する側もユルユルで、電力会社の意向に協力する。これのどこか「世界で一番厳しい」のでしょうか?

 特番で再稼働決定のプロセスの無責任さと杜撰さを指摘した水藤さんは僕と同い年、昭和58年生まれなのですが、「川内一号機の稼動は昭和59年。僕らが生まれた頃に当時最新の機器と言えばファミコンくらい。それが今、再稼働しようとしている。大丈夫なのかと思う」と言っていて、とても共感しました。

 この5時間にも及んだ緊急特番は、他にも多くの問題点、矛盾点が明らかにされました。動画記事はもうじきアップしますので、ぜひご覧になってください!

 近々再配信も予定していますので、見逃した方はそちらをぜひ!

 なお、IWJ会員の方であれば、この特番の全編のアーカイブをすぐにご覧になれます。サポート会員であれば、制限なく、過去のアーカイブをご覧いただけます!

 IWJはこれからも原発再稼働について、圧力にも萎縮ムードにも負けず、スタッフ一同、警鐘を鳴らし続けていきます。ぜひ会員に登録し、これからもIWJのこうした活動をお支えください!

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 IWJでは、毎月15日に、その時点で会費未納の方を有効会員数からカウントを外させていただいているのですが、そのたび、五千人を割り込む繰り返しが、もう一年あまり続いていました。が、今月は、五千人台をキープできました! 皆様のおかげです! 心から感謝いたします!

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■「原発×戦争」リスクと米国の「オフショア・バランシング」戦略

 ユルユルなプロセスでどんどん原発再稼働を進める安倍政権。しかしお得意の安全保障についても、ユルユルでした。特番の後半では、岩上さんが満田さん阪上さん水藤さんに、「原発×戦争」リスクについて紹介しました。

 安保法制の必要性について、中国の脅威や北朝鮮の弾道ミサイルのリスクを煽り立て始めた安倍政権ですが、ではその原発への攻撃リスクについて、どう考えているのか。7月29日の参議院審議で、山本太郎議員が川内原発に弾道ミサイルが直撃する可能性について質問したのです。

 これに対して、原子力規制委員会は「弾道ミサイルが直撃するような事態は、そもそも原子力施設の設置者に対する規制により対処すべき性質のものではない」と超無責任な回答。さらに政府も、「他国等からの弾道ミサイル攻撃に関する想定については、政府として特定の施設についてお答えすることは差し控える」などと、回答を拒否したのです。

 さらに特番では、このユルユル過ぎる安倍政権の安全保障政策の裏にある、米国の「オフショア・バランシング」戦略について、岩上さんが解説しました。この戦略は、米国経済の衰退と中国の台頭を前提に、米国自らは沖合(オフショア)に引いて、他者を戦わせ漁夫の利を得るものです。

 つまり、米国にとって安倍政権の「中国の脅威」を煽ることや、集団的自衛権の行使で米軍の肩代わりをしてくれることが利益なんですね。米国にとっては、極端に言えば日本にどんな被害が出るか、そんなことは問題ではない。捨て石と同じ。そんななかで、中国との間の軍事的な緊張をいたずらに高めておきながら、攻撃された時の対応はまったく考えていないという無責任さ。その一方で、川内原発を再稼働するという、このバラバラさ。まともな政府とは思えない、とっても恐ろしい状態が続いています。

 このオフショア・バランシングを含めた「原発×戦争」リスクについては、岩上さんが山本太郎議員と対談した「マル秘対談」がDVD化されていますので、こちらをぜひお買い求めください!

【山本太郎さんサイン入り】 山本太郎 × 岩上安身 特定秘密会談(原発×戦争)×秘密=?!
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=115

 さらに、本日17時からCh1で、8月1日に行った山本太郎議員へのインタビューを再配信します! 見逃してしまった方はぜひ、こちらもご覧ください!

 安倍政権はむしろ、万が一の事態が起こることを、織込み済み、下手したら「好都合」と思っているのではないでしょうか?

 というのも、自民党が国民に向けて発表している改憲草案のなかで、来年の参院選後に真っ先に改憲の国民投票にかけるのが、「緊急事態時には国民の人権・自由は制限しますよ」という条項だからです。

 日本が戦争に突き進んだ大日本帝国憲法は、「天皇の名の下に権力側が国民を縛る」という、立憲主義を否定したものでした。戦後、ようやく立憲主義を具現化した現行憲法を安倍政権は否定し、大日本帝国憲法の焼き直しを目指しているようです。

 これは、自民党の改憲草案を読めば、他にいくつもこの思惑を見つけることができます。岩上さん、澤藤弁護士、梓澤弁護士の3人が、この改憲草案の危険性、問題点を見つけ出し、すべて明らかにした書籍『前夜』をぜひ、ご覧いただければと思います。

※『前夜』のご購入はこちら!
http://iwj.co.jp/wj/open/%E5%89%8D%E5%A4%9C

…(後半へ続く)

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◆中継番組表◆
本日のIWJの中継番組表をお送りします。
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.8.17 Mon.**

【再配信・Ch5】15:00~「安倍談話の発表を受け、学者らで作る村山談話の会が会見 『日本語として失格、噴飯物、逃げの作文』と酷評」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=5
※2015年8月14日に行われた、元外務省OBや学者らで構成される「村山談話の会」の記者会見を再配信します。

【再配信・Ch1】17:00~「『いつ植民地をやめるのか、今でしょ!』対米追従姿勢に警鐘! 東京、大阪、米軍基地、そして原発…日本全土にミサイルが雨あられと降り注ぐ!? 岩上安身が山本太郎議員に訊く!」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255943
※2015年8月1日に収録した、岩上安身による山本太郎議員インタビューを再配信します。

【Ch2】17:30~「東京電力 定例会見」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=2
※東京電力による定例会見の模様を中継します。

【三夜連続 再配信・Ch1】20:00~「岩上安身による国立科学博物館・人類史研究グループ長・篠田謙一氏インタビュー 第二夜」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/245971
※岩上安身による国立科学博物館・人類史研究グループ長・篠田謙一氏へのインタビュー再配信・三夜連続の第二夜を再配信します。

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◆明日の中継番組表◆

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

**2015.8.18 Tue.**

【三夜連続 再配信・Ch1】20:00~(予定)「岩上安身による国立科学博物館・人類史研究グループ長・篠田謙一氏インタビュー 第三夜」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1
記事URL: http://iwj.co.jp/wj/open/archives/252671
※岩上安身による国立科学博物館・人類史研究グループ長・篠田謙一氏へのインタビュー再配信・三夜連続の第三夜を再配信します。

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(前半の続き)…

■一般事務、テキストスタッフ&夏休みアルバイトを大募集中!

 IWJでは、慢性的な財政難により、現在の規模を維持するためにも、慢性的な人手不足にあえいでいます。本来であれば人件費をさらに削り、規模を縮小させるべきなのですが、そんなことは言ってられないのがこの夏です。

 川内原発再稼働、TPP、築地問題、そして安保法制、さらにその先にある明文改憲など、来年の参院選まで、取材、追及、可視化の手を緩めるわけにはいきません。これまでより、さらに走る速度を上げ、より多くの方と問題の本質を共有し、問題の根本を浮かび上がらせ、国民の議論の高まりの一助となりたいと思っています。

 そのためにも今、IWJではさらなる人手を必要としています。

 一般事務は、電話やメールでの外部の方との連絡、岩上さんのスケジュールを把握してのインタビューのアポ取りや、スケジュール管理。イベント開催の準備、その他、諸々発生する、庶務的なことなど、IWJの活動のまさに屋台骨を支える仕事です。

 またテキスト・記者は、現場に行って取材をし、それを記事にするだけでなく、時にはカメラを駆使して中継したり、事務所でリサーチや文字起こしなどをしたり、とにかくIWJの取材・文字に関わるあらゆる業務を担当します。「現場記者」のイメージがあるかと思いますが、業務のほとんどは、調べものや記事作成のための文字起こし、テキストのリライトなど、デスク業務です。

 なので、そうしたコツコツとした作業を坦々と行える方には、もってこいの仕事だと思います。

 まあ色々と書きましたが、要は「熱意」だと思います。僕も熱意だけで働いているようなものですから、熱意さえあれば、だいたいのことは何とかなるでしょう!…ということで、以下のページより、ぜひ気軽に応募してみてください!

【スタッフ応募フォーム】
http://bit.ly/1ALJypQ

 また、この忙しない夏をIWJがぶっ倒れないで乗り切るために、臨時の夏休みアルバイトも大募集します! ご検討していただける方、まずは一度<office@iwj.co.jp>までご連絡ください。具体的な勤務日数などについては、直接連絡をとり、ご相談させていただきたいきたいと思います。

■安保法制に反対する全ての人からメッセージを募集しています!

 IWJでは今、安倍政権が進める安保法制に「一言いわせて!」という方のメッセージを大募集しています。そして多くの方から日々寄せられるこれらの声を、鮮度バッチリで毎日、記事としてHPに掲載させていただいています。

 学者の方にも寄稿をお願いしているため、寄せられるメッセージは、とても勉強になるものが数多くあります。ご寄稿いただいた学習院大学・非常勤講師の田島正樹さんは、包括的に安全保障政策を考えるならば、当然に議論されなければならないテーマとして、以下のように列挙しています。

 「安全保障にアメリカの協力が必要だというのであれば、なぜそれを率直に訴えないのか?

 極東の脅威が増しているというのなら、どのようにそれを除き得るのかを、国民に説明したらどうなのか?

 それに対抗する「抑止力」がかえって偶発的危機を招く可能性はないのか? よけいに緊張を高める危険はないのか?

 軍拡競争をコントロールする手立ては十分であるのか?

 極東におけるアメリカの関与を求める政策が、それとの交換に、たとえば中東における我が国の戦争関与につながる危険はないのか?」

 本来は、こうしたことを徹底的に議論すべきなんですよね。しかし先ほど紹介したように、安倍政権の安全保障政策はユルユルでバラバラで、米国の戦略に沿うという結果ありきなので、彼らにとって国益にかなう真剣な議論は不要ということなのでしょう。

 そして、田島氏はそれがもたらす日本の未来の危険性について、以下のように指摘しています。

 「もともと軍事政策には、大きな利権や惰性が伴うものであるから、途中で政策変更が難しい。ダム建設や原発政策でさえ、始めたら見直しが難しいような国で、いったん大きな軍事的行動が起こった場合、あるいは巨大な軍事産業が興る場合、そこから引き返すことは非常に難しい。満洲政策やその後の国策を見ればよくわかる。だからこそ、日本国憲法はそのような歴史の反省に立って、時々の政権の安全保障政策に対して、大枠としての厳しい制約を課しているのである。一時の感情的反発や、金に目のくらんだ連中による愚かしい煽動にたやすく動かされる前に、国民が熟慮することを憲法の精神は求めているのである」

 田島氏はこう警鐘を鳴らしています。しかし、この「軍事政策には、大きな利権や惰性が伴う」というのが、そもそもの安倍政権の目的なのではないか、という気がしてなりません…。もしそれ自体が目的であった場合、そうなってしまうぞ! といくら注意しても、当事者には意味がないのかも知れませんね…。

 現在200件以上寄せられているこうしたメッセージは、以下の特集ページにまとめています。どれ一つとして、同じものはありません。どれもこれも、一人ひとりの独立した声です。この法案に反対する大多数の方の声を、引き続き募集します! 遠慮なくお寄せいただければと思います!

・安倍政権の集団的自衛権にもとづく「安保法制」に反対するすべての人からのメッセージ
http://bit.ly/1HGpCHI

・メッセージの送付先はこちら!
office@iwj.co.jp

■復刻版「TRUE DEMOCRACY」Tシャツ、再入荷&追加サイズ好評発売中!!

 大好評につき多くの方にお買い求めいただいている「TRUE DEMOCRACY」シリーズの復刻版ですが、この度、追加生産分も発売を開始し、全サイズお求めいただけるようになりました。

 発売開始早々、完売欠品していたサイズや、XS相当の新サイズYLへ、続々とご注文いただいております。大変、お待たせいたしましたが、素早く反応してくださり、ありがとうございます。

 また、完売してしまっていたサイズの再入荷連絡のご要望いただいていたお客様にはご連絡を差し上げております。引き続き、よろしくお願いいたします。

 「華奢な女性でも着やすい、もう少し小さいサイズが欲しい」という声が上がっていたため、再生産に併い、新たに作成したXSサイズ相当のYLサイズ(着丈63cm、身幅46cm)は、特に多くのご注文をいただいております。

 現在のところはまだ、各色・各サイズ、すべて揃った状態で、ご検討、お求めいただけます。

 まだまだ残暑の厳しさも、「TRUE DEMOCRACY」を求めて抗うべき状況も続いています。是非「TRUE
DEMOCRACY」を着て、力強く元気にお出かけください!!

 無謀な大量生産はできないため、再入荷分とYLサイズはそれぞれ10枚程度ずつの少数の入荷の中、早速ご注文いただいておりますので、ご検討くださっている方は、お早めにご注文ください。サイズは大きめですので、1サイズ下でもいけるかもしれません!

・ブラック+レッド
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=140

・生成り(ナチュラル)?エンジ
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=141

・ネイビー+イエロー
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=142

■わとはぷ!のコーナーです。

 本日8月17日は、1982年にABBAの『The Visitors』が世界初のCDとして製造された日です。いわば「CD記念日」ですね。

 現在の音楽業界を見ますと、世界的にCDが売れなくなっていますね。日本でも、握手券付きのCDなどしか、ミリオンヒットはしなくなりましたね。メディアでは「若者のCD離れ」などと煽り、「音楽ダウンロードサービスが原因だ」なんだと犯人探しをしています。

 「○○離れ」と言えば、最近テレビでよく目にするのが、若者の「クルマ離れ」です。なぜか若い男性の「草食化」などと結びつけられて報じられていますが、とにかく、今の若者がお金を使わないということで、テレビでもコメンテーターなどが、「最近の若者は貯蓄するなど、堅実になった」などと言っています。

 しかし、本当はそんな理由じゃないことは、誰しもが分かっていますよね。

 若者の「CD離れ」も「クルマ離れ」も、お金を使わなくなったのではなく、使えるお金が圧倒的に少なくなった、からです。大学卒業した若者は数百万の利子付きの奨学金という名の借金を背負っています。税金も上がり、しかし給料は増えていません。正社員の率は減り、低収入不安定の派遣労働を余儀なくされる若者が増えています。社会保障もどんどん切り捨てられ、こんなんで、どうやってCD買ったり、車を買って維持するお金があるというのでしょうか?

 ということで、いまにテレビは「若者の食事離れ」とか、定職率が減ったら「若者の労働離れ」とか言い出しかねないですね。「最近の若者はついに生きることすら面倒になったのか」などと言って。IWJでは、こうしたテレビが目を背けるタブー、「本当の貧困の実態」にもスポットをあて、可視化していきたいと思います。

 若者世代の一人として、僕も実感をともなった視点で、取材をしていきたいな、と思っています。

 それでは、本日もIWJをどうぞよろしくお願い致します!

IWJ 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル
岩上安身サポーターズクラブ事務局
公式サイト 【 http://iwj.co.jp/

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