【IWJブックレビュー】実践者が説く、仕事中心思考からの脱却術 日野瑛太郎著『脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法』 (技術評論社)

 著者の日野瑛太郎様から『脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法』をご恵贈いただきました。

 第1章『日本の職場は理不尽なことばかり』、第2章『社畜にならないための考え方』のあたりは日本に蔓延する、長時間労働を美徳とする考え方や有給取得をめぐる問題に関して非常に真っ当な指摘が続きます。

日野瑛太郎著『脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法』
(技術評論社、2013/09)

 正直、「それは正論なんだけどさ、クライアントの要求とか納期とか人間関係とか色々あるじゃん?」と思いながら読んでいましたが、第3章『僕が日本の仕事観に疑問を抱くようになるまで』に入ると「そうそうそう! そうなんだよね」と興奮してしまいました。何を隠そう、これを書いている私自身が著者の日野瑛太郎氏と同様、「とにかく就職が嫌だった」元学生だからです。

 日野氏は就職するのを先延ばしにするために「大学院への進学」を選択しましたが、私の場合は嫌々建前だらけのエントリーシートを書き、嫌々面接を受けているうちに布団から出られなくなって、やむなく留年しました。今思うと、あれは「鬱」だったんだなあと思います。

 私自身の過去はともかく、日野氏とその仲間達が就職しないでも生きていけるようにウェブサービスを作ったり、ソーシャルゲームを作ったりしていくあたりは、システム開発に一度でも関わったことのある方には非常に面白く読める部分だと思います。(セマンティック・エロの発想は私も笑い転げました)
 
 そしてこの本で一番興味深いのは第5章『脱社畜の未来』です。日野氏は「そろそろ僕たちは、経済成長から卒業をしなければならないのではないだろうか」と説き、ベーシック・インカム論に触れています。確かに、ベーシック・インカムが制度として実現すれば、所謂「ブラック企業」なんて存在する余地はありません。

 ただ、今の日本の政治は社会保障費をひたすら削る方向へ向かっているので、日野氏の指摘する通り「正直一回国がひっくり返るぐらいの出来事がないと難しいかもしれない」というのが現実なのでしょうが。

 難しいトピックスも比較的柔らかい言葉で解説されていて、非常に読みやすい本でした。仕事で色々と背負い込んで辛い方や、就職が決まらなくて悩んでいる学生さんにお勧めです。(2013/10/22発行【IWJウィークリー22号】より転載)

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