白井聡様から『戦後政治を終わらせる―永続敗戦の、その先へ』をご恵贈いただきました。

白井聡著
『戦後政治を終わらせる―永続敗戦の、その先へ 』
NHK出版新書 2016.4.9

　同書の目的は、「完全な行き詰まりに陥った戦後日本政治を乗り越えるための指針を導き出すこと」、その意味では「戦後レジームからの脱却」だと、冒頭著者は述べています。

　この言葉は、安倍晋三首相の政策理念としてよく知られています。しかし、首相らは「戦後レジームとは何であるか」その本質を理解していないし、理解しようともしない、結局、「戦後レジームの死守」とでも呼ぶべき政策が強行されていると、著者は断じています。

　本書では、これまでの戦後政治の歴史的経緯を振り返りながら、戦後レジームを死に物狂いで「堅持」するかのような政策方針が、なぜ生まれてくるのかを見極めていきます。

　占領下から55年体制の成立、冷戦後の混沌から現在まで、日本政治の70年を鋭く考察して、近代資本制社会の行き詰まり、排外主義、反知性主義の横行などの世界的な潮流をふまえながら、戦後政治を乗り越えるための道筋を現す一冊です。

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[了]

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