【IWJブックレビュー】13人の論客が分析する日米関係の実相 孫崎享・木村朗編『終わらない<占領>~対米自立と日米安保見直しを提言する!』(法律文化社)

 鹿児島大学教授の木村朗様から『終わらない<占領>~対米自立と日米安保見直しを提言する!』をご恵贈いただきました。

 14章の小論からなる本書は、戦後史の実相、政権交代と普天間基地問題の返還、米軍再編と在日米軍基地から見える本質、東アジア領土問題の真相など、多岐にわたるテーマを深く追求した一冊です。

孫崎享・木村朗編『終わらない<占領>』(法律文化社、2013.06)

 第1部の『戦後史における日米関係の実相———いまも続く事実上の占領』では、冷戦終結後から原子力ムラ形成までを振り返り、戦後も続く米国の「事実上の占領」の実態が生々しく語られています。第2部の第5章「対米従属から対米自立への転換を」では、木村氏が、米軍による占領の実態を解き明かし、日本の対米従属姿勢の解決方法について提言されています。

 第3部『米軍再編と在日米軍基地から見える本質———「目下の同盟」と「軍事植民地」』では、日本に存在した密約のほとんどが米軍関係であること、住民投票が対米反対運動に有力であることなどが記され、日本が対米自立できるまでのアプローチが示されています。

 第4部『煽られる領土問題の深層―—米国による東アジア分断政策の影』では、日中・日韓の領土問題を解決に導く方途を挙げ、最後に鈴木宗男氏が北方領土問題における「国会議員の無知」を厳しく批判していて、大変読み応えのある締めくくりとなっています。

 また、東日本大震災と米軍による「トモダチ作戦」がいかに攻略的で、後の沖縄の普天間基地移設と絡めた「政治利用」であったかが論じられており、「震災時の友好的支援の裏にそんな目論みがあったなんて」と、思わず息を呑んでしまう読者も多いでしょう。

 日本が米国から独立を果たすことができる日は来るのでしょうか。本書でも述べられている通り、国民の対米関係に関する理解が、真の独立を実現させるのだと思います。(2013/11/07発行【IWJウィークリー24号】より転載)

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